インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~ 作:フォールティア
ヘイ!皆、作者だぜ!仕事を全てぶん投げたくなってきたZE!
ごめんなさい調子こきましただからファンネルミサイルはやめてください・・・
「お、来たね箒ちゃん!!」
「・・・お久しぶりですって何をしてるんですか」
「うん、流石にプロレス技を連続でかけられると身体が痛いね」
「はぁ?」
五体倒置の状態で元気よく声を掛ける束さんに箒さんがげんなりとした表情を浮かべる。
久々に会って最初の状態がこれじゃそうなるのも仕方ないけど。
「それで、お望み通り篠ノ之を呼んだぞ。ポッドの中身を見せてみろ」
「OK、ちょっち待ってねぇ・・・腰が痛い」
若干投げやり気味になってきた織斑先生の言葉に這いつくばりながら束さんがポッドを操作し、ロックを解除する。
圧縮された空気が抜ける音と共にポッドが開く。
全員が見守るなか、現れたのは。
「綺麗・・・」
「これは・・・凄いな」
真紅に染まり上がった武者鎧の如きISだった。
「これぞ制式第四世代型IS一号機、『紅椿』だよ!」
鎮座する紅椿を指し、堂々と束さんが言い放った。相変わらず這ったまま。
「束さん、締まらないですよ」
「そこは気力で立って紹介してください」
「ワォ、辛辣ぅ!!」
皆が紅椿を見つめるなか僕とクロエは束さんに突っ込みを入れる。寝そべりながらドヤ顔されても対処に困る。
しかしそれにもめげず、束さんは紅椿について説明する。
「この機体(こ)はね、白式とヘイズルのデータを参考に作り上げた機体なんだぁ。つまりいっくんとむっくんとの合の子だね!」
「「ホモ臭い話しは止めろと言っているウサギ!」」
「むっくん束さん結構満身創痍だからヘイズルフィンガーは止めて!」
部分展開したヘイズルの腕を解除する。全くもう、マトモに紹介する気あるのだろうか?
「白式とヘイズルのデータと言ったが、具体的には?」
「命の危機を感じたぜぃ・・・あぁそれはね、まず紅椿の装甲は白式の雪片弐型と同じ展開装甲にしてあるんだ。これを使う為に動力系は軒並みトップクラスになってるね。ウーンドウォートに近いかな?まあ流石に扱いやすくはしたけどねん」
展開装甲・・・機体の一部装甲を展開し、攻撃、防御、機動に対応した機能へと切り替えることで機体の汎用性を極限まで高めた機構だ。
ただ高度なプログラミングと装甲構築が必要だから、恐らく現状この機構を作れるのは束さんだけだろう。
「次いでヘイズルからは主にシステム面を引き継いだんだよ。むっくんの戦闘データを活かして火器管制や動力管制を効率化したシステムを搭載してあるしね~。もう一つヘイズルのデータを参考にした機能を搭載したんだけど、これはまだ発現してないから何とも言えないね」
「その機能とは何だ?」
「無段階移行(シームレス・シフト)って言えば伝わるかな?」
束さんの一言に織斑先生が絶句する。他の皆は首を傾げるばかりだ。
無段階移行。ISに搭載された形態移行システムを更に進化させたもので、蓄積された経験値によって武装の進化や性能強化などを随時行うというシステムだ。
例えば強力な攻撃を一度受けたとする。それを紅椿が学習する事によってそれ以降、同様の攻撃を一切受けなくしてしまう事だって可能だ。
でも、そんな感じのシステムはヘイズルには無かったような・・・。
「束さん、ヘイズルにそんなシステムありましたっけ?」
「あれ?言ってなかったっけ?ヘイズルには武装精練(ウェポンビルド)システムを組み込んであるんだけど」
「武装精練?」
聞き覚えの無い言葉に首を傾げると、束さんは身体を起こしてピッと人差し指を立てた。
「武装精練システムっていうのはさっき言った無段階移行のプロトタイプ、武装限定版だね。ヘイズルが蓄積した経験値と稼働率を元に、搭乗者であるむっくんのニーズに沿った武装を量子空間内で精製するシステムなんだ」
「でもそんな感じは・・・あ」
そこでふと気付く。ヘイズルの武装の大半は????という表記だったことを。つまりあれは武装の精製中だったか稼働率や経験値の問題で精製出来ていなかった物だったんだろう。
「ヘイズルを渡すとき色々と積み込んだって言ったけど、それは全部精製に必要そうな鉄とかレアメタルとか隕鉄とかありったけぶちこんだってだけなんだよね」
「じゃあロングブレードライフルとかも・・・?」
「うん、ヘイズルが君のために作ったんだろうね」
その言葉を聞いて胸が熱くなる。ヘイズルが僕の為に・・・。
ああ、ダメだ。にやけるのを抑えられない。
「束さん」
「うん?」
「ヘイズルにこの機能を着けてくれてありがとう」
機体が僕に応えてくれる。なんて嬉しいことだろうか。
今の僕はさぞ満面の笑みを浮かべているだろう。
「もうむっくんは可愛いなぁ!」
身体の痛みなんて無かったように束さんに抱き着かれ頬擦りされる。
その状態で束さんは爆弾発言した。
「それでね?そんな紅椿を箒ちゃんにプレゼントしようと思うのさ」
「・・・・・・・・・」
訪れる沈黙に僕とクロエは即座に耳を塞ぐ。流石にシャル達が転入してきた時よりかは人数も少ないし耳の被害は少な・・・
「「「「「「はああぁぁぁぁぁ!?」」」」」」
そんな事は無かったね、めっちゃくちゃ痛い。というか織斑先生の大声出すところ初めてみたよ。
ってフライルーは耳塞ぐような仕草しないでもいいじゃん。
「し、正気ですか姉さん!?私なんかに!」
「あぁ嫌なら良いんだよ?むっくんに言われて無理矢理渡すのはアレだと思ったし。ぶっちゃけ紅椿は本命じゃないし」
相変わらず僕に抱きついたままの束さんがさらりと言う。紅椿が本命じゃないってことはちゃんと別の物買ったんだね。
クロエを見ると小さく親指を立ててくれた。
「これ以上、何があると言うんだ・・・」
「いやいや、ちーちゃんが思ってるような物じゃないよ~。箒ちゃん、ちょっとこっちきてー」
「・・・何ですか?」
織斑先生に苦笑い気味に言って、束さんは箒さんを呼び寄せた。
「束さん、頑張って」
「・・・うん」
小声でエールを送って軽く背を叩くと束さんは僕から離れて箒さんと対面した。
そして束さんはポケットから細長い箱を取り出す。
「えーっと、だね。あぁダメだ色々言うべきことがあるのにうまく言えない」
「?」
「つまりだね、私はバカなんだと言うことだよ」
「はい?」
「うん、まあ受け取ってもらえるかな?」
「はぁ・・・」
訳がわからないといった体の箒さんが細長い箱を受け取る。
それを確認して束さんは、
「兎に角言いたいことはその中に入ってるので後で見てね!と言うわけで束さんはCOOLに去るぜ!」
とか言って海に飛び込んでいった。いや全くCOOLじゃないよね。フライルーが慌てた様子で追っていったから大丈夫だと思うけど。
「一体何をしに来たんだアイツは・・・」
唖然とした空気の中で織斑先生が深く、とても深く溜め息を吐いた。
「お兄様・・・」
「うん、どうしようねこの空気」
僕とクロエも同じく溜め息を吐く。紅椿まで置いてっちゃって・・・どうしろって言うのさ・・・
「・・・・・・」
そんな中、微動だにせず箒さんはじっと手渡された箱を見つめていた・・・。
書いてて思った。フライルー可愛い。
次回もお楽しみに‼