インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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メカとメカの殴り合いっていいよね!(Gガンダム感

P.S.文章に一部抜けがあったのを修正しました。


#14 返礼の一撃

【作戦領域到達。ギャプランブースター、パージ】

 

「一夏、福音は任せるよ」

 

「了解だ。睦月もあの妙なヤツ、思いっきりぶっ飛ばしてこい!」

 

「当然!」

 

第二防衛ラインに到着した僕達は、ギャプランブースターのパージと同時にそれぞれの目標へと向かう。

行ける。今の僕とヘイズルなら。

こっちを呆然と見る簪とシャルの隣に機体を止めると、付近の孤島にいたラウラも飛んできた。

 

「お待たせ、皆」

 

「その声、睦月なの?」

 

「正真正銘、扶桑睦月だよ。シャル」

 

まあ、機体の見た目もかなり変わってるから仕方ないか。

 

『ヘイズル・ラー・フルアーマー形態』。それが今のヘイズルの正式名称だ。マルチ・コネクター・ポッドに変更された背面ユニットに支援ユニット〔フルドド〕から分離した、台形の板のような形をしたスラスター・ウィング・ユニットを二基装備し、腰の両サイドにはロングブレードユニットをくわえたクロー・アーム・ユニットを装備。

頭部にはバイザー型複合センサーユニット、脚底部に姿勢制御用スラスターユニットを追加したアドバンス仕様となっている為、その姿はヘイズルの面影が辛うじて見える程度になっている。遠目からみたら丸っきり別の機体だと思われても不思議じゃない。

・・・さて、挨拶も程ほどにして。

 

「三人は下がってて。後は、僕がやる」

 

「え、ちょ・・・睦月!?」

 

「単機でやり合う気か!?」

 

シャルとラウラの制止の声も聞かず、『彼』の前まで進む。

その時、プライベートチャネルから簪の声が届いた。

 

『大暴れしてきて』

 

全く、大層な応援だ。まあ・・・言われなくても暴れるけどね。

今までの『お礼』はきっちり耳揃えて返してあげなきゃねぇ・・・。

 

「やあ、さっきぶりSガンダムのパイロットさん」

 

「テメェ、その機体まさか二次移行(セカンドシフト)か」

 

「君がそう思うのならそうなんだろうね・・・君の中ではさ」

 

皮肉を交えて笑い混じりにそう返す。

実際、二次移行したと思われても仕方ない外見ではあるけど、実際に二次移行した訳じゃない。

ただ単に単一仕様能力がアンロックされただけの話だ。

 

「ふざけてんのか?まあいい、態々もう一度やられに来たんだ精々楽しませろよ・・・っと!」

 

「・・・君は勘違いをしている」

 

Sガンダムの腰部から二本のビームが放たれる。

それをクロー・アーム・ユニットの口から放たれたビームが相殺する。

さあ、大暴れの時間(ランページ・タイム)だ。

 

 

 

「やられるのは、君だよ『櫟 秋人(くぬぎ あきと』」

 

 

 

「何っ!?」

 

『彼』の本名を呼び、軽くブースターを吹かして『側面を取る』。秋人の驚く声が聞こえるけど、そんな雑音を無視してロング・ブレード・ライフルの引き金を引く。

フルドドに搭載された制式型のロングブレードユニットの威力は今までのものより格段に上昇している。並みのISなら一撃で展開解除まで持っていけるだろう。

桜色の『柱』と称すべき極太のビーム二本を秋人がぎりぎりで回避するが、掠った左足の装甲が膨大な熱量によって融解を引き起こす。しかし、ブースターまで熱が到達する前にパイプラインをカットしたのか誘爆することはなかった。

 

「何だ、この威力は・・・!?」

 

「何って、ただのライフルの威力だよ」

 

【クロー・アーム ロングブレードユニット、格納。左右ロングブレードライフル、カートリッジロード】

 

クローアームから銃剣を量子化してクリアランスを広げ、カートリッジをリロード。

これくらいで音を上げて貰っては困る。

僕とヘイズルはまだ『フルドドしか』使っていないのだから。

 

「調子・・・乗ってんじゃねぇぞ!睦月ぃ!!」

 

「その言葉、そっくりそのまま返すよ!」

 

Sガンダムの背部ビームカノンが咆哮を上げ、蒼白の閃光を放つ。

たかが『その程度』の攻撃、当たるわけがない。

否、当たってやる義理もない。

 

「鬱陶しい!」

 

連射されるその尽くをロングブレードライフルとクローアームで相殺していく。

・・・叩き潰す、完膚なきまでに。

 

「何だ・・・」

 

一手を放つならその手の行く先を消し去ろう。

 

「何なんだよ・・・」

 

前に進むと言うならその道を阻もう。

 

「お前は」

 

避けると言うならその回避先すら弾幕で埋め尽くしてやろう。

 

「お前は一体何なんだよぉ!!」

 

一挙一動、あらゆる行動を踏み潰し、叩き潰し、圧壊してみせよう。足掻くという行為すら無駄だと、締観し頭を垂れる未来すら想像出来なくなる程に。

君が今まで行ってきた事、その全て。熨斗をつけて返してやる。

 

「僕が誰かって?簡単だよ」

 

Sガンダムから放たれるビームの数々、その全てを打ち消しながら僕は笑う。

 

「僕は御都合主義の風上に立つ存在(ヒーロー)、扶桑睦月だ!」

 

【ヒートブレード展開。クローアーム、ビームサーベルモード起動】

 

計四本の刃を振りかざし、一気に肉薄する。

その間もビームは撃たれ、何発かが背部ウィングユニットを直撃するが、フルドドのダメージコントロールシステムにより即座に破損部位をまるごとパージ。ダメージの拡散を防ぐ。

そして、

 

「叩き・・・斬る!」

 

Sガンダムのエネルギーシールドに全ての刃を突き立て、そのままこじ開けるように切り裂く。

姿勢を大きく崩したSガンダムを蹴り飛ばすと、僕はヘイズルの単一仕様能力を発動させた。

 

「パッケージ、ギガンティックアーム!」

 

【BUNNyS(ヴァニス)システム 起動。パッケージ換装】

 

僕の声に応え、ヘイズルがその姿を変える。

頭部バイザーは解除され、通常のガンダムタイプに戻る。

胴体は原作通りの脱出ポッドではなく、追加エネルギージェネレーターとなった〔プリムローズ〕に変わり、それに合わせて両肩の装甲がウェポンラッチを備えた小型のモノへと再展開される。

腰部フロントスカートは〔フルドド〕の追加パーツからサブアームユニットに切り替わる。

そして、背部マルチコネクターポッドに〔フルドドⅡ〕のドラムフレームを展開、そこからヘイズルの全長と同等かそれ以上の巨大な腕が更に展開され、『変身』を終える。

その間0.5秒。

 

「ギガンティックアーム形態、展開完了」

 

【プリムローズ、エネルギージェネレータ起動。シールドエネルギー、ブルーゾーンまで回復。残りシールドエネルギー800】

 

BUNNyS(ヴァニス)システム。それがヘイズルの単一仕様能力だ。その能力は、『パッケージの高速切替』。

戦略すら塗り替えるヘイズルの力だ。

 

【瞬時加速、発動】

 

「なっ!?」

 

ブースターの白い軌跡を残しながら、体勢が整っていない秋人の眼前へと再び迫る。

腕の動きに呼応して、ギガンティックアームが振り絞られる。

 

「君がどうしてこの世界に居るのかだとか、そんな事はもうどうでもいい」

 

「待っ・・・」

 

「今までのお礼だ」

 

そしてそのまま拳を叩き込むーー!!

 

「ぶっ・・・飛べえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

ーーーバゴンッ!!

 

 

ギガンティックアームの巨大な拳がSガンダムを捉え、装甲をスクラップ寸前まで凹ませて吹き飛ばす。

きっかり10メートル飛んだ辺りで秋人が姿勢制御を行うが、機体の外見は最早戦える状態には見えない。何せ機体前面の殆どがまるで正面衝突した車のように醜く潰れているからだ。

 

「がっ・・・ぁ・・・む、つきぃぃ!!」

 

「来なよ、秋人。その醜悪な思想共々、ここで潰して上げるから」

 

人指し指を曲げて挑発する。

 

 

 

ーー黄昏は、終わりに近づいていた。

 

 

 




という訳でヘイズルが単一仕様能力に覚醒しました。
因みにこのBUNNyS、原作に於いて元々はTR-6に搭載されていたシステムです。

次々回あたりには決着をつけるつもりです。

それでは次回もお楽しみに‼
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