インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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文化祭編、スタートです!

・・・本文、短いな


最果てに至る者
#01 這い寄る悪意


夏休みも終わりを告げた9月1日。

朝霧が立ち込める中、一人の少女がIS学園の前に立っていた。

 

「ふぅん・・・資料で見てはいたけど、かなり大きいわね」

 

ウェーブのかかった赤みの強い長髪を風に遊ばせて少女は一人呟く。

 

「さて、ネロにはあまり遊ぶなとは言われてるけど、ちょっとくらいは良いわよね?実働部隊はあのお人形と飼い主達なんだし」

 

誰に言うでもなくニヤニヤと口を歪ませ、少女は嗤う。

深い紫の瞳が細められる。その様子はまるで遊ぶのをさぞ楽しみにしている幼子の様だ。

だが。

 

「うふふーー何人くらいなら『壊し』ちゃっても良いのかしら?あぁ、一人くらいは耐え抜いて欲しいかなぁ」

 

その欲望は狂っていた。

 

今、一人の狂人が学園へと入り込もうとしていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、二学期に入ったわけだが・・・ラウラ、扶桑から離れろ」

 

残暑厳しい夏休み明けの最初の登校日、HRを始めようとした織斑先生が早速溜め息を吐いた。

原因はラウラが僕の膝に座ってるから。何でも一夏の家に集まったときに座って以来ハマっているそうな。

おかげで最近は義足の強度を上げるのに四苦八苦してます。

 

「教官先生、それは私に死ねと?」

 

「大袈裟が過ぎるだろ・・・いいから自分の席に戻れ。次は無い」

 

「了解(ヤー)!」

 

織斑先生が出席簿という魔剣を抜いた瞬間ラウラは席に戻った。

 

「ンンッ!話を戻そう。二学期に入り、文化祭の時期がやってきた。そこで早速だが文化祭の出し物について決めたいと思う。織斑、扶桑、お前達が司会をやれ」

 

「「え゛っ」」

 

「何か文句でも?」

 

「「ヨロコンデー!!」」

 

死神の眼光を受けて即座に席を立つ。僕だってまだ死にたくない。

織斑先生が教卓の前から離れ、出入り口付近にいる山田先生の横に移動したところで、話を始める。

アイコンタクトで僕が書記、一夏が進行を務めることにした。

 

「あー、ってことで文化祭の出し物についてなんだけど。何か案がある人は言ってくれ。幾つか候補を出した後に多数決で決めようと思う」

 

一夏の言葉に合わせて黒板に『文化祭 出し物候補』とチョークで書き込む。

さて、どんな意見が出るかな?

 

「織斑君と睦月君のホストバー!」

 

「「断固として却下!!」」

 

早速挙がった意見を速攻で却下する。何を考えたんだ皆木さん・・・って他数名も残念そうにしてるし。

織斑先生、早くも目頭を抑え始めちゃったよ。

 

「頼む、もうちょいマトモなのを」

 

「え~、良い案だと思ったのに~」

 

「じゃあ、メイド喫茶とかは?織斑君には執事服着てもらう感じで」

 

「あっれ~?なんで僕はナチュラルにスルーされてるのかな?」

 

『いや、扶桑君はメイド服でしょ?』

 

「何これ酷い」

 

セシリアさんや箒さんまで「何当たり前な事聞いてるの?」みたいな表情浮かべないでほしかったかな!?

 

「まぁ、執事服位ならいいか。睦月はメイド服か、頑張れ」

 

「受け入れるの早いね、ちょっとは援護してほしかった!」

 

数の暴力の真価を身に受け、泣く泣く黒板にメイド喫茶と書く。

その後も一夏が他の意見を促して幾つか案が出たところで、いよいよクラスの出し物が決定しようとしていた。

 

「それじゃ候補も幾つか出たところで、クラスの出し物を決めるぞ。順に言ってくから、やりたいやつに一人一つ、挙手してくれ」

 

皆が頷いたのを確認して一夏が候補を読み上げる。

 

「メイド喫茶がいいと思う人は挙手」

 

バッ、と音が聞こえるくらいの勢いの良さで手が挙がる。2、4、6・・・17人か。過半数の票を一気に持ってったなぁ。

 

「いやぁ~、ふそっちのメイド服、さぞ可愛らしいことてしょうなぁ~」

 

「布仏さん、聞こえてるからね・・・?」

 

「ギクッ」

 

ニッコリと良い笑顔を浮かべて振り替えれば布仏が肩を跳ね上げた。まったく、男のメイド服姿なんて需要無いでしょうに。

 

「あー、過半数いったか。取り敢えず、他のも行っとくか。和風喫茶がいい人!」

 

それから残りの候補である、お化け屋敷、演劇について票をとったが、結果は明らか。

 

「よし。それじゃあ一年一組の文化祭出し物はメイド喫茶に決定だ!」

 

『イェーイ!!』

 

一夏の宣言にクラス中が沸き立つ。

キャノンボールファストもあることだし、楽しみだ。

出し物が決定したので、後は時間まで細かい日程について話し合った。主に女子が。

えぇ、男二人の意見なんて有って無いようなモノですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時間は過ぎ、放課後。

教室掃除の当番である僕は皆と別れ、一人教室に残ってモップで埃を纏めていた。

 

「ふぅ・・・よし。終了っ」

 

塵取りに纏めた埃をゴミ箱に突っ込んで一息つく。

基本的に用務員さんが床などを磨いてくれているため、僕達生徒にできる掃除はこれ位が限度だ。

時計を見れば16時。今から一夏達の特訓に入ってもそんなにやれないな。

 

「さてどうしようか・・・ん?」

 

ちょっとした空き時間をどうするか考えて携帯を開くとメールの着信があった。

差出人は簪。珍しいな、普段は電話か直接伝えてくるのに。

 

『ごめん、転入生に校内の案内頼まれた。先に行ってて』

 

文の中にあった転入生の三文字を見て思い出す。

そういえば転入生がどうのって噂があったな・・・。まさか簪のクラスだったとは。

取り敢えず了解の意を返して携帯をしまい、モップと塵取りを廊下にある用具入れに戻す。

教室に戻り鞄を取り上げて、何の気無しに教室を見渡していると、

 

「なぁに黄昏てるのかしら、少年?」

 

「楯無会長」

 

不意に声が聞こえ、振り向くと教室の出入り口に不敵に笑う楯無会長が立っていた。口元を隠す扇子には『黄昏』の二文字が。

 

「どうしてここに?」

 

「ちょっと貴方にお話があってね」

 

「簪との仲ですか」

 

「まぁ、それもあるけど・・・本題は別よ」

 

そう言うと楯無会長はスッと目を細めた。

・・・どうやら、面倒事らしいね。ていうか僕ただの生徒なんですけど。

 

「模擬戦とは言え代表候補三人を相手に勝つ人間がただの生徒なワケないでしょ」

 

「さらっと心を読まないでください」

 

「兎に角、ここじゃ何だわ。場所を変えたいのだけど」

 

「既に着いてくことは決定ですか」

 

溜息一つ、僕は会長のいる出入り口に近付く。

再び開かれた会長の扇子には『会長特権』と達筆で書かれていた。

 

「職権濫用は良くないですよ、会長」

 

「そう言いながらちゃんと来てくれるなんて、ツンデレかしら?」

 

「からかわないで下さい。で、何処に行くんですか」

 

「ふふ、それじゃ着いてきて」

 

またも妖しげに笑って廊下を歩き出す楯無会長に若干不安になりながらも僕は、その背中を追うのだった・・・。

 





漸く、ここまで漕ぎ着けました。二学期スタートです。

ここから、あんなことやこんなことが起こる予定です。ポロリもあるよ!(オイ

それでは次回もお楽しみに!!
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