インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~ 作:フォールティア
mg Ex-S・・・だと・・・?(絶望)
ごめんなさい真面目にやるんでウェイブライダー突撃は勘弁してください
尚、今回登場したヘイズルの武装案は冴島 奏牙さんのご提供により出来ました。冴島さん、ありがとうございます
「・・・で、何でこうなってるんです?」
「秘密の話をするのに都合が良いからよ」
会長を追って、着いた先は第三アリーナ。そこで僕と楯無会長は互いにISを展開して相対していた。
「確か今日は二年生が使用予定だったと思うんですけど」
「食堂のスイーツ無料券」
「買収!?」
汚いな、流石生徒会長汚い。
ヒラヒラと何処からか取り出した無料券を扇子のように扇いぐ会長を見てそう思ってしまった。
「ところで・・・貴方の機体、またシルエットが変わってるわね。それが単一仕様能力?」
「まぁ、そうですね」
会長の言うとおり、今のヘイズルの姿はアドバンスドだが、背中の武装が変わっている。
通常、アドバンスド・ヘイズルの背中にはマルチコネクター・ポッドが装備される。今回はコネクター部分を少し弄り、そこに新たに使用可能となったパッケージを接続している。
支援武装ユニット〔シルフレイ〕。見た目はそのままガンダムビルドファイターズに登場した〔ビルドブースターmkⅡ〕だ。
追加ブースターにビームライフル二挺を両腕に装備する代わりに、背面ブースターが使用不可能になってしまうが、ビルドブースター自体の推力でカバーできるから問題無い。
「ちょうど試運転をしようと思っていたので、これにしました」
「そう・・・さて、そろそろ『お話し』を始めましょうか」
クルリとその手に持った水を纏う西洋槍を回してから構え、会長が笑う。
時間が無いのは確かだ。早めにしよう。
両手に構えたビームライフルの照準を合わせる。
「「・・・っ!」」
先に動いたのは会長の方だった。
手に持った西洋槍の穂先が開き、その中からガトリングガンが現れ、火を吹いた。
当然、当たる気は無い。
脚部スラスターを起動させ、上半身を捻ってホバリングを行いつつ回避する。
地面に銃弾が突き刺さり、焦げた臭いが装甲越しに鼻をついた。
「槍からガトリングって・・・ビックリメカですか!」
「とか言いつつ、しっかり避けているわね。凄いわ」
「そりゃどうも!」
お返しとばかりに両手のビームライフルを撃ち込むが、その尽くが非固定武装の纏う水のヴェールによって無効化される。
一手。交わしただけで解る。
・・・強いーー!
回避先を読んでいたかのように放たれる弾丸の雨を全身のスラスターと最小限の身体の動きを駆使して避ける。
【左腕 残弾30% 右腕 残弾0%】
「ちっ!」
威力が高い分、エネルギーの減りも早いか・・・!
背面ユニットアーム接続、シルフレイ本体からのエネルギー供給に切り替え!
【シルフレイ アーム接続完了、エネルギー供給開始】
「それで、お話しって何なんですか!まさかただ模擬戦したいだけじゃないですよね!」
取り回しを犠牲に残弾を回復させ、出力も増したビームライフルで攻撃しつつそう訊ねる。
会長は不敵に笑うとプライベートチャネルによる通信を送ってきた。
『これなら、誰にも聞かれず話しが出来るわね?』
『その為の模擬戦ですか・・・』
ガトリングを格納して距離を詰めた上で放たれる槍の穂先をシルフレイのビームライフルに付属するシールドでいなしながら左手のビームライフルからサーベルを発動させ切り払う。
『ISを使う以上、こういった大義名分は必要でしょ』
『・・・それで、こうまでしてしたい話しって何ですか?』
突き出された槍を避け、間を開けて睨み合う。
ビルドブースターのエネルギー残量はまだ余裕がある。攻められるか?
『亡国企業(ファントム・タスク)。聞いたこと無いかしら』
再度振るわれる槍の一閃をビームサーベルを振るって防ぐ。
空いた右手のサーベルで斬りつけるが非固定武装に難なく逸らされてしまう。
『第二次大戦中から存在する秘密組織、ですよね?』
『正解。最近、その連中と動きがやけに活発化してきたのよ。つい先日、アメリカで試作段階のISが強奪されたわ』
『・・・それ、明らかに機密事項ですよね』
『貴方が口を割らなければ問題ないわ』
口八丁手八丁。そんな言葉が頭を過る。
相も変わらず会長は笑ったままだ。全く、機体の纏う水のように掴み所がない人だ。
『福音事件の時、貴方が相手にした機体もそこの所属の可能性が高いわ』
『ISの強奪なんて出来る組織なんて連中位でしょうしね』
調べた限りでも全容を計り知れない組織。それこそ漫画やアニメの世界的な秘密結社の様相を示している。
束さんにも深入りは禁物と言われて以来、あまり調べてはいなかったけれど・・・そんな組織の名前が挙がるってことは学園(ここ)にも何かあるのだろうか。
『今日、転入生が一年に入ったでしょ』
『確か簪のクラスに・・・』
『そう。どうにもその転入生がキナ臭いのよ』
これがデータよ。
そう言って転送されてきた転入生のプロフィールデータを動きながら見る。
名前 フィーリス・E・バートリー
性別 女
年齢 15
ここまでは至って普通のデータだ。
そのまま身長、体重と見ていき、最後に顔写真を見る。
軽くウェーブのかかった赤髪、整った顔立ち。しかし、その目を見た瞬間、ゾワリとした冷たい感覚が僕を襲った。
『この子は・・・何だか妙な感じがします』
『妙な感じ?』
鋭い突きを体を反らして回避しつつ首肯する。
擦った穂先と装甲が小さく火花を散らすのを視界の端に納めながらも自分の意見を伝える。
『少なくとも、普通じゃないです。勘、ですけど』
キナ臭い処じゃない。この目は只人がするような目なんかではない。
強いていうなら三年前、誘拐された一夏を救出するときに相手をした連中、それと似ているような感じだ。
『勘、ねぇ・・・まあ私も同じ意見だわ。教師含め、殆んどの生徒が彼女を受け入れてるけど。正直、嫌な感じしかしないわ』
『それで、僕はバートリーさんを監視すれば良いんですか?』
『えぇ、彼女は簪ちゃんと同じクラスだし、貴方はその簪ちゃんと仲が良い。適任なのよ』
振るったビームサーベルの一撃が水と会長の技量によって勢いを完全に削がれるが、更に踏み込んで左手のサーベルを叩き込む。
『私も本音も、文化祭と別件で碌に動けなくなる。頼めるのは貴方しか居ないのよ』
槍とライフルが絡み合い、膠着状態になる中、会長が悔しそうな声音でそう吐露する。
『監視、というか護衛は構わないんですが・・・普段は別クラスですし、その所はどうするんです?』
押せど引けど動かない状態で、僕はそう訊ねた。
休日や夕方、夜は基本一緒に行動できるから良いとしても一番の問題は平日の授業の間だ。
最もバートリーさんが簪に近づくタイミングでその場に居ないのはかなりマズイ。
『四組にも私の部下が居るから、大丈夫よ。後で教えるからその子と連携して頂戴』
『成程』
同時に武器を弾きその勢いを使って再度切っ先を結ぶ。
ビームサーベルの先端と槍の穂先が互いの眼前で止まる。
『・・・了解しました。その話しを受けましょう』
『宜しくね、可愛い子兎さん?』
そう言い合うのと同時、閉館時間前のチャイムが鳴り響いた。
「ーーそれで、ここが第三アリーナ。校舎から少し遠いけど、授業とかでもよく使われる」
「へぇ、やっぱり大きいわねぇ・・・」
放課後、今日転入してきたバートリーさんに頼まれて学園の敷地内を案内していた私は最後にこの第三アリーナに来ていた。
本校舎から一番遠いのもあって最後にしていたのだ。
キョロキョロとアリーナの外壁を物珍しそうに眺めるバートリーさんを他所に携帯の時計を見る。
もう17時か・・・今日は何だかんだで睦月に会えたのは朝だけだったな。
「はぁ・・・」
「あら?アリーナから誰か出てくるわよ」
小さく溜息を吐くと、バートリーさんが何かに気付いたようだ。
彼女の見る方向に顔を向けるとそこにはーー。
「睦月と・・・・・・お姉ちゃん・・・?」
ザワリ。
仲良さげに会話しながら進む二人を見た瞬間、言い様の知れない、今まで感じた事の無い冷たい感覚が胸を突いた。
「・・・・・・どう、して」
その初めての感覚が辛くて、痛くて。
だから、気付けなかった。
「・・・良いものみぃつけたーー」
私のすぐ後ろで悪魔が笑っていることに。
・・・最近、キャラが勝手に動いてるなぁ。何故だ(殴
予定だともうちょっと原作よりだった筈なのに。まぁ、逝ける逝ける♪
次回もお楽しみに!