インフィニット・ストラトス ~黒兎の見る世界~   作:フォールティア

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という訳でここから原作突入です!


ファースト・シフト
#01 IS学園


世の中には理不尽というか、不条理で溢れてると思う。

幾ら元の世界のぶんの年齢と合わせて既に二十歳を越えている僕でもこの状況は精神的にキツイ。

いや、教卓の真正面という最悪の場所に座っている『彼』のほうが辛いんだろうけど。

机の天板を必死に見つめながら僕は小さく溜息を吐いた。

 

扶桑睦月十五歳、IS学園に『二人目の男性IS操縦者』として入学しました・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端は数ヶ月前。束さんの突拍子もない一言から始まった。

 

「むっくんむっくん」

 

「急にどうしたんです、束さん?」

 

「いっくんをIS学園に入れることにした!」

 

「いっくんって・・・織斑一夏くん、ですよね?」

 

僕がかれこれ一年前に助けた同年代の少年だ。彼をIS学園に入学させるって・・・

 

「何企んでるんです?」

 

絶対なんか裏あるよこの天災(ひと)は。寧ろ碌なことを考え付く方が少ない位だ。

現に視線を逸らしてるし、冷や汗かいてるし。

 

「い、いやだなぁむっくん、只の善意だよ、善意」

 

「善意で男一人を女の園にぶちこむ何て聞いたことないですよ」

 

あったらあったで怖いが。

ISの起動については僕という前例があるので大丈夫だろう。それに入学方法だって束さんなら手練手管で何とかしちゃうだろうし。

ただ何でIS学園にわざわざ入れるのだろう。

 

IS学園とは、文字通りインフィニット・ストラトスについて学ぶ女学校だ。

全寮制で、広大な敷地内にはIS競技用のアリーナや整備施設などがあり、恐らくは国内処か、全世界トップの巨大さを誇っているだろう。

世界各地から国家代表候補生やら企業令嬢まで様々な人がそこに集まる。

 

そんな所につい最近まで普通の生活をしていた一夏くんが入ったら確実に色々と巻き込まれるのは確実だ。

 

「まあ、あれだよ色々あるんだよ!」

 

「・・・まあ、僕が文句いったところで既に決定事項でしょうし、何も言えませんけど。でも何でそれを僕に?」

 

そう訊ねると、待ってましたと言わんばかりに束さんがニンマリと笑った。

あ、これすっごいヤバいパターンだ。経験則でわかる。

 

「男の子一人じゃ寂しいだろうから、むっくんにもIS学園に行ってもらいます!って痛い!?さすがにヘイズルの手でヘッドロックは痛い!」

 

「何してくれちゃってんですか、この兎さんは・・・」

 

程よい力加減で束さんを締め上げながら嘆息する。この人の事だもう既に色々と手回しをしちゃってるんだろう。つまり、もはや僕にはどうしようもない。

ヘイズルの部分展開を解除して束さんを下ろすと、頭を押さえながら涙目で僕を睨んできた。あんまり怖くないな。

 

「むぅ、最近むっくんが暴力的だよぅ」

 

「そうさせるだけの事をやらかしてるって自覚して下さいよ・・・それで、目的はそれだけじゃないでしょ?」

 

高々一つの理由で束さんは僕を『動かさない』だろう。ヘイズルも色々やり過ぎてちょっとばかり『目立って』しまったし。

僕の問いに暫く唸った後に、束さんは小さい声で答えた。

 

「ほ、箒ちゃんがIS学園に入学するみたいだから、その・・・ね」

 

「妹さんが心配、と・・・」

 

束さんの妹、篠ノ之箒さん。束さんのIS開発によって要人保護プログラムを行われ家族と離散してしまったある意味被害者。

束さん自身負い目に感じているみたいで何かと箒さんの周辺を調べたり、不安因子を影ながら潰しているみたいだ。

そんな自身の妹がIS学園に入学するということで、様子見を頼みたいんだろう。

 

「はあ・・・分かりました」

 

こうも不安げな顔をされるとそれを晴らしてあげたいと思ってしまうのが僕という人間だ。

それから、僕があくまで世界で二人目の男性IS操縦者として学園に入ること、定期的に箒さんの様子を伝えることなど色々決めて入学への準備を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(安請け合いするんじゃなかった・・・)

 

一夏くんが居るとはいえ、やはりこの状況はクる。

 

「・・・くん、扶桑睦月くん!」

 

「はい?」

 

急な呼び声に顔を上げると、教卓の上から緑髪の女性が僕を困り顔で見ていた。

 

「えっと、男性操縦者である織斑君と扶桑君に自己紹介をして貰おうと思うんだけど、いいかな?」

 

「え、あはい」

 

物思いに耽り過ぎてHRが始まってるのに気付かなかったらしい。初日から何てヘマしてるんだ僕は・・・。

椅子から立ち上がると、一夏くんも同時に立った。心なしか肩が下がってるように見える。

仕方ない、ここは僕からいこう。

 

「ええと、扶桑睦月です。趣味は読書と昼寝です。男と言うことで何かと迷惑をかけるかも知れませんが、皆さんと仲良くできればと思います。・・・えと、よろしくお願いします」

 

軽く一礼して自己紹介を終えて周囲を見回すと何か小動物を見るような目で見られた。何故に?

一夏くんを見ると僕が自己紹介してる間に落ち着いたのか、口元に笑みを浮かべていた。

 

「次は俺だな。俺は織斑一夏、趣味は剣道。・・・あー、扶桑に全部言われちまって言うこと思い浮かばねぇ。とにかく宜しく!」

 

「ちょ、僕のせい!?」

 

咄嗟に突っ込みを入れたら、クスクスと笑いが聞こえた。

どうやら無難に自己紹介できたようだ。

安堵の息を吐いた所で、教室の扉が開かれた。

 

「まったく、マトモに自己紹介できんのかお前は」

 

「げぇっ、呂布!?あだっ」

 

「誰が人中の呂布だ、誰が」

 

一夏くんの頭を軽く小突いて現れたのは、黒いスーツに身を包んだ女性。

IS競技にて最強を誇るその人の名は、

 

「キャアアアアア!!本物の千冬様よ!!」

 

「カッコイイィ!!」

 

「叩いて罵ってください!!」

 

何か若干名変なのがいるけどスルーして。黒いスーツの女性は織斑千冬さん。束さんの親友にして一夏くんの姉。そして、モンドグロッソ『二連覇』の最強(ブリュンヒルデ)。

一夏くんの誘拐事件の後、色々あってドイツ軍に居たって聞いてたけど、まさか此処に居るとは。

 

「まったく、このクラスには馬鹿しか集まっていないのか?」

 

「ち、千冬姉、何故ここに?痛っ」

 

「ここでは織斑先生と呼べ、馬鹿者」

 

「・・・はい」

 

再度一夏くんが小突かれ頭を押さえると、ちふ・・・織斑先生が話始めた。

 

「改めて、私がこのクラスの担任の織斑千冬だ。

このクラスの生徒になった以上、私の言葉にははいかイエスで答えろ、いいな」

 

「「「「はい!!」」」」

 

「よろしい。では山田先生、続きを頼む」

 

「は、はい!え、ええとですね、それじゃあーー」

 

織斑先生カリスマ凄いな・・・あれだ、アナベル・ガトーみたいな人だ。

ブリュンヒルデが担任、か。面白い一年間になりそうだ。

 

入学生に渡されるパンフレットを開きながら山田先生の話を聞く。

窓の外、四月の空は快晴で、まるで新入生である僕達を祝っているようだった・・・

 





次回はあの方が登場する予定です

次回もお楽しみに‼
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