僕は築く、邪神系女子によるハーレムを‼︎   作:グリムリッパー02

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祭りを始めよう 〜TURN-2〜

ここは、どこだろう?

 

あたりを見回す、真っ黒だ。なのに自分の身体だけはしっかりと確認できている。地面に足がついている感覚はしない。

 

 

……………

 

 

あぁ、なるほど夢か。そうじゃなかったらもう一回死んだのか、なんか死んだ時こんな場所に来た気がするし。

って、自分で言うのもなんだけど達観しているといかなんというか、落ち着きすぎてて自分でも引いちゃうよ。アバター達に出会って僕も変わったのかもね。それが成長と呼べるかはともかくとして……

 

 

……………………

 

 

さて、そろそろ起きないといけないんだろうけどなー。今日はアカデミア祭だし、レイちゃんは絶対何時もより早く起こしに来るだろうし。

年頃の男の子の部屋に女の子が入ってくるなんて朝チュン展開、耐えられそうに無いよ。

 

 

……………………………………

 

 

……はぁ、お願いだからそろそろ僕をここへ呼んだ訳を教えてくれないかな?神様でも悪魔でもなんでも良いからさ

 

─── なんじゃ、一人話が好きなんじゃと思って待っておったが、そうでは無いのかの?

 

好きではあるけどこんなところまで来て永遠とやる程の趣味でも無いよ。

君は誰だい?

 

─── カカカッ、そう焦るで無い。焦る男は嫌われるぞ?

 

それは違うよ、女の子に嫌われる男ってのは自分の思い通りになら無い男さ。焦る男ってのはその一例でしかない。

 

─── フッ、やはり面白いなお主。どうじゃ?本格的に人間やめてこっちに来んか?

 

どういう意味かは分かりかねるけど、遠慮しておくよ。……ようやく、普通の友達が出来たからね。その子に愛想尽かされるまでは同じ人間でいたいんだ。

 

─── カカカッ、残念じゃのう。まぁ良いて。そう思うこともまた人間。どれだけそれに意味を見出すことが無意味なことかは主に問いるまでもなかろう。なぁに、今回は挨拶程度じゃ。これで失礼するよ

 

そうなんだ。じゃあ僕も戻ら無いとね。ところで、君の名前はなんなんだい?

 

─── 言ったところで覚えとらんよ。ここを出た所でな。

それじゃ彼奴らをよろしく頼むぞ、夕斗。

 

 

 

 

 

えー、本日は晴天なり晴天なり。うん。実に祭り日和だね。

さて、今日は待ちに待ったアカデミア祭。何時もは静かなレッド寮への道も風船や色とりどりの装飾、そして屋台で賑わっていた。

今日は島全体がお祭りムード一色で至る所でどんちゃん騒ぎである。

 

「ねぇねぇ!凄いよ夕斗!ほら綿あめ!あ、彼処にはりんご飴もある!」

「あんまりはしゃぐと危ないよ。って聞いて無いか…」

 

レイちゃんは元気に屋台を見て回っている。っていうかそれ全部食べる気なの?

 

『マスター大丈夫ですか?お顔が優れませんが』

「大丈夫だよアバター。ちょっと寝起きにキツいエルボーを一発貰っただけだから…」

『目覚まし鳴っても起きない夕斗さんが悪いぜ。あっ!レイちゃん待ってくれ〜俺も食べるぅ!』

『「はぁ……」』

 

レイの後を追っていくルートに苦笑する。

まぁ確かに目覚ましで起きなかったのは悪いと思っているけれど、それにエルボーを食らわせるレイちゃんもどうかと思う。下手したら死んでたよ僕。

にしても何か忘れてる気がする…上手く思い出せ無いけど…もしかしてあのエルボーで!?

………なんてね可能性は十分だけどまさかね。

 

まさか、ね……

 

 

「夕斗ー」

「ん?なn ング?!」

 

名前を呼ばれ振り向けば何かを口に入れられた。多分食べ物だと思うけど、このままじゃ息ができ無い。慌てて飲み込んだ。

 

「えへへ、どう?美味しい?」

「お、美味しいけど、出来れば一言言ってからにして欲しかった…」

「言ったらサプライズの意味ないでしょ!」

「サプライズで殺さるってのは、なんとも滑稽な話だね。それより何か良いものあったかい?」

「うん!ほらこれ見て!グリグルカステラ!」

「…中々斬新なカステラだね」

「他にもキラートマト飴とか、クリッター焼きとか」

「……アカデミアの行く末が心配だよ」

 

なんだろう、やっぱりこの世界根本的に駄目なんじゃ無いだろうか。海馬社長なにしてるんだよ仕事しろ

 

 

そんなこんなで屋台を回ること数分、アナウンスが聞こえてくる。

 

『これより、デュエルキングダム・アカデミア杯の受付を始めます。ホールにお集まりください。これより……』

「おっと、それじゃそろそろ行こうか。遅くなって満員なんて洒落にならないしね」

「そうだね〜♪」

「…ご機嫌だね?そんなにデュエル大会に出たかったの?」

「それもあるけど…ボクは夕斗と一緒に出られて嬉しいんだぁ。夕斗が出ないって言った時本当に悲しかったんだよ?」

 

そう言って満面の笑みを向けてくれるレイちゃん。

なんなのこの子天使?やばいよ僕浄化されちゃうよ真っ直ぐな瞳が眩しくて焼け焦げそうだよッ!!!

 

『レイさんその調子です!ほらルート!もっと別アングルから撮影しなさい!マスターの照れる顔なんて早々拝めないんですよ!?4カメ使って永久保存です!』

『お、お姉さまがマジだぜ…とは言え夕斗さんが可愛い事は事実だぜ!』

 

 

はぁ……なんだろ、もう頭痛い。

 

 

 

ホールにて受付を完了した僕らはそのままホールに取り付けられたモニターを見ていた。なにやらルール説明があるようだ。

…嫌な予感がする。しかも確実に当たるような嫌な予感が

 

『ハロー、アカデミアのスチューデントの皆さーん』

 

起動音と共に耳障りな声が聞こえてくる。やがて映像はハッキリとしていき銀髪長髪な男が映し出された。

あぁ、やっぱり的中した…

 

「へー、アレがペガサス社長かぁ…」

 

レイちゃんが横でつぶやく。正しくは名誉会長。もっと正しく言えば僕と並ぶ下衆野郎だ。

ペガサスはニコリと微笑む。今、僕を見て笑わなかったか?注意深く周りを見渡せば、居た。モニターの少し上に、虫のようだがどうやらアレがカメラなんだろう。僅かだけど視線を感じるしね。

 

『さて、それではルール説明をさせていただきマース。今回、このデュエルキングダム・アカデミア杯ではいくつかの特殊ルールを採用させていただきマース。そしてそれともう一つ、あのデュエルキングダムと同様、ポイント制とさせていただきマース。ルールは以下の通りデース』

 

そう言うと場面が切り替わりルールを映し出した映像が流れる。

 

〜デュエルキングダム・アカデミア杯ルール〜

 

1.ライフ8000制

 

2.アカデミア島内に置かれたチェックポイントを周りより多くのポイントを獲得者の勝利

 

3.一つのチェックポイントを通れるのは一人一回まで

 

4.チェックポイント以外で互いで賭け合うことでその場でデュエルすることも可能。

 

5.賭けについては試合前、挑まれた側が決定権を有する

 

6.勝者は賭けられたポイントを全額受け取る。引き分けの場合互いのポイントは変わらない。

 

 

ルール説明が終わると会場の生徒達は動揺を示し始める。特にライフ8000というのは驚きのようだ。僕は前世での記憶があるからそんなに驚かない。レイちゃんも偶に8000制に付き合って貰ってたしそんなに驚いていないようだ。

 

ペガサスは皆んなの驚きを楽しむように微笑んだ後、こう続ける。

 

『勿論大会優勝者には豪華景品を用意していマース。ルールを守って楽しくデュエル、皆さんの奮闘に期待しマース』

 

…よく言う。多分だが彼が今回アカデミアに接触してきたのも僕が、しいては邪神が目的だろう。邪神はその性質上強者を求める。より強い魂を糧とし存在を保つ。しかしここ最近のアカデミアではそれらしき事件は起きていない。どういう事か分からないが邪神持ちは何かしらの方法で邪神の強者欲求を抑えているようだ。

しかし、今回はどうか。島全体が躍起になってデュエルをする。それも一や二ではなく百単位で。そうなってしまえば抑える事ができないだろう。

画面は既に消えている。『賞品の為に生贄になれ』なんて言葉を理解出来る奴はここには居ない。本当に僕と並ぶ外道だ。

 

「ま、今言っても仕方ないよね。それで誘いやすくなってるのは確かだし。イレイザーさえ見つければやられた人は目覚めるし、コラテラルダメージって奴だね」

 

それに今日はお祭りだ。やっぱり楽しく行かなきゃね。アレが送られてきてる以上、僕を狙ってくるのは間違いないしそれまでは僕もこの祭りの雰囲気を楽しむとしよう。

 

「もう夕斗!なにブツブツいってるのさ。置いてっちゃうよ」

『そうだぜ夕斗さん。早くしないとチェックポイントが埋まっちまう』

 

レイちゃん達の声が聞こえる。そうだね、早く行かないと。何事もスタートダッシュは肝心だ。

 

『マスター…』

「大丈夫だよアバター。向こうがアクションを起こさない限りね」

 

心配そうに僕の顔を覗き込むアバターに微笑みかけその場を歩き出す。

 

 

 

───── さぁ、祭りを始めよう ─────

 

あらゆる陰謀、欲望渦巻くフェスティバルの幕が上がる




ゴールデンウィーク毎日更新するつもりだったんですけどね…もう色々ありすぎまして。それにデュエルにも入れなかった、次こそは!
というわけで次はデュエルに入ります。絶対です!新デッキも出します!
それでは次回お会いしましょう

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