東方妖狐伝   作:白醤油

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閑話として、主人公が死んだ次の日の出来事を書いてみました。視点は主人公の友人ですね。


……ちなみに、水嶋浩一が主人公の本名です。


閑話  その頃の現実

「――――それでは、次のニュースです。

 昨日夕方、○○町××の十字路で、角から飛び出した水嶋(みずしま) 浩一(こういち)くん(17)が、2tトラックに撥ねられて全身を強く打ち、間もなく死亡が確認されました。

 尚、このトラックを運転していた赤崎(あかざき) 恵太(けいた)容疑者(36)は、事故当時居眠り運転をしており、事故直後曲がり角に衝突。頭と胸を強く打ち、意識不明の重体だそうです。

 このことについて、事故の関係者は……」

 

 俺は、失意のどん底を突き破るほど意気消沈している中、なんとか腕を持ち上げ、リモコンを手にし、友人の死を告げるニュース番組を流しているテレビに向け、チャンネルを変えた。

 代わりに映ったのは、いつか見たバラエティ番組の再放送。とても面白かった記憶があるが、今の俺には、これを視て笑えるような気分じゃなかった。

 

 俺の名前は、(ながあめ) 森之助(しんのすけ)。とある地方の高校に通う学生だ。学力、容姿、身体能力の全てが平均をぶち抜くような、極めて平凡な学生である。

 そして、つい昨日友人を亡くした。それも、半ば俺が殺すような形で、だ。

 

 

 事の発端は、昨日の夕方まで遡る。

 部活を終え、家に帰った俺と浩一は、適当に電話越しに談笑していた。ある程度会話が弾んできた頃、浩一が突然こう切り出してきた。

 

「そう言や、大分前に神霊廟の製品版出たんだっけ。俺まだ買ってねえんだよなぁ……」

 

 丁度この日、俺は通販で神霊廟を買っていた。そこで、俺が「貸してやろうか?」と聞くと

 

「え、マジで!?借りる借りる!金取ったりしねぇよな!」

「取らねえ、取らねえよ。」

 

 それを聞いて、浩一は雄叫びを上げつつ電話を切った。

 ……これが、浩一と交わした最後の会話だった。

 

 中で待つのも何か暇だったし、外に出て待つことにした。ついでに、外で渡せるように神霊廟も持って。

 外に出ると、肌寒い風が俺を出迎えてくれた。そろそろ長袖出さなきゃな、なんて思いつつ門の前まで歩みを進める。

 しばらく待つと、道の向こうから浩一が走ってきているのが見えた。余程これが欲しいのだろう、全力疾走だ。

 そんなこんなで、浩一が俺の家から2~30m先の十字路に差し掛かったとき。……悲劇が起きた。

 

 浩一が角を飛び出た瞬間、横からいきなりトラックが飛び出してきたのだ。浩一は思いっきり撥ねられ、十字路の角の向こうへと消えていった。

 一方トラックの方は、全く止まる気配なく暴走。直後、巨大な衝突音と共に煙を上げる事態となった。

 

 

 俺が、俺が貸そうかなんて言ったから、浩一は死んだ。

 浩一の家族は、俺が悪いわけじゃないと言ってくれているが、俺の罪悪感が消えることはない。

 ああ、もうすぐ登校の時間だ。朝飯も喉を通らない。このまま着替えて学校へ行こう……

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