スナイパーは笑わない   作:そるのい

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第一話

「よぉイズモ、お邪魔してるぜ」

 

 アナグラへ帰還し部屋に戻った俺にこんな言葉を投げ掛けたのは、我が物顔でソファに掛けているリンドウだった。

 

「おい、人の部屋で何してやがる」

 

「見てのとおり、ビールを飲んでくつろいでいるんだが。お前も飲むだろ?」

 

「いや自分の部屋で飲めよ。まぁ、飲むけど」

 

 ソファに座った俺の前に差し出された缶ビールを受け取り、リンドウの持つ缶ビールと当てる。

 

「今日も1日お疲れさん」

 

「おう、お疲れ」

 

 そのまま一気にビールをあおれば五臓六腑に染み渡る感覚が広がり心が落ち着くのがわかる。隣に座るリンドウも同じような感覚を味わっているらしく、暫しまったりとした時が流れる。

 その空気を乱したのはリンドウの一言だった。

 

「そういや知ってるか?近々、新型神機使いの新人が配属されるそうだぜ」

 

「ほう、新型神機ねぇ」

 

 正直なところ、新型神機についてはあまり興味をそそられない。いくら性能が高くても使うのは俺らと同じ人間である。本人の能力次第では屑鉄にも名刀にも成り得るのだ。気になるのは新人の資質。足りない技術や戦略、心構えは後から教えることが出来るが生まれ持った資質は変えることが出来ない。

 

「まぁ、新人なら俺らの部隊に配属されるだろうから、使える奴が来ることを期待しようか」

 

「それに加えて姉上の神機にも適合者が見つかったらしいから、そいつも入ってくるだろうな」

 

「同時期に二人か。旧型の方はサクヤやツバキさんが教育するだろうから俺らは新型のほうの教育にまわされるのかな?」

 

「だろうな、第二世代は近接と射撃の立ち回りを両方教えなきゃいけねえからな」

 

 面倒なことである。近接と射撃の両方が出来ると言うのは利点のように思えるが、平行して2つの立ち回りを覚えなくてはならないため実践で通用するためには時間がかかるだろう。

 

「実際に現場で実践するのははお前に任せる、俺は座学で戦闘の理論を説明するよ」

 

「……まだ、ダメなのか?」

 

 俺とリンドウの間に少し緊迫した空気が流れる。

 

「……悪い、無理だ」

 

 自分でも驚くほど低い声でそう返す。

 

「そうか」

 

 そう言ったきり、部屋には沈黙が流れる。思い返すのは目の前で同僚が死んだ瞬間――少し前まで馬鹿話で笑いあっていた友人が動かない肉塊にかる瞬間。今でも思い出すと手足が震える。

 死は恐ろしい。身近な人間が消えてしまう。もう二度と話すことが出来ない、笑いあえない。

 ――だからこそ、俺は一人で狩りをする。死をこの目で見ないように、恐怖から逃げるように、ただひたすらに一方的な狩りを続ける。自分の命が尽きるまで。




リンドウの口調を忘れたため、ゴッドイーターをやり直すはめになる不具合
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