―追記―
第五話の作戦があまりにも杜撰だったので修正しました
――リンドウが行方不明になった。
その知らせは予想以上に俺の心を揺さぶった。友人が死んでいくことなど極東では珍しくもなんともないはずなのに。心のどこかでリンドウなら絶対に死なないと言う確信があったのだろう。
他のゴッドイーターはリンドウを捜索するようだが、俺には出来ない。もし探して死亡の証拠をその目で見つけてしまったらもう二度と立ち直れなくなるから。
本来、俺は五年前のあの日にゴッドイーターを辞めなくてはいけないはずだった。
仲間が目の前で死んだ日から俺は死に対して酷く恐怖するようになり、一時期は生肉を見るだけで吐き気を催すほどだった。
――そんなどうしようもない状態の俺がゴッドイーターを続けられる様になったのはリンドウのおかげである。精神的に不安定であった俺に積極的に話しかけ、ゆっくりと俺の心を落ち着けてくれた。結果的に俺は死を恐れることは変わらなかったが、ゴッドイーターとして活動できる位には回復することが出来るようになった。
……こう過去を思い返すと、まるで自分がどこぞの安っぽいヒロインの様で物凄く違和感を感じる。だが、多分俺はリンドウに一種の依存をしていたのは事実だろう。
――こいつなら死なないと、こいつの死を見ることは決して無いと。
周囲にそう確信させる風格と実力は、死を恐れていた俺にとって余りにも強く見えた。だからこそ恐怖をある程度は振り切ることか出来た。時間が経ち自分のスタイルを確立した後も、自分を支える芯の一つにリンドウへの信頼があったことは否めない。
俺の心は周りが思っている以上に脆い。そもそも、他の同僚なら目の前で仲間の死を見てもそれを乗り越えて戦っていける。けれど俺は未だに過去を乗り越えられない。未だにここに立てているのは過去を振り返らないように、逃げるように一心不乱に走ってきたからだ。それを為せた要因の一つがリンドウの存在である。
故に、リンドウの死は俺の足を止めてしまうだろう。一度止まってしまえば、過去の恐怖に呑まれて二度とゴッドイーターとして動けなくなる。
ふぅー、とため息をつき自室のソファーにもたれ掛かる。このまま思考を巡らせても気が滅入るだけなので、一旦リンドウについて考えるのを止めることにする。
「さて、ミッションにでも行くか……」
考えているだけでは何も変わらない。取り敢えずはリンドウの捜索をするゴッドイーターの行かない場所のミッションをこなすことにしよう。
――暗いことを考える暇が無いくらいに一心不乱に走り抜こう。
作中では自分の精神が脆いと言っているイズルではありますが、このレベルで心を揺さぶらないと変われないので、ある意味精神的に頑丈だったりします。
次回は精神的な転換点とする予定
本編に関わるようになるのは次次回からになりそうです