自分の行動に関してよくわからない時がある。何故自分はこんなことをしているのか後になって思考することがある。まぁつまりなんで俺は柄にもなく人助けなんかしてるのかってことだ。
「もっきゅもっきゅ」
目の前の女はそんなわけわからん効果音でハンバーガーを貪っている。マジ何なんだこの生物は意味がわからん。
「はぁ~」
「おいしいです」
「そりゃよかったよ」
先ほど行き倒れ?になっていたこのおんなを仕方なくファミレスに連れて行き今は食事を与えている。自分でもなぜそんなことをしたのかわからない。だがなぜかそうしなければいけないと思ってしまったのだ。俺はそんなに優しい人間ではないはずなのだが。
「お前金あんの?」
「ないです!!」
「だろうと思ったよ」
幸い金はそれなりに持っている。こんなのでもいろいろしているのだ。
「あ?何だよ」
女はこっちをガン見している。
「変わった人ですね?」
「行き倒れのあんたも十分変わってるよ」
そもそもこの町で息倒れってのもおかしな話だ。ここドミノシティでは、隣のスラムならいざ知らず、ここにはそれなりの生活ができるやつじゃなきゃ居れない。そもそもこいつなんで行き倒れてた?
「おまえ家はどこだよ?」
「・・・・・・」
「つかお前この町の人間じゃねぇだろ」
俺は声を抑え目で言う。この町はよそ者を認めない、実際には手続きの無い人間をだがそれでもここにこの女がいるのは非常にまずいのだ。間違いなくこの女は手続きを取っていない。いわば不法侵入者。
「はい・・・・・・」
予想通りだ、俺もそんな綺麗な人間ではないがそれでもこの女は非常にまずい。
「1つ聞くが、お前レジスタンスか?」
「レジスタンス?」
予想通りこいつはレジスタンスには見えない、ならなんだ?こいつは何でこんなところに来た。
「お前何しに来たかは知らんけどとっとと町を出たほうがいいぞこの町は隣がスラムってのもあって軍の支部がある、見つかったらマジどうなるかわからんぞ?」
「そうなんですか?でも出るわけには行かないんですよね、私、人を探してるんですよね」
「あっそ、誰よ」
「さぁ~誰なんでしょうね?」
俺はバランスを崩す、会話にならないぞ?こいつ人語理解できてるか?
「誰かはわからないんです、ただずっと前から会う約束をしてて」
やべえ、電波過ぎるつきやってられんわ。
「金は出しとくから俺は行くぞ」
「あっはい」
女は笑いながら手を振っている。まあもう会うことは無いだろうしなこのまま別れておけばいい。というかこの女がこれからどうなろうが俺にはどうでもいい。おれは会計を済ませ出ようとする。
「ああ~最後にひとつだけいいです?」
「あ?」
後ろからの声に振り返る。なぜかすこし不機嫌だったと思う。
「いつまで勝利から逃げる気ですか?勝利からは逃げられませんよ」
「・・・・・・」
俺は逃げるようにその場を立ち去った。だって答えてしまえば何かが始まってしまう気がしたから、そう俺はまた逃げた。あの日すべてを捨てたあの日から俺、雛元遊二は逃げ続ける。
辺りは炎に包まれている。なぜこうなった?何がいけなかった。わかっている。俺がどうしようもない人間だってことは、でも、それでも。
「頼むよ、神様、この娘は関係ないだろ?ただの一般人なんだよ、俺みたいに誰かに恨まれる生き方をしたわけでも、こんなところでこんな目にあう必要なんてないじゃないか」
腕に抱く小さな少女、たまたま親の都合でここにいただけの少女。
「俺は彼女に救われたんだよ、だから頼むよ、俺はどれだけ痛くても、どれだけ苦しくてもいいからさ、この娘は奪わないでくれよ!!」
後ろで小規模の爆発が起こり俺を彼女ごと吹き飛ばす。
「ああ・・・・・・」
辺りは先ほどまで生きていたであろう人間、今は黒焦げの死体
「何なんだよ、これは」
後ろから聞こえる咆哮、そこには2体の竜の影。すべての星の頂点、その2体。そしてこの惨劇の元凶。
「ははははははははは」
まったく笑えてくる。何なんだ、この状況は、俺にこの竜に挑めと?ふざけるな勝てるわけが無い。いつもそうだ周りは俺を強いというがこんなものは望んでいない。勝てども勝てども次が来る。そして今度はこの化け物か?
「でも・・・・・・」
腕の中の少女を見る、この場において何の力も持たない小さな命、あの化け物と対峙すれば掻き消えてしまうほど小さな命。
「それでも・・・・・・お前を倒さないとこの娘を守れないって言うなら・・・・・・」
俺はデュエルディスクの電源をいれデッキをセットする。身体が震える。
「戦って、勝利するしかないじゃいか!!」
「・・・さん?」
誰かが俺を呼ぶ、誰だ?
「兄さん!!」
その声で俺は悪夢から戻される。目の前には心配そうに自分を見つめる少女、自分があの日の災禍から救い出せたたった一つのもの。
「ああ、おはよう京」
「魘されてましたよ兄さん」
「ちいと夢見が悪くてな、もう大丈夫だ」
俺は京の安心させようと頭をなでる。まったくどうかしてる、もう振り払ったはずなんだがな、俺はこの娘を救ったあの日からできるだけ心配させないようにしているつもりだがまだまだらしい。
「ごほん」
後ろから咳きをされ振り返ると京の付き人兼お目付け役の西九条栞が立っている。普段は家の前で待機している彼女が来ている理由は明白だ。
「京、飯が食いたいな、頼めるか?」
「え・・・・・ええ、わかりました」
そう言うと京が台所に消える。京が完全台所に消えると制服のポケットから煙草を取り出し口に咥え火をつける。
「で?仕事か?」
「でなければ来ませんよ、あとお嬢様の前では吸っていないようですね関心です」
「別に犯罪じゃないけどな」
ぶっちゃけてしまえば俺はこいつを吸ってもなんら問題ない、その年齢には達している。学校の履歴書のほうが偽造、俺は本来アカデミアに通う年齢ではない。
「問題なくても、この町の書類上は18でしょう?」
「これは痛いところを突かれた」
俺は煙草を灰皿に押し付け火を消すと西九条に向き直る、彼女がここに来たということはいつもの仕事だろう。
「では説明を」
彼女は俺に書類を渡し俺はそれを受け取る。一通り目を通すと冷や汗が出る。
「おい・・・・・・ふざけんな、なんだコリャ」
「何といっても仕事ですが?」
この女あっけらかんと言ってきやがった。仕事内容はと言うと軍護送中の代物の調査?ふざけるな。こんなん死ぬわ。しかもなんだこの特記事項、レジスタンスの襲撃の可能性あり、さらに護衛は第1部隊。確定、行ったら死にそう。
「断わっていい?」
「それ無理ですね」
「ですよね~」
「実際に戦果は期待していません、郡が何か重要そうなものを護衛しているのがわかればいいです、できるだけ穏便に済ませてください」
しれっとこの女は言いやがった。さてどうするかね~。危険度で言えば最上級つかまってもたぶん助けてくれんだろうしただ自分の今の立場的に難しい。
「ああ~オーライ、承りましたよ、でいつよ」
「今夜です」
「は?マジかよ」
そうして星は動き出す。物語の歯車は回りだす、そうしてここから今日すべてが始まった
次回デュエル予定です。