闇夜に紛れ俺は疾走する。向かう先はドミノ駅の第4ホームそこに列車は止まっている。腕にはデュエルディスク腰に装填されたのは自らのデッキ、アカデミアで使う紙束ではなく俺のデッキ戦闘用、かつてのものから大分変わってしまったがそれでも俺のデッキだ。
「さて潜入といってもどうしましょうかね」
第4ホームの隣、第3ホームから栞に借りた双眼鏡で見据える。見る限り軍服をまとった人間が7人外で警護しているしかもその軍服につく腕章は黄金第一部隊の腕章。
「っち、やっぱりいるかしかも少数護衛じゃなくて少なくとも中隊規模か、たく嫌になるね~。適当に事実捏造して帰ったろか」
一人愚痴をこぼすもそうはいかない、それこそばれたら事だ、まぁ自分のやっている行為自体犯罪行為なのだがそれでもやはり一番早いのはあそこの軍人襲って制服を剥いでしまうことだ。ただこれをやると本気でつかまったときにまずい、というか実は第一部隊に見つかった時点で結構まずいのだ。
「さて見つかってもダメ、また戦闘になってもダメこりゃ軽く詰んでいるな、しかもよりにもよって何で第一部隊なんだよ」
これが第五部隊などなら何とかなりそうなものだが第一部隊はやばい、こいつらは前線も前線で戦う完全な実働部隊だ。ふと見ると部隊の1人が持ち場を離れる。チャンスか?
「しゃあ~ね~か」
俺は第3ホームからすべるように出る。眼前には兵士が一人、暢気に口笛を吹いている。俺は気配を殺し懐からスタンロッドを取り出し電源を入れる。これは棒状のスタンガンでしっかり当てれば相手を無力化できる、警察や警備会社が使用しているものだが当然俺のは横流し品の違法物。俺は呼吸を合わせ、走り出し兵士の首にスタンロッドを叩きつける。
「があ!!」
兵士の身体に電流が走り意識を刈り取り兵士がそのまま床に倒れる。俺はすばやく兵士の軍服を剥ぎ取り、手持ちの拘束具をはめていく。
「マジやってることは犯罪だな」
一人愚痴をこぼすと兵士をトイレにぶち込み軍服を着込む。幸い兵士の体系は自分に似通っており問題なく着れる兵士のデュエルディスクを腕に付け、自分のデッキを装填するとマスクを被る。これで顔を確認されることは無い。さらにIDナンバーと名前を確認し暗記する。
「さて行くか」
そのまま俺は第4ホームに向かい何食わぬ顔で列車の警備を行う、マスクのおかげか周りは入れ替わりに気づいていない。後は極力声さえ出さなければばれないだろう。
「外部警備終了、出発時刻だ、乗り込め」
隊長と思われる人間の言葉に従い整列し列車に乗り込む。ここまでは順調のようだ、問題はここからどうやって問題の物にたどり着くかだが・・・・・・。
「お前は7号車の警備を行え」
運が悪いことに合同警備のようだ、俺は名も知らぬ相方とともに七号車に向かう。そして六号車を抜け7号車についたところで列車がゆっくりと加速すると同時に相方の首に袖から出したスタンロッドを叩きつける
「う・・・・・」
音がしないように抱きとめまずは通信機を取り上げ拘束具を取り付けそのままイスの下に押し込み隠す。さてこれで自由だ。俺は辺りを見渡す。どうやら一般車両に偽造するために一般の客席の車両をいくつか取り付けてあるようだ。
「さてお仕事を始めますかね」
俺はWi-fiの端末を見つけると端末の電源を入れハッキングツールを起動する、いくら偽造してあるとはいえ軍が運用する車両である以上軍用機器は少なからず積まれているはずであり、それは作戦規模が大きければ大きいほどネットワークを使ったものとなる。
「さてさてお宝はどこかね~」
俺は端末を操作しつつ次々と表示される。後は目的の情報を探し出す。そして見つけ出す目的の物はどうやらエスペラント社の開発した新世代エスペラントカードのようだ。
「エスペラント社の軍用のエスペラントカードか」
エスペラント社、現在エキストラデッキで運用されているエスペラントモンスターのシェアの7割の開発を行っている大企業、ロストエデン後インダストリアル・イリュージョン社の衰退とともに成長し始めた会社、主な顧客は軍であり軍用に調整されたハイスペックなエスペラントカードの開発を行っている。
「物は2号車か・・・・・・」
さて問題はどうやって向かうかだ、そのまままっすぐ行けば正面衝突、別ルートから進入する必要があるがどちらにしてもこの車両から出る必要がある。俺は気配を消し6号車側の入り口に向かう。だが運が悪かった。
「・・・・・・」
「何をやっている?持ち場にもどれ」
目の前には6号車側の警備担当の一人、まったく運が悪い、だがそうも言っていられない一度不審な行動をとった以上疑心は残る。なら・・・・・・。
「悪いけど、邪魔だ」
俺はスタンロットをそのまま顔面に叩きつけスイッチを入れる。
「があああああああ」
電流が流れ男は痙攣し動かなくなった。
「キサマ、何をやっている!!」
奥からもう一人の警備兵が現れる。俺は端末のチャフプログラムを起動する。
「こちら6号車!!応答せよ!!」
無駄だよ、すでに電波障害は起こした、もうあんたが使える手段は一つだけだ。
「っち!!」
警備兵がデュエルディスクを構えると俺のデュエルディスクが反応する。
【デュエルモードオン、デュエルモードオン】
相手のデュエルビーコンによってVRFが展開されていく、これによりデュエルから逃げられなくなった。
「いくぞ」
「・・・・・・・」
まったく、やる気十分か第一部隊の誇りか?仲間をやられた怒りか?まぁどうでもいい。
「「デェエル!!」」
「先行は俺がもらう!!」
先行は相手側、相手は第一部隊、となると使うカード群は当然・・・・・・。
「俺は手札から天秤の猟犬 ライブラ・ドックを召喚!!さらにモンスター効果で貴様に400のダメージだ!!」
召喚された銃器をまとった猟犬の銃が放たれ、俺は身体を横にずらし回避する。回避された銃弾は後ろのドアを弾き飛ばす。これが軍用VRFの特徴である。衝撃はリアルダメージとなりプレイヤーを襲う。
遊二LP4000→3600
天秤の猟犬 ライブラ・ドッグ
地
レベル3
エスペラントシンボル(木)2
ATK1600 DEF 800
【獣族・効果】
このカードが召喚に成功したとき、相手に400ポイントのダメージを与える。
「俺はこれでターンエンドだ」
警備兵
LP4000
手札4
天秤の猟犬 ライブラ・ドッグ
エンド宣言を受け俺のターンが始まる。
「俺のターンドロー、俺はモンスターをセット、リバースカードを2枚セットしてターンエンド」
遊二
LP3600
手札3
セットモンスター1
セットカード2
「えらく消極的だな!!それでは勝てんぞ、俺のターン、ドロー、良いカードを引いたぞ、俺は手札からマジックカード天秤の召集を発動、この効果によりデッキよりライブラモンスターを特殊召喚する、俺は2体目のライブラ・ドックを特殊召喚」
天秤の召集
魔法
自分のデッキからフィールドに存在する「ライブラ」モンスター1体を特殊召喚する。自分はこのターン、エスペラント召喚以外でモンスターを特殊召喚できない。
相手フィールドにライブラ・ドッグが特殊召喚される。これでフィールドにエスペラントシンボルを持つモンスターが2体、シンボル合計数は2、来るか?
「行くぞ俺はエスペラントシンボル2のライブラドッグ2体でエスペラントゲートをオープン!!」
二体の猟犬が天に上り渦を巻き星を作る。
「裁きの猟犬よ、その天秤の裁きを持って罪人に牙を穿て、エスペラント召喚!!現れろシンボル4、天秤の双頭猟犬 ライブラ・ディアルドッグ!!」
奴のフィールドに双頭の猟犬が現れる。猟犬はこちらを睨み付けるが心底どうでも良い。
「行くぞ、ディアルドックのアベレージ効果、エスペラント召喚に成功した時、相手に500ポイントのダメージを与える!!」
ディアルドックの装甲版開きガトリングが現れこちらに放たれる。
「っち!!」
俺は列車の手すりにつかまり身体を外に逃がし回避するが身体は高速移動する列車の速度いさらされるが何とか回避しそのまま大車輪の要領で車両に戻る。
LP3600→3100
「はずしたか器用によける!!が俺のターンは終わっていない、さらに俺は魔法カード、天秤の稲妻を発動!!このターン、相手プレイヤーにダメージを与えている場合、相手に800ポイントのダメージを与える!!死ぬええええええええ!!」
天秤の稲妻
魔法
このターン相手のLPに効果でダメージを与えている場合、相手ライフに800ダメージを与える。
まずい、直撃する、仕方ない、俺は手札に手をかける。
「俺は手札からくず鉄天使の効果を発動、このカードを墓地に送り、自分へのライフダメージを0にする!!」
俺の正面に鉄くずでできた羽を持つ天使が現れ放たれた稲妻をその翼ではじく。
くず鉄の天使
地
レベル4
エスペラントシンボル(木)1
ATK0 DEF0
【天使族・効果】
このカードを捨てる。このターン発生する、LPダメージを1度だけ0にする。
「っち、だがこれで終わりではないぞ、俺はさらに手札から天秤の拳闘犬 ライブラ・ワードックを召喚!!」
相手のフィールドに金属の拳を付けた二足歩行の犬が現れる。
「こいつもエスペランドシンボルを持つモンスターわかるな?」
「ドライブ効果か!!」
「そうだ!!行くぞディアル・ドッグのドライブ効果、1ターンに一度相手プレイヤーに700ポイントのダメージを与える!!」
天秤の双頭犬 ライブラ・ディアルドック
地
シンボル4(木)
ATK2300 DEF1600
【獣族・エスペラント・効果】
「ライブラ」モンスター×2
アベレージ このカードがエスペラント召喚に成功したとき、相手の500ダメージを与える。
ドライブ2(木) 1ターンに1度相手に700のダメージを与える。
再びガトリングがこちらに向けられ放たれる、体制を崩している俺に回避手段はなく、俺はその銃弾にさらされる。
「ぐああああああああああああああああああ!!」
弾丸が服を裂き肉を掠め鮮血が舞う。俺はそのまま先ほど吹き飛ばされたドアのほうに吹き飛ばされる。
遊二LP3100→2400
「ははははははははは!!まだだバトルだ!!ディアルドッグでセットモンスターに攻撃!!」
っち!!痛みはあるがこれはやらせるわけには行かない!!
「罠発動、くず鉄のかかし!!相手の攻撃を1度だけ無効にする!!」
ディアルドッグの攻撃を現れたくず鉄のかかしが受け止め無効にする。
くず鉄てつのかかし
罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃を無効にする。
発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
「効果で再びセット!!」
「まだだ!!俺はワードッグで攻撃、ワードックはモンスターを戦闘で破壊すれば、このカードの攻撃力分のダメージを相手に与えられる!!さぁダメージを食らえ!!」
天秤の拳闘犬 ライブラ・ワードッグ
地
レベル4
エスペラントシンボル(木)2
ATK1600 DEF400
【獣戦士族・効果】
このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、このカードの攻撃力分のダメージを相手に与える。
ああ、本当に危なかった、そしてダメージを食らうのはお前だ!!奴の攻撃に俺のセットモンスターが表になる。
「俺のセットモンスターはくず鉄の召喚師、守備は2000だ、よって反射ダメージを食らえ!!」
俺の召喚師への攻撃ははじかれその衝撃が相手を襲う。
「ぐあああああああああああああああ!!」
警備兵LP4000→3600
「きさまあああああああああああ」
「激昂してるところ悪いが、くず鉄の召喚師はリバースモンスターだ、効果発動、デッキからくず鉄モンスターを特殊召喚する!!来いくず鉄の魔術師!!」
くず鉄の召喚師
地
レベル3
エスペラントシンボル(木)1
ATK0 DEF2000
【魔法使い族・効果」
リバース:自分のデッキから「くず鉄」モンスター1体を特殊召喚する。
俺のフィールドに鉄くずの杖を持った魔法使いが特殊召喚される。
「っち俺はターン終了!!」
警備兵
LP3600
手札2
ディアルドッグ
ワードッグ
「俺のターン、ドロー」
引いたカードを確認する。悪くない。では終わらせるとしよう。
「俺はシンボル4のくず鉄の魔術師とシンボル1のくず鉄の召喚師でエスペラントゲートをオープン!!」
俺のフィールドの2体が跳躍し星を作る。
「くず鉄の中で研磨されし、魔剣士よ、運命を笑う王に反逆の剣を立てよ!!エスペラント召喚!!現れろシンボル5、くず鉄の魔剣士 ランスロット」
俺のフィールドに黒い鉄くずの鎧を付けた騎士が現れる。
「さらに俺は手札から魔法カード、スクラップバスターを発動、このターン、相手モンスターを破壊したとき、破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」
スクラップバスター
魔法
モンスター1体を対象、そのモンスターはこのターン、相手モンスターを破壊したとき、破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。
「ははははははははは、プレミだな、ランスロットの攻撃力を見ろ、2100だ、対して俺のディアルドッグは攻撃力は2300、お前のモンスターじゃ倒せねーよ!!」
「黙れ、そんなミスはしない、俺はランスロットのアベレージ効果を発動、このターンランスロットはフィールド上のすべての攻撃表示モンスターに攻撃できる!!
「だからお前の鉄くずじゃ俺のディアルドックは」
「さらに俺は罠カード発動、鉄くずのフィールを発動、このターン鉄くずモンスター以外のモンスター効果を発動できない」
「は?そんなもん発動してどうする気、いやそのカード、エスペランシンボルの罠カードか」
くず鉄のフィール
罠
エスペラントシンボル(木)2
このターン「くず鉄」モンスター以外のモンスター効果発動できない。
「バトルだ、俺はランスロットでまずはワードックを攻撃!!くず鉄の魔剣!!」
ワードックが一瞬で一刀両断される。
警備兵3600→3100
「さらにスクラップバスターの効果だ、攻撃力分のダメージを受けろ!!」
「ぐああああああああああああああ」
警備兵LP3100→1500
「だが、俺のディアルドッグは倒せね」
まだそんなことを言っているのか、なら教えてやろう。
「ランスロットのドライブ効果、このターンエスペラントモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わず破壊する」
くず鉄の魔剣士 ランスロット
地
シンボル(木)5
ATK2100 DEF1700
【戦士族・エスペラント・効果】
「くず鉄」モンスター×2
アベレージ このターン相手フィールド上の攻撃表示モンスターすべてに攻撃できる。
ドライブ(2) 相手フィールド上のこのカードよりシンボルの低いエスペラントモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わず、破壊する。
「じゃじゃあ、俺のモンスターは俺のライフは・・・・・・」
「ああ、0だ、消えろ、ランスロットで攻撃!!くず鉄の魔剣!!」
ディアルドックがランスロットの攻撃により一刀両断され爆発し、その破片が警備兵を襲う。
「あああああああああああああああああ!!」
警備兵LP1500→0
警備兵が衝撃で吹き飛ばされそのまま意識を失う。
「さて、制圧完了」
俺はVRFを解き、デュエルデスクを待機状態にする。
「さて、上から向かうか」
俺は列車の屋根をよじ登ろうと足場に手をかけると後ろから轟音が聞こえる。
「ん?なんだ・・・・・この音は」
俺は急いで屋根に上りスコープを出すとそのまま音のほうを見やるとそこには・・・・・・。
「あれは・・・・・・ヘリか?」
この列車に向かいヘリコプターが1機近づいている、ヘリは最後尾の車両にアンカーを打ち込むと中から8名ほどが降りてくる。その服装に見覚えがある、正確にはニュースなどで見ただけだがそう彼らはレジスタンス、現在日本軍と敵対している、グループのひとつであった。
そうして役者は揃い、運命の歯車は少しずつ前に進む。
エスペラント召喚についての解説は別に行います。