ユウがキーリを連れ去ったことで、現在マグノリア国は混乱に陥っていた。
いや、正確には、国が混乱に陥ったのではなく、現国王が非常に混乱していた。
「ああああわが娘いとしいいとしい娘が誘拐さらわれてしまったああ」
「王様落ち着いてください!!さらわれたのではなくて・・・ってさらわれているけれど若干違います!おうさまいがいみんな許諾しています!」
「おちついていられるかああああ許諾なんてしてないぞ我が娘帰って来ておくれ」
キーリの父親、マグノリア国の王は非常に情けなく、それを慰めるのは王室付きの家庭教師であった。家庭教師のリィルはこの国一番の天才とうたわれるほどに頭が良かったので、わずか16歳で王室付きのキーリたちの家庭教師を任されていたのであった。
「お・ち・つ・い・て・く・だ・さ・い」
そして起こると怖いのだ。
昔キーリは勉強をしていたら双子の姉、リーアが勉強をしたくないと勉強部屋から逃げ出しておしりペンペンをされたことがあったそうな。
「我が娘・・・キーリの跡はつかめているのか?」
「やっといつもの王様に戻られましたね・・・。大丈夫ですよ。あの子は追わなくてもちゃんと帰ってきます。あの子はいつも正しいことをしていました。そして今回もきっと、いい経験をしてここへ戻ってくるでしょう・・・・・あの少年とともに。」
リィルは母親のような優しい眼差しを浮かべ、少し微笑んだ。
「むぅ・・・・ソナタに免じて・・・娘のことを信じて待っていてやろう。」
頑固な王様がやっと承諾したわ、とリィルは思った。
☆
一方その頃。
ユウとキーリはまず服屋に立ち寄ってキーリの服を買い求めた。
キーリの顔はこの国の人々に知られているし、変装が必要なのだ。
買い求める時点でも王女だということ、女神の能力の後継者であることもバレてはいけないのでキーリはユウの服を借りて服屋にはいった。
「こんにちはーーー」
服屋の店主の30くらいの女はキーリとユウを見てぱああっと顔を輝かせた。
「あら!ふたりは恋人かしら?!何って可愛い子たち何でしょう!!早速似合う服を用意するわね!」
と言って女は店の中にある服を選び始めた。
「なんかすごい・・・ポジティブというか、・・・明るい女店主さんだね。それにしても、服屋さんってこんなのなんだぁ・・・初めて来たよ。」
「まあキーリは箱入り娘だからな。国王さんがむっちゃくちゃだいじそーに育ててたってな。城の外にでる機会なんてもうないだろ?それにまだまだこういうの見る機会はあるし。ゆっくり見ていきなよ。」
「うんっ!!折角の機会だからそうするよ!!ありがとうユウ!」
キーリはとても嬉しそうに店内の方へと駆けていった。
「うわあ!こんなお城では着られないような服がたーーーっくさん!」
ユウはキーリの喜ぶ姿を見て自分も微笑ましくなる。
この少女に自分が惹かれた理由も、この笑顔もその一つなのだろうと思った。
次回はユウの過去を書きたいところです!
次回も宜しく!