魔法少女リリカルなのは!?「時空管理局セクハラ相談部隊」   作:ヘルカイザー

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ども〜更新が遅くなってしまいました。

ではよろしくお願いします。


ケース12《歯止めの効かない喧嘩》

「真名頼みがある」

 

「突然通信をしてきたと思ったら何だクロノ? はぁ……嫁がいるのに発情してるのか? しょうがない、行くか? 」

「君は何を言ってるんだ!? もういっぺん死んでくれ!? いや、今すぐ死ね!!! はぁ……はぁ……くっ……また遊ばれた。まったく……それでだが? 今さっき、列車がガジェットに取り付かれ暴走した。だから今すぐそこへ向かってくれ、君なら造作もないだろう? 」

 

「確かに難しくはないが、何故だ? それなら新部隊を動かせばいいだろ? 」

「機動六課はもう出た。だが妙な事におかしな情報が出回っていてな? その情報によれば奴が現れる可能性がある。そうなった場合、対抗できるのはおそらく君しかいない。頼めないか? 」

 

「なるほど? 目には目を、歯には歯を、ゲヘナにはゲヘナを……という事か。はぁ……まぁ〜いい。お前の頼みだ、今すぐ向かってやるよ。ただし条件がある」

 

「条件? 何だ? 」

 

「お前の嫁さん抱かせろ! 」

「ぶっ殺すぞ貴様!!! 」

 

「フフ、冗談だ。ではな」

 

俺はたっぷりとクロノで遊んだ後、クロノの言う列車へと向かった。乗り込むのは先回りして飛び乗れば容易だったがそこにいた機動六課の人員の中のいたリインの姿を確認して俺は頭を抱えた。まさか六課の中にリインがいようとは思わなかった。しかし今考えればリインは八神はやてのユニゾンデバイスだ。いないわけがない。

そしてどうにかリインと合わないように列車の中へと入れたがそこでガジェットと戦闘になった。だがガジェットと戦闘している最中、攻撃を避けて思わず穴の空いた列車の天井から上へ飛び出したのが間違いだった。何故ならそこにはリインがいたからだ。リインは上に飛び出した俺を見て固まっている。

 

「ナ……マエ……さん? 」

 

「はぁ……俺とした事が、迂闊な真似をした……ん? っ!? 」

「あ、あの……どうし「馬鹿!? 今よそ見をする奴があるか!! 」え? きゃっ!? 」

 

「コールディング・ゲヘナ!! 」

 

「つっ!? ぐわぁ!? 」

「ナマエさん!? 」

 

 

◇◆◇◆

 

 

突然私の目の前にナマエさんが現れた。何故? どうして? そればかりが私の頭を混乱させる。ナマエさんとは2年ぶりの再会だった。ナマエさんが私を拒絶してからもう2年。私は何を言っていいか分からなかった。私の中ではもう吹っ切ってるつもりだったのだ。でもそうじゃないらしい。私はナマエさんを見ただけでこんなにもどうしたらいいか分からなくなるのだから。

そして私がナマエさんに声をかけようとした瞬間、ナマエさんがこちらに向かい走り出し、私を突き飛ばした。そんなにも私の事が嫌いなのか。一瞬そう思った。しかし私が体勢を立て直し、ナマエさんの方を見るとナマエさんは青く光る巨大な魔力スフィアを受け、固まった。正確には凍ってしまったのだ。まるで巨大なクリスタルの中に閉じ込められてしまったように、ナマエさんは動かない。ナマエさんは私を庇ってくれた。でもどうしてなのか。ナマエさんは私が嫌いだった筈だ。にも関わらずナマエさんは自分の命を省みず私を庇った。

 

「ナマエ……さん……どうして…………」

 

「あ〜あ、もう少しで妖精の氷漬けが出来たのになぁ? 邪魔しやがってこの野郎が。あぁん? 何だよその顔は? フフ、文句でもある? 」

 

「よくも……よくも!!! 」

 

「うっさい、お前も凍れ? っ!? な……ば……かな…………」

 

「え……ナマエ……さん? 」

 

ふつふつと私の中は怒りで支配された。人はそう簡単に嫌いになれないらしい。そして私が反撃にでようとした時、相手が視線をナマエさんの方へと向けた。だから私も思わず視線を向ける。すると氷のクリスタルの中でナマエさんの周りを包むようにして炎が黒く燃えているのだ。だが次の瞬間、その氷のクリスタルは弾けた。

 

「馬鹿な……僕の氷を砕くなんて……それも……氷漬けにされた状態で……くっ……このっ! 凍れ!! 」

 

「「我、命を奪う者」」

 

「「命を燃やし尽くす(凍結させし)者」」

 

「「古のドラゴン、ゲヘナの名において……顕現せよ! 黙示録の炎(絶対零度の氷)!! 」」

 

「インフェルノ……」

「アブソリュート……」

 

「「ゲヘナ!!! 」」

 

ナマエさんとフードを被った男は呪文を唱えて手を前にかざした。するとナマエさんは紅い炎。まるで収束砲撃のような規模の熱線が射出された。しかしそれに対してフードを被った男は同じ規模の青い氷。こうしてみると互いに対照的な攻撃だ。しかも呪文が似ている。

そして改めて私は感じた、ナマエさんは普通じゃない。普通じゃないと言うのは失礼かもしれないが、私はナマエさんがここまでの魔導師であると聞いた事もないし、ナマエさんのデータにすらそんな情報はない。しかし実際私が肌で感じているのはナマエさんがはやてちゃんやなのはさん達と同等、それ以上の魔導師であるという事。

 

「い、今のは……フフ……はは、あっはははははは!! ははは! ふははははは……ははっ……ひはははは……ふふ、ああ〜いいね? 探す手間が省けた。君がゲヘナの憑代。僕の同士!! 」

 

「フッ……俺もあいつの言ってた事を半信半疑だったんだがな? これで確信した。まさか俺の中の馬鹿ドラゴンの他にもう一体ゲヘナが存在するとは思わなかったが……一体何を企んでいる? 」

 

「愚問だね? 僕はゲヘナと出会って変われた。力のなかった僕がこんなにも強く、そして前向きになれた! だから僕は決めたんだよ! 僕を虐め、見下した奴らを全て殺してやろうってね? 」

 

「なるほど……勘違い野郎か」

「何? 」

 

「ゲヘナをその身に宿し、強くなった気でいるんだろう? だとしたら、それは大きな間違いだ。それはお前の本当の強さじゃない。ましてや、守る為に使わない力など……ただの暴力だ。それじゃ〜お前を虐めたと言う奴らと何も変わらない。……ゲヘナは危険な力だ。今にお前を喰らい尽くすぞ! 」

 

「……ぐっ……お前などに何が分かる。へははっ! それにゲヘナが危険な力だって? 見た所、君は内にあるゲヘナを力尽くで抑え込んでいるようだが……僕は違うんでね? あはは! 楽しかったよ? 僕の同士。それじゃ〜今日は失礼するよ。目的は達成できた。君を見つけるというね? 」

 

そう言い残すとフードの男は消えた。残されたのは難しい顔をしたナマエさんと私、それからレリックを回収したスターズのメンバーだ。

それからナマエさんは私達と共に一旦六課へと帰還した。はやてちゃんが連れて来いと言ったからだ。現場に現れたフードを被った男の事で話があるそうで、その時のはやてちゃんの様子は終始不機嫌そうだった。

そして六課の部隊長室。そこには隊長達を含むナマエを入れたメンバーが集まった。

 

「ね、ねぇ〜フェイトちゃん? なんで私の前に立つの? 前が見えないんだけど…………」

 

「え? 別に? なのはは何も気にしなくていいんだよ? なのはは私が守るから」

「フェイトちゃん? 」

 

フェイトさんがなのはさんを守るような形の立ち位置いる。なのはさん意味がわかってない様子だが他から見れば、まるでナマエさんを警戒してなのはさんを庇っているように見える立ち位置だ。

だからこれには流石に他のメンバーも疑問を覚える。しかしそんな事を気にする為にここに集められたわけじゃない為、はやてちゃんが話を始めた。

 

「久しぶり……と言うべきなんか? あんな列車のど真ん中で一体何をしていたんや? 」

 

「ん? いや、散歩だ」

 

「ふざけてるんか? 」

「勿論ふざけている」

 

二人して雰囲気が良くない。ナマエさんはそうでもないがはやてちゃんは今すぐにでも殴りかかりそうな雰囲気だ。確かに本局の相談部隊であるナマエさんがあの現場にいる事自体が不自然であり、あらぬ疑いをしない為にもはやてちゃんはそこを明確にするつもりのようだ。

しかしナマエさんは答える気がない。

 

「その左手の手袋、さっきの戦闘の時は外していたようやけど? そこに刻まれていた紋章はなんなんや? あ! 誤魔化しても無駄やで? しっかり、その時の映像は残ってるんやからな? 」

 

「フフ、まるで異端審問会だな? この左手……この紋章については何も答える義理はない」

 

「何でや? そう言えば、あのフードを被った男にも同じ紋章が刻まれてたな? 答えられん言う事はあんたら本当はグルんなやないの? 」

 

「はぁ……まったく。嫌われるとそこまで露骨になるのか? 少し性格悪いぞ? 」

「あんたには言われたくないで? 大体、最初に人を失望させたのはそっちや。私の信用がないのに疑うなって言うのは無理があるよ? 」

 

いつものはやてちゃんならこんな態度は誰にもとらない。しかし今のはやてちゃんは私から見ても意地が悪かった。ナマエさんの逃げ道を次々に潰しては根掘り葉掘り聞き出そうとしている。だがナマエさんはそれを巧みに掻い潜り、その度にはやてちゃんをイラつかせる。もはや全員でいる意味はまるでない。完全にこの二人の喧嘩のようになってしまった。

 

「いい加減にしてくれんか? そろそろ本気で怒るよ? 」

 

「フン、もう怒ってるだろ? と言うかしつこいぞ? 流石に俺もそろそろイライラして来たんだが? 」

 

もう明らかに口喧嘩で収まりそうな雰囲気ではない。はやてちゃんがここまで怒るのを私は見た事ないがナマエさんがここまで怒るのも見たことがない。きっと互いに触れてはいけないボーダーを超えてしまっているのだ。普段、キモのすわっているシグナムやヴィータちゃんですら一言も言葉を発さない。誰も止めに入れないのだ。もしこの状況で止めようものなら、それがトリガーになり大惨事になりかねない。それ程今の空気は緊迫している。しかし私達が止めようが止めまいが起こる事は起こってしまう。何故なら互いに発した言葉でその沸点は上限を超てしまったからだ。

 

「ちっ。まったく、そうだな? ここまで性格が悪ければ男もよらないよな? 外見以前の問題だ」

 

「あ゛あ゛? ……今……なんて……言ったんや? もう一度言うてみ? この変態セクハラ男。あんたみたいな男なんてな? 一生一人や! 一体誰がセクハラ大好きな男を好きになるんや? 本当、可哀想になるわ」

 

「俺だって……一人でいたいわけじゃない…………」

 

「なんや? 聞こえんかったで? もっと大きな声で言ってくれんか? それとも……私に謝る気になったんか? 」

 

「……意地の悪いのは結構だが、ここまで言われたら俺も黙ってないぞ…………」

 

「……私とやる気か? けど私はあんたになんか負ける気がせぇへんよ? 止めとき? 恥をかくだけやで? 」

 

はやてちゃんがナマエさんを挑発した次の瞬間、ナマエさんの周囲が歪み始めた。まるで暑い日に遠くを見るとそこが歪んでるかのごとく。今のナマエさんははやてちゃんに攻撃を仕掛けそうな雰囲気だ。だからシグナムやヴィータちゃんも黙ってない。はやてちゃんとナマエさんの間に入りナマエさんにセットアップしたデバイスを向ける。

でも私はこの時胸が痛かった。どうして同じ仲間同士でこんな無益な争いが起きなければならないのか。ナマエさんにも悪いところはあるが、今日のはやてちゃんはどこかおかしい。まるで、自分の感情を制御できていないような感じだ。

するとナマエさんが通信モニターを開いた。そしてその相手は驚くべき事にクロノ提督だった。私達は二人の接点など知らない。ましてや自分より階級が遥かに高いクロノ提督に向かって呼び捨てだ。だから私達は驚かずにはいられなかった。

 

「……お、おい真名? い、一体どうしたんだ? 」

 

「クロノ……俺の魔力変換資質にかかってるリミッターを外せ」

「はぁ!? 何を言ってるんだ君は!? 」

 

「黙れ……外せと言ってるんだ」

 

「……ダメだ。それは許可できない。君も分かってるだろ? 君の為だ」

 

「ならいい。このままやる」

「やる? やるって何をだ? おい真名!? 一体…………」

 

クロノ提督が話をしている最中その通信は切断された。しかし今のは一体何だったのか。ナマエさんにかけられていると言うリミッター……それも魔力変換資質にかかっているリミッターなど聞いたことがない。それに疑問を持ったのは私だけではなく、ここにいる全員だ。

 

「おい……八神はやて。後悔するなよ? 今の俺は自分を抑えられない」

 

「な、何カッコつけてるんや? そっちこそ、後悔するんやないで? ……っ!? 」

「黙レ……殺スゾ」

 

最後のナマエさんの言葉はこの場にいる全ての人間を震え上がらせた。背筋が凍り、いつでも自分が殺される状況にあると思わされるような感覚。それに今のナマエさんの瞳は人間のそれではない。黒かった瞳は赤く染まり、まるでキレ猫の目のように変わっている。ここにいるのがナマエさんではないかのように。

 

 




次回もよろしくお願いします。
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