魔法少女リリカルなのは!?「時空管理局セクハラ相談部隊」   作:ヘルカイザー

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ども〜

ではよろしくお願いします。


ケース20《過去の惨劇……そして今》

【ウオ゛オ゛オ゛ォォォオオオオオオオオオ!? 】

 

「はぁ……はぁ……つっ!? 」

「真名さん大丈夫ですか!? あ……火傷」

 

《マスター、蒼炎の影響で右腕部分の装甲が限界です》

 

「構わない、パージしろ」

 

《かしこまりました。パージします》

 

ドラゴンが蒼い炎で苦しんでいる間に真名さんはその場で膝をつく。そして何やら蒼く燃えている右腕にバリアジャケットを一部解除し、右腕の素肌があらわになった。しかしその腕はかなりの火傷を負っており、自分の所為であると胸が痛む。

 

「気にすることはないぞ? 」

「え? 」

 

「これはあいつにつけられたもんじゃない。俺が俺自身の炎で火傷しただけだ」

 

「それって……どういう」

「ちっ! これでもダメなのか」

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!! 】

 

「真名さん、早く……真名さん? 」

「クソ、どうすれば……ん? (今……一瞬ドラゴンが弱ったように見えたが……まさかな。いや、試す価値はあるか)」

 

ドラゴンは蒼い炎を消し飛ばすと大きく吠える。それにより、こちらには凄まじい衝撃がやってきた。私はすぐにその場を離れようと真名さんの手を掴んだが、真名さんは何かに気づいたような顔をし、その場を動かず、私の手をそっとはなす。

 

「真名さん何を!? 」

 

「カリム、確かベルカに大型生物用の封印術式があったよな? 」

 

「え……た、確かにありますが……あれは殺せない生物を人間の中に魔力因子として入れ込むだけでそれを抑えるのは憑代となった人間の力だけなんですよ? とても人間があれを抑え込むのは不可能です。それに……憑代は下手をすると内部にいる生物の力の影響を受けて、最悪死んでしまいます。考え直してください。大体、一体誰が好き好んであんな怪物受け入れるというのですか!! 」

 

「……俺がやる」

「っ!? 何言ってるんですか真名さん!? そんな事正気の沙汰じゃありません!? 」

 

「なら……全員死ぬぞ? 」

「あ…………」

 

覚悟を決めた真名さんの真剣な視線が私を射抜く。確かにこんな密閉された状況でこのドラゴンと戦い続ければ負けるのは私達の方だ。それに死ぬのも私達だけで済めばいい。しかしそう世の中は優しくないだろう。何故ならもしこのドラゴンが外へ出ればミッドは壊滅。大勢の人間が死ぬ。

 

「真名、それはダメだ! やるなら僕がやる! 」

 

「いつの間に聞き耳立ててやがったクロノ…………ちっ、アホぬかせこの馬鹿! 結婚間近の男をみすみす危険な目に合わせられるかよ。それに彼女さんになんて説明するんだ? 」

 

「それは……だが真名!? 」

「そうだよ真名! やるなら僕が」

 

「ユーノにしたってエース様どうすんだ? 悲しませるのか」

 

「え!? い、いや……別になのはとはそういう関係じゃ」

「ほれみろ! やっぱり俺しかいなんだよ。さて! あいつも待ってくれるわけじゃない。俺の命はお前らに預ける。俺が抑えてる間に頼んだぞ? 」

 

それだけ言って真名さんはドラゴンへと歩き始める。ドラゴンの方も真名さんを完全に敵として認識したようで、もう私達に興味はないようだった。

 

「フラム、最大出力でいくぞ? 」

 

《マスターそれは危険です、そんな事をしたらマスターのお身体は》

 

「どのみち死ぬか生きるかだ。それとなフラム? お前となら死ぬのも悪くない……さぁいくぞ!! うおぉぉぉおおおおおおおお!!! 」

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

戦闘開始。真名さんはさっきの蒼い炎を身体全体に纏い、ドラゴンの黒い炎を呑み込みながらドラゴンを攻撃する。そしてドラゴンが一瞬ひるんだのを真名さんは見逃さなかった。

 

「蒼炎衝激……ブルー・プロミネンス!!! 」

 

《ブルー・プロミネンス……フルドライブ》

 

真名さんが拳を握り、そこへ炎が集中し始め大きな炎弾へと変わる。そしてそれをそのままドラゴンへパンチするように直接叩き込む。するとその瞬間その炎は弾け、最初の時とは比べ物にならない程高温の炎がドラゴンを燃やし始めた。あまりの熱の為、周りの岩や砂が真っ赤に溶け始めている。

 

「今だ、ユーノ!! 」

 

「かの者よ……古、その魂の嘆き……憑代の身体をもっておさまり不死なる悪魔を憑代へ誘う……カリム! クロノ! 今!! 」

 

「「封印術式!! 」

 

この封印術式は3人の協力によって行える特殊なもの。ユーノが詠唱し、あとの2人がドラゴンの真横から術式を展開。丁度トライアングルのようにドラゴンを囲う。すると成功したのかドラゴンは黒い光の粒子となって真名さんへと吸い込まれた。

 

《マスター、気分はいかがですか? 》

 

「いいわけない……だろう……はぁ、はぁ……くっ……あっ……」

「真名、大丈夫か!? 気をしっかり持て! 」

 

「そんな……抑えきれてない。真名さん」

 

「クソぉぉ……うっ!? 熱い……ダメか……」

「真名、今何か考える。もう少し耐え……真名? 」

 

真名さんがユーノの腕を震えながら掴む。そして、とんでもない事を言い始めた。

 

「キツイ……もういい。殺せ」

 

それは私達が凍りついた瞬間だった。今、自分達の為にその身をかけた仲間を殺せなど。私達には到底できることじゃない。しかし手がないのだ。彼を楽にする方法は今の段階では死なせてあげる事ぐらいしかない。

 

「真名、できない……僕に君を殺せと言うのか!? 」

「ならどうする!! こいつを解き放つのか!!! 」

 

「真名さん……それはあんまりです。他の方法を……私達には貴方は殺せない」

 

「そうだよ真名、犠牲なんて、作っちゃいけない」

 

「馬鹿……やろう……あ! クロノ、カリム!? 俺に……リミッターをかけろ!! 俺の全魔力を封印……するんだ!! 」

 

「え……」

「何を言い出すんだ君は」

 

「時間がない! 早くしろ!? こいつは今俺の魔力に同化している、なら……ぐっ!? リミッターで俺の炎ごと抑え込め!!! 」

 

なんて無茶苦茶な提案なんだと私はゾッとた。方法がないとはいえ、それをするという事は彼の本来の魔導師生命を殺すという事。クロノもユーノも、勿論私も、したくはなかった。生きるために、彼に枷を負わせる事など。しかし……もはや選択肢は私達にはない。

 

「真名……すまない。僕達は今から君の人生を制限する」

 

「ごめんなさい……真名さん」

 

「真名、ごめん」

 

「つまんねんだよ……そんな言葉…………はぁ、はぁ……友なら堂々としてろ……ばーか! 」

 

精一杯の、限界ギリギリの絞り出すような真名さんの声。この一件で、真名さんは本来の力を完全に失い。代わりに得た力はドラゴン、後からわかったことだが名をゲヘナ。その力をほんの少し引き出せる程度。確かに通常の魔導師になら十分な火力と力が発揮できる。しかしそれで戦い続けるとなると困難なものがあった。さらに真名さんにふりかかる不幸はこれだけではない。この後、その身に宿したドラゴンの存在によって、今のような不自由な生活をせざるおえない状況になってしまったのだ。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「これが……全てだ」

 

「だから……そのドラゴンが外に出る前に彼を殺せいうんか? 」

 

「……ああ」

「ふざけるんやない!? そんなのおかしい。間違ってる」

 

「そうよ……間違ってる。でも仕方のない事です! 」

「ダメ! 」

 

私が意見を述べた次に、フェイトちゃんがクロノ君とカリムを否定した。それは見た事のない顔。フェイトちゃんがあの変態の対して一度も見せた事ない顔だった。

 

「私は……あの変態にまだ生きていてもらわなきゃいけない。だって……まだ私達のゲームは終わっていないから」

 

「フェイト……何を言ってるんだ」

「彼との日々は!!! 」

 

「「っ!? 」」

 

「なかった事になんてさせない! 」

 

「そうや。そんな事させへん! 」

 

「うん、助ける。ヴィヴィオも、彼も! 」

 

私達の我儘は、クロノ君とカリムを困らせた。ここには誰1人その命令を聞くものがいない。完全な命令違反だ。するとクロノ君がため息をつき、少し微笑むと予想外な事を言い始めた。

 

「あの変態もまだ捨てたもんじゃないな? そうだろ、カリム? 」

 

「そうね……今こそ、真名さんに借りを返す時です」

 

「「「真名さん? 」」」

 

「あれ? 知らなかったのか? 彼の本名」

 

「え……本名ってなんや? だって彼の名前はナマエ・ナイショやないの? 」

 

私達は今まで彼の名前をナマエ・ナイショとして認識していたが、どうやら違うらしい。私たちだけならともかくリインにも言ってないようだ。こうなると隠す意味がわからない。

 

「はやて、それ自分で言ってて気づかないのか? ナマエ・ナイショ。名前はナイショって事だろ? 」

 

「「「あ! 」」」

 

「ぷふっ……真名さん相変わらずくだらないイタズラしますね」

 

「あいつの悪い癖だ、まったく」

「待って!? それじゃ本当の名前はなんていうんや? 」

 

「「ふふ、ナイショ」」

 

「「「え!? 」」」

 

2人とも悪ふざけが過ぎるのは彼と変わらないようだった。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「ママー!? マーマー!? 」

「あーもうっ!? ピーピーうるさい!? 」

 

「いいから早く作業してくれよクアットロ」

 

「お黙りなさい! 貴方はさっきからせかすだけせかしてうっとしいです。それにせかさなくてもこれで終わりですよ〜? 」

 

「あっ!? ぐっ……いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? 」

 

大きく泣き叫ぶ女の子の声は一瞬で悲鳴に変わった。痛いのか苦しんでいる。僕だってこんな事したいわけじゃないが、僕の目的のため、仕方のない事だ。

 

 

◇◆◇◆

 

 

「さぁ〜始めようか真名」

 

「ちくしょ……あいつら間に合わなかったのか…………うっ!? 」

 

大きな鼓動。俺は寒気と共に、自分の中から魔力の流れが止まっていくのがわかった。俺のリンカーコアは止まり始めている。そしてそれがどういう事を意味しているのか俺にはよく分かっている。俺の中のあいつが目を覚ますという事だ。

 

「クソ……クソ!? あがっ!? ……うぐっ!? ……ぅ、う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!? 」

 

「スカリエッティ、そこま……で…………」

 

「おや? ククク。遅かったじゃないか? フェイト・テスタロッサ! ハハ! ハハハハハハ!! 」

「あ゛あ゛っ!? 」

 

「そん……な…………」

「よぜっ!? やぁぁぁめぇぇぇろぉぉぉぉあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁ…………」

 

最後に素敵な身体の相談者さんの声が聞こえた気がするが俺をその瞬間意識を失った。

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

 




次回もよろしくお願いします。
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