魔法少女リリカルなのは!?「時空管理局セクハラ相談部隊」   作:ヘルカイザー

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ども〜


ではよろしくお願いします。


ケース21《大切な人……ハルの無茶》

「これが……ゲヘナ、地獄の黒炎を象徴するドラゴンか!! 素晴らしい! 私は歴史的瞬間を目撃しているぞ!! 」

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

「なっ!? 」

 

私がアジトに潜入した時にはもう遅かった。変態は磔にされながらぐったりとし、私の目の前には身を低くしながらもとんでもない大きさのドラゴンがいる。スカリエッティは興奮しているが、私はドラゴンのプレッシャーでなかなか動けずにいた。見るからに、そして明らかに感じるドラゴンの怒気。すると、ドラゴンは天井を破壊し始めた。

 

「しまった!? 感激のあまり拘束を、ぐあっ!? 」

「「ドクター!? なっ!? 」」

 

外へと飛び立つドラゴン。凄まじい風圧。私は吹き飛ばされそうになるが何とか持ちこたえた。しかし、スカリエッティと戦闘機人2人は風圧に耐えきれずに吹き飛び、壁に叩きつけられる。私にとっては好都合の事だが問題は外へ出たドラゴンだ。もしクロノ達の言う通りなら大変な事になる。

 

「ダメだ……起きない」

「無駄だよ」

 

「っ!? どういう事? 」

 

「真名は今強制的にリンカーコアを停止させられたんだ。はは、そんな事をすればどうなるかは君も知らないわけじゃないだろ? 」

 

「くっ……」

 

私に拘束させられたスカリエッティが地面を這いながらそう言う。確かに今変態は起きる様子がまるでない。それどころかかなり弱って見えた。呼吸も浅く、少しやばいのではと心配になる程に。

 

「早く病院へ……え!? 」

 

「ぃ……ぁ……ぇ…………」

「大丈夫!? ちょっと……っ!? 」

 

それは突然だった。私が変態を運ぼうと変態の拘束を解いた時、変態は目を覚ました。私は驚いたが、変態はまだ満足に喋れないようで。何を言っているのか聞き取る事が出来ない。しかし震える指であのドラゴンが飛び立った方向を指した。

 

「で、でも……貴方が」

「ぃ……ぃ……」

 

「……わかった。後で必ず来るから。ひゃんっ!? ……ぐぅ……殴りたい……弱ってなきゃ今すぐ殴りたい……はぁ……後で殴るから! 」

 

変態は弱々しい手で私の右胸を鷲掴みにし、2、3回ゆっくり揉むとダラリと手を地面に落とした。こんな状況で何をしているのかと物凄く腹が立ったが、相手が弱ってる手前、殴るに殴れなかった。そして、私はドラゴンが行った方向、ゆりかごの方へ向かう。だがそこには丁度ゆりかごをその黒い炎で焼き尽くしているドラゴンの姿があった。

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

「うっ……ん? あれ? なんか……気分が良く……」

「動かないでください? まだ終わってませんから」

 

「……なんだ、どういう風の吹き回しなんだ? あんなに俺を毛嫌いしてただろうに」

 

「貴方には……感謝してますよ。あの時、私が気絶している間に、カリムを守ってくれたのですから」

 

素敵な身体の相談者さんが行ってから少し後、意識が朦朧とする中で、俺は最初より大分回復していた。理由は今俺に回復魔法をかけている女性。シャッハだ。おそらくフェイトとここへ潜入したのだろう。普段なら考えられない状況だ。俺はこいつに嫌われている。それは、あのゲヘナとの一件があった後も変わらない。むしろ増したと言っていいだろう。現に、こいつは俺を殺したい派閥の1人だ。

 

「今なら殺せるぞ? 」

「はぁ……そんな必要がどこにありますか? 貴方はもう……自由の身ですよ? 私が貴方を殺す理由がありません。それとも、私を人殺しにしたいんですか? 真名さんは」

 

「自由か……多分、今日が最後だろう。そんな自由」

「え…………」

 

「ふふ。さて! 」

「あ、待ってください!? 起きて……は…………」

 

「もう十分だよ。ありがとうな……シャッハ」

 

回復魔法は途中で中断。俺は無理矢理起き上がった。シャッハは止めたが、ゆっくり休んでいる時間はない。あいつが目覚めてしまったからには1人でも戦力がある方がいい。そして俺は懐から楕円形のペンダントを取り出した。シャッハはこれが何かわかっている為驚いた顔をする。

 

「真名さん……貴方はまさか…………」

 

「1人なら……なんでもなかった。孤独なら……無視できる。セクハラができないなら……死んでもいい。けど……俺はもう1人じゃない。こんな俺でも、守りたい人ができた。あの時、あの馬鹿ドラゴンと出会った時にはなかったものが。それに……ふふ。セクハラのしがいがある女性が、ここ(管理局)には山程いるからな! 」

 

「か、かっこいい事言ってるのに最低ですよそれ!? ……アレを使うんですか? ……使うんですね」

 

「ああ。使わなければ……勝てない。そうだろ? 相棒」

《セットアップ! お久しぶりです、マスター》

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

「スターライト・ブレイカぁぁぁあああああああああ!!! 」

 

「ラグナロク!!! 」

 

「ジェットザンバー!!! 」

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

「そんな!? 」

「嘘や!? 」

 

「致命傷どころか……かすり傷一つ負ってないなんて…………」

 

ゆりかごはドラゴンが吐く高温度の炎で溶けてなくなってしまった。幸い、ゆりかご内にはもう誰も残っていない。全てが終わった後だ。だが、私のスターライトブレイカーに加え、はやてちゃんやフェイトちゃんの渾身の攻撃はまるで効果がない。他の魔導師も応戦するがいいように吹き飛ばされ、相手にはならなかった。このままではミッドチルダは壊滅である。

 

「くらいやがれドラゴン! ツェアシュテールングスハンマぁぁあああああああああ!!! ……なっ!? 」

 

【ゴォォォオオオオオオオオオオオオ!!! 】

「かはっ!? ぐっうわぁぁぁああああああああ!? 」

 

「ヴィータちゃん!? 」

 

ヴィータちゃんが繰り出した大技。しかしそれを、ドラゴンは片手で受け止めるとそのままクラークアイゼンごと地面に叩きつける。そして、追い打ちをかけるかの如くそこへ黒い炎を吐いた。ヴィータちゃんは今の衝撃で動く事ができない。

 

「ヴィータちゃん逃げて!! 」

「ヴィータ!? 」

 

私とはやてちゃんの叫びは届かない。もうダメだと思われたその時。黒い炎は突然現れた蒼い炎の壁に阻まれ、弾かれる。現れたのは病院にいた筈のヴィータちゃんの恋人だ。

 

「あ……ああ……うっ……あれ? っ!? ……ハ、ハル…………」

「やらせない……ヴィータさんはやらせない!! 彼女は僕の大事な人だ! はぁぁぁああああああああ!!! 」

 

【ゴゥゥ……ガホッ!?】

 

ハル君が手に灯した小さな蒼い炎弾。それを小さいながらドラゴンへと飛ばす。あんな物がと思った私達だが、それはお返しとばかりにドラゴンが吐いた黒い炎に当たると黒い炎と共に消滅した。つまり……相殺したのだ。

 

「ハル……お前…………」

 

「つっ!? あ…………」

「ハル!? お前これ、火傷してんじゃねぇか!? だ、大丈夫なのか? 」

 

「はは、大丈夫ですよ……いつつ……」

 

取り敢えずドラゴンが目標を変えその場に入2人は助かった。だから私達は一旦集合し、作戦を練る。でもさっきの蒼い炎。あれは見た事もないものだ。魔力変換だとしても何かが変だった。自分で変換して出した炎で自身が怪我を負うなど聞いた事がない。

 

「っ!? あれ……って……」

 

「例の男やな。まずい、何をするつもりなんや」

 

ドラゴンが動きを止めた。しかしそれは目の前にあのフードの男が現れたからだ。ヴィヴィオの救出後、その姿をくらました男はこの機を狙っていたのかもしれない。

 

「さぁ〜ゲヘナ! 僕に! 僕に力を!! 僕と共に、世界を破壊するんだ!!! 」

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

【カイナ、離れなんし!? 】

 

「え? っ!? ……か……はっ…………」

【カイナ! 】

 

「拒絶……したな……僕を……僕を!! くそぉぉぉおおおおおおおお!!! 」

 

ドラゴンに何かを叫んだフードの男。しかし男はドラゴンに殴られ、それと同時に激昂すると巨大な氷の塊をドラゴンの上に出現させた。

 

「古のドラゴン……ゲヘナの名において。この七色の大地に終焉を。終わりは始まり。始まりは終わり……この世界に、氷河期を!! ジ・エンド・オブ・ブリザードゲヘナ!!! 」

 

【グゥゥ……若造がいきがるなよ? コォォォォォオオオオオオオオオ、ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

「なっ!? そんな……馬鹿……な…………」

【カイナ……驚く事はないなんし。あれが本来の妾達の力なんしよ。所詮、人間が扱える力なんて、脆弱以外の何物でもないなんしから】

 

巨大な氷はゲヘナの吐く強烈な息吹だけで簡単に砕けた。でもそれ以上に、ドラゴンが喋り始めたのが驚きだ。どうやら、ドラゴンは会話ができるらしい。そして……呆然としているフードの男は、ドラゴンの前に倒れた。

 

【死ぬがいい、人間よ! ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

「っ!? うっ……がぁぁああああああああああ、うわぁぁあああああああああああああああ!? 熱い!? あづいぃ!? 」

 

黒く燃えるフードの男。私達はそれを唖然と見ていた。その男が墜ちるその時まで。だが墜ちた男は氷で固められそれがゆっくりと溶ける。まるでクッションのように男を守った。しかし男は意識がなく、ぐったりしている。

 

【人間よ! 我と死合える者を出すがいい。我を抑え込んだ忌々しい男を、我前に差し出せ!!! 】

 

それが一体誰の事を指すのか、私達はよくわかっていた。だがそれは絶対にできない。もし彼を連れて来れば確実に殺されるだろう。それはあのドラゴンを見ただけでよく分かる。

 

「はやてちゃん! 」

 

「リイン!? それに……みんな」

 

ここで心強い応援が来た。シグナムさんにリイン。それからフォワードの面々。そしてクロノ君やカリムさんまでもがこの場に駆けつける。全員ドラゴンの所為で作戦が放棄。だから来れたのだろう。

 

「食い止められなかったか。あいつは大丈夫なのか? 」

 

「うん、大分弱ってたけど……多分平気。まだアジトがあった場所にいるはず」

 

クロノ君の質問にフェイトちゃんが答える。みんなもそれを聞いて安心していた。特にリインはかなりホッとした様子。しかしここからどうするのか、長くはドラゴンも待ってはくれない。鋭い目で私達を見ている。

 

「僕の炎ならなんとかなるのではないですか? 」

「ダメだハル。頼むよ……やめてくれ…………な? 頼むからよ…………」

 

「そうだ。その力は使うな。とは言っても、もう覚醒してしまってるようだが」

 

「その炎は何なの? 」

 

「それは……っ!? 危ない!? 」

 

私の素朴な疑問は答えてもらうことなく終わった。何故ならドラゴンが攻撃を仕掛けてきたからだ。やはり待ってはくれないらしい。おかげでハル君が力を使い始めドラゴンの炎を必死に防いでいる。私達を囲うように炎をだし、黒い炎を弾く。ドラゴンの炎は私達のシールドすら簡単に燃やすがこの蒼い炎は大丈夫なようで、全く壊れる気配がない。しかしハル君の手は自分で出している炎で焼け始めていて、このまま続ければ大怪我をしてしまうのは明白だった。

 

「ハル!? もうやめろ!? ハル!! 」

 

「いや……です。絶対に嫌だ!!! 」

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア、未熟者めが!!! 】

 

「うっ!? あ……ぐっ……そ、そんな!? 」

 

それは突然だった。さっきまで何ともなかった筈のハル君の炎が出力を上げた黒い炎に負け始めたのである。侵食され、だんだんと蒼い部分が消えていく。

 

「なのはさん、みんなで防御を!? 」

 

「ダメだよティアナ、あれには防御なんて意味がない」

「それじゃ、どうするんですか!? 」

 

「ハルさん、頑張って下さいです!! (ナマエさん……助けて)」

 

【ゴォォォォォ! っ!? なん……だと…………】

 

一瞬何が起きたのか分からなかった。突然ハル君が出している炎の壁がとんでもないほど上空まで伸び上がり、黒い炎をなんでもないように呑み込んだのだ。始めはハル君の力が上がったのかと思った私達だったが、それは違った。炎の壁が消え、ハル君が後ろに倒れる瞬間、その背中をそっと支え、赤色のジャケットを羽織った男が私達の目の前に現れる。それは私達のよく知る人間だった。

 

「よく頑張ったハル・ウィンド。……はぁ……だから使うなと言ったんだ。手……ボロボロじゃないか? ま、いいか。カッコよかったぞハル。男だな! 」

「……遅いよ」

 

「ふふ、そう言うな。これでも急いだ方だ」

 

【ヌゥゥ……貴様は…………】

 

「ナマエ……さん? 」

 

リインが無意識につぶやいた一言で、唖然としていたそこにいる全員がハッとなった。ドラゴンも待ち望んでいたと言わんばかりに息を吐く。

 

「よぉ? こうして向かい合うのは何年ぶりだ? 馬鹿ドラゴン! 」

 

【待ち望んだぞ、人間。我はお前と戦いたいのだ! そして、あの時の雪辱を果たそうぞ! 】

 

「俺は遠慮したいんだがな? セクハラしてる方が楽しいし」

 

【ゴォォォオオオオガァァァアアアアアアアアアアアア!!!】

 

こうしてドラゴンとその元憑代が、再び相対したのだった。

 

 




次回もよろしくお願いします。
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