魔法少女リリカルなのは!?「時空管理局セクハラ相談部隊」   作:ヘルカイザー

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ども〜

ではよろしくお願いします。


ケース5《黒い炎》

新暦71年 4月29日、それは起こった。私、リインフォースははやてちゃんやフェイトさん、なのはさん達と休暇を楽しんでいた。しかしその時、ミッドチルダの臨海空港で原因不明の大火災が起こった。

休暇中だった私達だが放って置くわけにもいかず現地協力をする事になり、フェイトさんとなのはさんは救助活動へ、私とはやてちゃんは現場指揮にあたり、必死に動いていたがなかなか上手くいかない。本局の応援も到着が遅れ現場はいっぱい、いっぱいだった。するとその時、現場の情報を整理していた私は後ろから誰かに肩をつつかれた驚いて振り返るとそこにいたのはナマエさんだったのだ。

 

「ナ、ナマエさん!? どうしてここに…………」

 

「いえ、ちょっと近くにいたもので。にしても大変そうですね? それじゃ、俺も手伝います。現場の方、行ってきますので」

「え!? で、でもナマエさん危ないですよ!? 」

 

「大丈夫ですよ? 俺だって管理局員ですから、それじゃ! 」

 

私は現場に行くと言うナマエさんを止めた。ナマエさんが管理局員なのは当然知っている。しかし現場に出て救助活動をする程魔法が使えるという話は聞いていない。だから私は心配だった。だがナマエさんは大丈夫と言って行ってしまったのだ。

大丈夫と自分に言い聞かせてもやっぱり心配な私。だから情報を急ぎ、ナマエさんの応援に行こうと作業を進める。ナマエさんの為に…………

 

 

◇◆◇◆

 

 

「ギンガ・ナカジマ陸士候補生です! 」

 

「ふふ、それじゃ未来の同僚だ? 」

「きょ、恐縮です! 」

 

私はなのはと救助活動へ出た。するとそこで必死で何かを探すように通路を歩く女の子を見つけた。爆発が起こり、その子は何もない真ん中の吹き抜けへと落下する。私は急いでその子を掴まえ助けた。

話を聞けば管理局の陸士候補生ではぐれた妹を探しているのだと言う。だから私はその子が救助されてないか確認を取った。すると既になのはが救助した後でギンガはそれ聞き、安心していた。しかし安心したのも束の間、ギンガを早く外に出そうと急いでいた時、目の前を人影が阻む。

 

「っ!? 大丈夫ですか!? ここは危ない、早く避難を!! 」

 

「必要ない。我ら皆、儀式の為の生贄。だが必要な生贄を避難されてはかなわん。その娘を置いていけ! いや、お前も生贄の糧になれ! 」

 

「一体……何を言って……まさか!? この火災は貴方が!? 」

「その通りだ、素敵な身体をお持ちの相談者さん? 」

 

「え……っ!? い、いいいいやぁぁぁああああああああああああああ!!! 」

「ごぶっ!? 」

 

私が目の前の怪しい男を問い詰めようとした時、私の後ろに変態は現れた。それはあの忌々しいセクハラ相談部隊の部隊長だ。後ろから私の胸を揉みしだき、ここぞとばかりにこねくり回す。だから私は肘で変態の顔面をどついた。こんな非常時に相変わらずふざけるなと言いたい。

私が抱えてるギンガは私がやられていた行為を目の当たりにし顔を真っ赤にしている。

 

「この非常時に何ふざけてるの!? と言うか貴方が何故ここに……って!? また消えた!? ど、どこに!? ……っ!? 」

 

「あ、あの……そ、そそんなに見ないで下さい……な、なんか恥ずかしいです…………」

「うむ……なに、恥ずかしがる事はない。君は素晴らしい、君は未来に期待できる身体をしている。素晴らしい……実に素晴らしい。これは数年後が楽しみだ……君、ちょっと連絡先を! ぎゃっ!? 」

 

「こ、この変態が!? こんな子に一体何をしているの!? と言うかいつの間に私からこの子を奪った!!! はぁ……はぁ……いい加減……っ!? いない!? ひゃっ!? あんっ!? 」

「まぁ〜そんなに怒るな。下手をすれば君に負けない素敵な身体に成長するかもしれないじゃないか? うむ……さっきも思ったがこの間より大きくなったか? 弾力も良くなっている……素晴らしい!!! 」

 

変態は懲りずに私の背後に回り込むと私の胸を両手で揉みしだく。隣ではギンガが「あわわわ……」と言いながら顔を手で隠し指の間からこちらを恥ずかしそうに見ている。

私はもう我慢の限界だった。バルディッシュにカートリッジをロードさせ。ソニックムーブで変態から離脱し、変態の背後に回り込む。そして振りかぶったバルディッシュを思いっきり振り下ろした。しかし変態は私を見る事なくそれを黒い手袋をした方の手で掴んだ。正直驚いた、加減したとはいえ私の攻撃を確認する事なく受け止めるなんてあり得ないと思ったからだ。

 

「貴方……一体…………」

 

「さて、おふざけは終わりだ。ここももうすぐ崩れる。早くその子を連れて行け! 俺はそこの信者に用がある」

「何言ってるの!? そんな事してる暇はない! 今、はやてが広域魔法の準備をして」

 

「行け…………」

「っ!? ……分かった…………」

 

変態はさっきまでのようなゆるい顔はしていない。真面目だ。しかも雰囲気がさっきとはまるで違う。私は仕方なくギンガを連れてここを出る事にした。

 

 

◇◆◇◆

 

 

俺は教祖と呼ばれている。今日は空港で前々から計画していた儀式と言う名の大量虐殺。それを行おうとしていたのだ。理由、そんなものは簡単だ。この場所は悪魔を呼び起こすには最適な場所だ。ここで大量に人が死ねばそこへ悪魔は現れる。しかし予想より早く管理局は動いてきた。空港にいた市民を救助し始め、もうすぐ計画は破綻する。だがそうはさせない、俺が今この場で自身ごと空港を吹き飛ばしてやるのだから。

 

「フフフ、お前は逃げないのか? まぁ〜もう、間に合わないけどな? これで悪魔が蘇る! この世は終わりだ! あっはははは!!! 」

 

「お前達の計画はハング・スタッグの証言で知っている。まさか……管理局の中にスパイが紛れ込んでいるとは思わなかったが……そんなくだらない、いもしない悪魔なんかを信じてこんな事をしたのか…………」

「くだらないだと? お前は思わないのか? この世は腐っていると、なら壊したほうがいい! 一から借り直そう!!! 」

 

「そんな事の為に……自分達の身勝手な想いの為にあんな小さな子や他の人達を犠牲にしようとしたのか……ふざ……けるな…………」

 

俺の目の前の男はワナワナと震え、俯いている。明らかに怒っているようだが、そんな事知ったことではない。俺はこの地にベルカの悪魔を召喚する。他の仲間はもう自爆していないが後は俺で最後の仕上げだ。目の前の男、さっき逃げて行った女共々吹き飛ばしてくれる。

 

「もう遅い! 俺もお前もさっきの女も全て消えるんだよ? はっはは!? 消えろぉぉぉおおおお!!! ……っ!? な、何だ……何故爆発が消えたんだ……な!? 何だこれは!? ほ、炎が……黒く…………」

 

俺は確かに今自分の魔力を暴走させ大爆発を起こそうとした。その術式を発動させた筈だった……しかし爆発は起きた瞬間何かに吸収されるように消え去り、気がつくと周りの炎は全て黒い炎に変わっていたのだ。

しかもこの炎……さっきの炎より格段に熱い。触れてもいないのにまるで直に炙られているような熱。

 

「……あ、熱い……なんだ……何なんだ!? ……っ!? そ、それは……嘘だ……だ、誰か助け……ひっ!? 嫌だ!? 来るな!? 来るなぁぁぁああああああああああああ!!! 」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「要救助者の避難全て完了しました! 」

 

「了解、いくで? ……な!? これは……炎が黒くなっとる……一体これは……いや、今は……仄白き雪の王、銀の翼以て、眼下の大地を白銀に染めよ。来よ、アーテム・デス・アイセス!!! ……よし、これで……っ!? そ、そんな!? 嘘やろ!? 」

 

私は広域攻撃魔法を発動させた空港を丸ごと凍結させた……筈だった。しかし一瞬私の魔法で凍結した炎はまるで中から溶かすかのように魔法で凍結させた空港を燃やし始める。この魔法は圧縮した気化氷結魔法を打ち込む事で着弾点周囲の熱を奪い凍結させる魔法だ。だからこれで炎消えないなんて事はあるわけがない。一体何が起こっているのか私には分からなかった。

 

「はやて!? どうして撃ったの!? あの中にはまだ人が!? 」

「え、なんやて!? だってさっきは全員救助したって!? 」

 

「違う、中にいるのは局員だ! 」

 

私はフェイトちゃんからの通信でそれを聞いて青ざめた。一瞬とはいえ空港全体を凍らせたのだ、だからその管理局員がただで済むわけがない、そう思った。聞いてみれば中にはこの火災の犯人と思われる男がいて一人の管理局員がそれを相手にしていたのだと。なぜ報告をしなかったのかと本部に問いただせば、連絡ミスだと言う答えが返ってきた。

ふざけるなと思った。中には私らの仲間がいるのだ。それなのに忘れたで、間違えたで済むわけがない。勿論直接私達と接点のある局員ではない筈だがそれでも仲間である事には変わりない。そう思った。

そんな時、リインが情報整理を終えて私の所に戻ってきた。しかし様子がおかしい。焦って何か、と言うより誰かを探していた。

 

「はやてちゃん!? ナマエさん知りませんか!? いないんです!? どこ探してもナマエさんいないんですよ!? さっきの現場行くって言って……もしかして戻って来てないんじゃ!? 知らないですかはやてちゃん!? 」

 

「そんな……嘘やろ……ま、まさか……今残ってる局員って…………」

「え……今……何て言ったんですか……誰か……まだ中に残って……嘘ですよね? ナマエさんがまだ中にいるって嘘ですよね!? はやてちゃん嘘だって言ってください!? 」

 

リインは見たことないくらい取り乱していた。しかしそれは当たり前の事だ。私らに接点のない局員? 私は何を馬鹿な事を思ったのだろう……リインにとって関係ない人なんかじゃない。それどころか今リインにとってその人は掛け替えのない……今一番守りたい人だ。それなのに私のアーテム・デス・アイセスに加え、この消えることのない黒い炎……これでは助からない。ここにいる誰もがそう思っていた。

リインに限っては涙を流し、あの燃え盛る黒い炎に突っ込んで行こうとした。けどそんな事幾ら何でもさせられず、すぐに止めに入った。

 

「ナマエさん……いや……ひぐっ……嫌ですよぉ…………」

 

「リイン…………」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「来るなぁぁぁぁあああ!!! 来るな、来るな、来るな!!! 」

 

「オマエは、ヤリすギタ……だから、ゲヘナにオチろ! 」

「ひっ!? ば、化け物!? やめ!? あがっ!? 」

 

目の前の男は変貌した。言葉は所々片言になり目は黒から赤へ。しかもその瞳は赤く光り人の目をしていない。そして俺の顎を掴んでいる左手……それは黒い手袋をし、その手の甲には赤く光る紋章が浮き上がってきていた。さらにバチバチと左手は電気を帯びたように赤い火花が散っている。

 

「断罪……スベテを燃やすゲヘナのホノオよ……我、イノチを奪うモノ、命をヤキ尽くす者! 古のドラゴン、ゲヘナの名の元二……コノ者を……地獄へ墜とせ!! ヘル・ディストラクション・ゲヘナ!!! 」

 

「うがっ!? いっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! 燃える!? 熱い!? 俺の身体が!? 身体がぁぁぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁ…………」

 

その瞬間俺の意識は燃やし尽くされた。手からまるで生き物のように溢れ出した黒い炎によって…………

 

 

◇◆◇◆

 

 

「うっ……ひぐっ……ナマエさ゛ん゛……ナ゛マ゛エ゛さ゛ん゛…………」

「呼びました? 」

 

「え? …………」

「な……嘘や…………」

 

私が泣き崩れている時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。私は驚いて振り返る。するとそこには少し黒焦げた男を抱えたナマエさんが立っていたのだ。

はやてちゃんもナマエさんがここにいる事に驚いている。しかしそれは当たり前だ、あの炎の中どうやって生還したのか……それにナマエさんの服は少し焼けているだけで他は目立った外傷はない。

 

「あ、あんたぁ……どうして……ど、どうやってあの炎を超えて来たんや!? ……え……炎が消えとる…………」

 

はやてちゃんにつられた私は空港の方を見た。するとあれだけ黒く燃え盛っていた炎はまるで最初から無かったかのように消え、空港の火災はもう鎮火していた。信じられなかった。どうして炎が消えたのか……そもそもあの黒い炎は何だったのか……私の頭は混乱した。しかしそれははやてちゃんも同じだったようだ。頭を抱え、何かを必死に考えている。だが私は今、そんな疑問がどうでもよくなる程感情が爆発した。

 

「ナマエさん!!! 」

「おおっ!? ど、どうしたんで……すいません。心配かけました」

 

「うわぁぁぁ……ナマ゛エ゛さ゛ん゛……よがっだ……良かったですよぉぉ……うっ、ひぐっ……う、うわぁぁぁぁあああああん!? 」

 

私は小さいままナマエさんの胸に飛び込んだ。ナマエさんもどうして私が泣いているのか察したようで素直に謝ってくれた。けど私はナマエさんに謝って貰わなくても良かった。

だって……こうして生きて戻って来てくれたのだから…………

 

 




次回もよろしくお願いします。
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