ソードアート・オンライン 〜Another World〜   作:篝 凪。

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どうも。
どうぞ。


第4話 赤蝕の記憶・前編 

~69層・森林エリア~

 

第69層、森林エリアにある木の上に俺は居た。

デスゲーム、《SAO》が始まってから1年半以上の月日が経った。

そして少年はその殆どを圏外にある森で過ごして来たが、今でもそれは変わらない。

そして、ここ何日かは一睡もしておらず、気を抜いたら睡魔に襲われそうだった。

が、そうゆうわけにもいかない。

なぜならここは圏外だ。

眠ってしまえば奇襲を受けてしまうかもしれない。

「眠い......寝たい......」

少年は悲痛の叫びを、誰に言うでもなく呟いた。

そんなときだった。

突如として鋼と肉が交わる音が聞こえた。

さほど遠くはない、すぐ近くだった。

すぐに索敵スキルを発動すると、探している音とは別の音が引っかかってしまった。

聞こえたのは男の声だった。

最初の方は聞き取れなかったが、あとははっきりと聞き取れた。

「――とか、この人数なら楽勝だろ。捕縛っしょ?」

太めの声の男が仲間にそう問いかける。

「当然だろ、それに捕縛は《可能》ならだからな、《討伐》だっていいんだぜ?」

ドスのきいた声の男が答える。

「「「「ギャハッハッハッハ」」」」

その言葉に他の仲間達も笑い声を上げる。

不謹慎だ、そう思わざるを得ない。

そして彼らの討伐対象は、恐らくこの少年だろう。

少年はレッドプレイヤーだ。

正確にはオレンジプレイヤーだが、彼のようなプレイヤーの事をみんながそう呼んでいる。

別になりたくてなっている訳ではない、仕方なくなのだ。

どうしてここまで理不尽なのか、この生活が始まってから、少年は1日1回はそんなことを考えていた。

「でも、仕方ないよな。そっちが《その気》なんだから」

少年はそう言って、木の上から下を見下ろす。

男達が下まで来いる。

人数を数えると、どうやら5人組のパーティーだった。

「殺るか」

そう言って少年は、フードを深くかぶり木から飛び降りた。

男達の裏に着地をして、口を開く。

「よぉ、何か用か」

自分は今、どんな眼しているのだろうか。

「なっ……」

5人は、焦った様な顔をしていたが、すぐに憎らしい笑みを浮かべた。

そして、リーダー格らしき男が目を光らせて口を開いた。

「よう《死神》さん。悪いが......」

リーダー格の男が片腕を掲げた。

「狩らせてもらうぜ?」

リーダー格の男の言葉を合図に、仲間達が次々と武器を構える。

そして。

「やれぇ、おまえらぁ!」

リーダーの掛け声と共に振り下ろされた片腕を合図に、仲間達が一斉に襲い掛かって来た。

「仕方ない」

そう言って俺は、両手剣《ディナイアル・》を鞘から引き抜く。

本気で行こう。

彼らの眼は本気だ。

手を抜けば殺される。

それに、今までも少年はこうしてきたのだ。

「おらぁ!」

両手斧使いの男が、声を張り上げて輝く斧を振り下ろす。

「てやぁ!」

「ていっ!」

槍使いと細剣使いも、同様に輝く槍と剣先を突き出した。

ソードスキルを使った3人の同時攻撃は、捕縛のためのそれではなかった。

少年はその攻撃を避けようとしたが、斧の一撃を食らい、左手をもっていかれた。

「......ッ!」

咄嗟にバックステップで後ろに下がる。

するとリーダー格の男が、退屈そうに言った。

「んだよ、弱過ぎじゃね? こんな奴に何人も殺られたのかよ」

「ブレインの兄貴、トドメ指しちゃってくださいよ」

短剣使いの男が、ブレインにニコニコしながら言う。

「な、何言ってんだよ! 全員で殺るぞ」

ブレインは、背中の鞘から両手剣を引き抜いた。

それに続いて、他の4人も俺を囲む形で武器を構えた。

しかし少年にはそんなことはどうでも良かった。

「全員で......か」

なら、今までソロで戦って、1人で殺ってきた少年は......カグヤは。

「お前らより強いぞ? 俺は」

何を言っているのだろう。

言葉は、無意識に漏れていた。

「な、なんだと......てめぇら、やっちまえ!」

そしてブレインは、俺の発言を挑発と受け取ったようだった。

ブレインの言葉に、5人の武器が輝きだす。

「片手で充分か」

そう言って、俺もソードスキルを発動させる。

「「「「「でりゃぁぁぁ!」」」」」

5人の攻撃をギリギリまで引き付ける。

そして。

「《ディナイアル・ヴァリア》!」

360度、すべての攻撃に対応できるソードスキル。

そしてそれは、5人の武器をすべて吹き飛ばしだ。

「な、なん......だと」

ブレインが、驚きに満ちた顔で呟いた。

5人は、少しづつ後ずさりをしている。

「逃げるのか、俺を狩りに来たんだろ?」

俺は、ブレインとの距離を少しずつ詰める。

気づけば、後ろの4人はもう逃げていた。

まあいいか。

ブレインは躓き、地面に尻餅をついた。

俺は剣を上に掲げ、ブレインを見下ろした。

そして一言。

「死ね」

そう言って俺は、剣を振り下ろした。

こいつで何人目だろうか、そんな事を思った瞬間だった。

俺が振り下ろした剣の斬撃は、1つの黒い影と、1本の漆黒剣に阻まれた。

「......なっ!?」

「何やってるんだ! お前、今自分が何をしようとしているのかわかってるのか!」

俺の驚きなど気にもせず、黒ずくめは怒鳴った。

少しの迫り合いの後、互いに後ろに飛ぶ。

「な、何って......関係ないだろ!」

何なんだこいつは、邪魔だ。

俺は地面を蹴り、黒ずくめとの距離を詰める。

そして、剣を横殴りに振りかぶる。

「関係ない分けないだろ!」

黒ずくめのそいつは、ものすごい剣幕で怒鳴りながら、一撃を受けとめた。

「この世界でプレイヤーを殺せば、現実世界でも……」

「んなことはわかってんだよ!」

うるさい。

「なんなんだ一体! お前誰だ!」

「知りたいなら、武器をしまえ! 話にならないだろ!」

迫り合いながらも、会話は続く。

「お前も俺を殺しに来たのか⁉︎ なら武器はしまえないな!」

「なら、俺が先にしまう。 だから落ち着け、な?」

そう言うと、黒ずくめは漆黒剣を鞘に納めた。

な?とでも言うように、両手を横に広げる。

俺も剣を鞘に納めた。

そして、黒ずくめが口を開いた。

「俺はキリトだ、ソロで前線に出てる。お前は?」

キリトと言うその少年は、俺の名前を聞いて来た。

「俺は……カグヤだ。俺もソロだ」

おそらくキリトは、攻略組のメンバーだろう。

レベルも実力も、おそらくトップクラスだろう。

そんな事を、俺は無意識に考えていた。

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。
後半はやけくそです。
ではまた、1週間以内に。
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