寄生獣   作:桂ヒナギク

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1.記憶

 榊原 美香(さかきばら みか)はパラサイトだ。

 しかし、他のパラサイトとは思考が違い、同種に襲われている人間を助けていた。

 いつしかその事が同種に知れ渡り、美香は裏切り者として狙われるようになった。

 美香は男と対峙している。

 男の頭は二つに割れていて、カマのようなものが二つ飛び出ていた。

 男のカマが美香に迫る。

 美香の頭が割れ、飛び出したカマが男の攻撃を弾いた。

「こんなところで死ぬ訳にはいかないのよ」

 美香は男の首を撥ね飛ばした。

 美香のカマが引っ込み、頭部が元に戻る。

(誰か来る?)

 そこへ現れる泉 新一(いずみ しんいち)。その右腕は剣状になっていた。

「仲間割れか?」

「私は何も知らないわ」

 そう言ってその場を去ろうとした美香だが。

「待てよ」

 立ち止まって振り返る刹那、新一がいきなり襲い掛かってきた。

 美香は咄嗟(とっさ)に飛び退き、新一の剣が空を切る。

(人間……?)

「待て、シンイチ。敵意を感じない」

 剣状のそれ、ミギーが言った。

 ミギーは剣から手の形になる。

「オマエ、何者だ?」

「榊原 美香」

「それはその体のだろ?」

「これは元から私の体よ」

「どういうことだ?」

「ある時、ボール状の卵のようなものが落下して来るのを見て、それが孵化してヒルみたいなのが産まれて、気が付いたらこんな訳の分からない能力を手にしてたのよ」

「オマエが脳を奪った時に記憶も引き継いだか?」

「脳を奪った?」

「オマエは榊原 美香(なにがし)ではない。寄生生物(パラサイト)だ」

「私がパラサイトですって? 何言ってるの? 私は産まれた時から人間よ」

「オマエがそう思っているのならそれでも構わない。だが、オマエには敵意を感じない。それはどういうことだ?」

「人殺しが(ゆる)せないものでね。この力でパラサイトから人々を守ってるのよ」

「なるほどな」

「あなた方が善良な人間の方なら手出しはしないけど?」

「私とシンイチは敵ではない。むしろ奴らの敵だと思ってくれて構わない」

「敵の敵は味方ってわけね」

「そう言うことだ」

「で、貴方名前は?」

「泉 新一だ」

「私のことはミギーと呼んでくれ」

 その時、二人の下に女がやってきた。

「やってくれたな」

 女の頭部が割れ、カマが飛び出してきた。

 新一の右腕が剣状になる。

 美香の頭部が割れ、カマが飛び出す。

「榊原さん、今の話が嘘ってことはないよな? 冗談きついぜ」

キンッ!──美香のカマが女の攻撃を弾いた。

 新一が隙を突いて女の心臓を貫いた。

「ぐはっ!」

 女は倒れ、息絶えた。

 

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