美香の頭部が元の人間のそれになる。
「新一くん、だったわね?」
「ああ」
「ここじゃ何だし、場所を変えて話しましょうか」
二人は喫茶店へと場所を移した。
「キミは寄生する前の宿主の記憶があると言ったな。私はそれに凄く興味がある」
「そう言われても、何が何だか……」
店員が頼んだドリンクを持って来る。
「今後のことだが、キミはこれからも寄生生物と戦っていくのか?」
「当然よ」
「そうか」
「あなた達はどうなの?」
「俺たちも同じかな。ここは協力して奴らと戦うってのはどうだろう?」
「それは頼もしいわね」
「それじゃあ!」
「ダメよ。あなたまだ子どもじゃない。こう言う危険なことは大人に任せておけばいいの」
「で、でも……」
「はい、話はこれでおしまい。帰るわ」
美香はジュースを飲み干して席を立ち、去り際にお金をテーブルに置いた。
店を出ると、
青年は徐に美香へと近付く。
「お前、裏切り者」
青年が頭部を割ってカマを出した。
美香は飛び退こうとしたが、壁にぶつかってしまう。
(やば! 不利かも)
前三方向を塞がれ、逃げ道を失う。
美香が死を覚悟したその時、新一の剣が青年の胸を貫いた。
青年は倒れて息絶えた。
「なかなかやるじゃない。あなたがいなきゃやばかったかも」
「やっぱりこれは手を組むべきだよ」
「そうね。いいわ、手を組みましょう」
その時、どこからともなく、男性の悲鳴が聞こえてきた。
「うわああああ!」
「行ってみましょう」
美香と新一は悲鳴の下へ向かう。
そこには人を食らっているパラサイトの姿があった。
新一の右腕が剣になり、美香の頭部が割れてカマが飛び出す。
「異色のコンビか」
パラサイトが二人に襲い掛かる。
二人は素早くかわして反撃した。
美香がパラサイトの気を引き、新一がパラサイトの首を撥ね飛ばす。
切り離されたパラサイトの頭部がミイラ化して死滅した。
美香は頭部を元に戻し、ミギーも手の形になった。
「長居は無用だわ」
二人はその場を離れる。
「新一くんはその右手の、ミギーとはどういう出会いだったの?」
「私がシンイチを乗っ取ろうと腕から侵入したが、失敗してこうなった」
「ふーん」
ところで──と、続ける美香。「明日、北海道へ行くんだけど、新一くんはどうする?」
「俺は学校があるから」
「そう。じゃあ勉強を頑張りなさい」
美香はそう言って新一と別れた。
その後を何者かが
「ただいまー」
帰宅する美香。
家の中は閑散としていた。
「って、独り暮らしで声が返ってきたら怖いわよ」
美香はそう一人突っ込みをしてリビングに移動した。