羽田空港。
北海道行きの旅客機に搭乗している美香。
やがて旅客機が飛び立ち、一時間ほどで北海道の千歳に着く。
着陸した旅客機から美香は降りた。
空港を出て近くのレンタカー屋で車を借りて目的もなくそれを走らせる。
暫くすると、木々が生い茂り、家もほとんど建っていないところへと入った。寄生生物が人を襲うには絶好の場所だ。
美香は子どもが一人、道端に立っているのを見付けた。
車を子どもの前で止める。
窓を開けて訊ねる。
「こんなところで一人で何してるの?」
「お家がどこか判らないの」
「そう、迷子になっちゃったんだ?」
「うん」
美香はボタンを押してドアの鍵を開けた。
「警察署まで送るわ。乗って」
その言葉に子どもがニヤリとほくそ笑んだのを美香は見逃さなかった。
(パラサイト。こんな子どもにまで……。殺意が強烈ね)
美香は気付かぬ振りをして車を走らせた。
そして、閑散とした場所で車を止めた。
「警察署へ行くんじゃなかったの?」
「降りて」
「うん」
美香と子どもは車から降りた。
「正体を見せたらどうなの? あなたが寄生生物であることを私は知ってるのよ」
「お姉ちゃん、何なの?」
美香は頭をカマに変えた。
子どもも頭がカマに変わる。
互いのカマがぶつかり合う。
カン!
キン!
美香は徐に間合いを詰めて子どもの股間を蹴りつけた。
「うっ!」
痛みに身を捩る子ども。
美香は隙を突いて首を撥ね飛ばした。
切り落とされた頭部がミイラ化して死滅した。
美香は車に戻り、その場を離れ、市街地でホテルを探した。
ホテルを見付け、駐車場に車を止め、ホテル内に入った。
受付で手続きをして部屋へと移動する。
美香は信号をキャッチした。
パラサイトがホテル内にいる。
美香は信号のある部屋へ急行した。
そこではパラサイトの男が女を食らっていた。
「赦さない」
「あ?」
振り返るパラサイト。
「見たな」
パラサイトのカマが美香に迫る。
美香はカマをかわし、パラサイトの懐へ潜り込み、胸を貫いて心臓を握り潰した。
「ぐはっ!」
倒れて死滅するパラサイト。
女の方はもう手の施しようがない。
美香は部屋を出ると、自室へと戻った。
「疲れた」
部屋を施錠してベッドに横たわって眠りに就いた。
暫くして、美香は目が覚める。
外は日が暮れていた。
コンコン──扉のノック音。
美香は扉を開けた。
廊下には二人の男が立っている。
一人が懐から警察手帳を出す。
「警察です。先ほどある部屋で遺体が発見されましてね、他の宿泊客が何か見てないか聞いて回ってるんですが」
「うーん、化け物が女の人を食べてるのを見ました」
「化け物?」
「おい、ひょっとしてあれじゃないか? 東京で噂になってるパラサイト」
「パラサイトか」
見たんですか?──刑事がそう訊く。
「はい」
「そうですか。他には何かないですか?」
「さっきまで寝てましたから」
「そうですか。では」
刑事たちは去っていった。
(バレる訳にはいかない)
美香は時間を確認した。
食事の時間だ。
美香は食堂へ移動して腹を満たした。