美香は二体のパラサイトから逃げていた。
追い掛けてくる二人の男。やつらがパラサイトである。
(冗談じゃないわ!)
美香は交差点を曲がり、塀を飛び越えて見知らぬ人の家の敷地内に隠れた。
二人組が交差点を曲がってくる。
「き、消えた?」
美香は正門から敷地を出て二人組の後ろに回り込むと、頭を二つの鎌に変えてやつらの首をはね飛ばした。
首を斬られたパラサイトは地面に落ちると干からびて死滅した。
「はあ……」
頭を戻して溜め息を吐く美香。
「おい、何をやってる!?」
背後からの声にその方向をチラ見すると、制服警官の姿があった。
「パラサイトが……」
「パラサイトだと?」
警官が遺体を見る。
「うわっ!」
あまりの
「君が倒したの?」
「いや、通りかかっただけです」
「本官には君の頭がカマのように見えたけど?」
「……………………」
「仲間割れ?」
「違います。私はパラサイトに脳を乗っ取られなかっただけです。パラサイトの能力が備わっただけです」
「どういうこと?」
「特異点……と言った方がよろしいでしょうか」
「特異点?」
「はい。人間でありながら、パラサイトと融合してしまった者のことです」
それより──美香は続ける。「おまわりさんは、人間ですよね?」
「当たり前じゃないか」
「それじゃ、私はパラサイト退治がありますので」
美香はそういうと警官に背を向けた。
警官の頭がカマに変わるが。
「うっ!」
警官の首が切れて落ち、干からびて死滅した。
美香が一瞬の早業で切り落としたのである。
「警官も頼れないわね」
美香はその場を離れることにした。
行く当てもなく街をぶらぶらと歩く美香。
「美香さん」
後ろから声をかけられ、振り返ると新一が立っていた。
「新一くん」
「ミギーが近くにいるっていうから来てみたんだ」
「そうだったの」
美香と新一は
「キミは先ほどから狙われすぎだぞ」
そういうのはミギーだ。
「好きで狙われてるわけじゃないわよ」
「それもそうだな」
一瞬の静寂の後、美香が口を開いた。
「新一くんの方はどうなの?」
「え?」
「パラサイト退治よ」
「最近、パラサイトが強くなってる気がしてね」
「知能も上がってきてるね」
「そうだね」
美香は後ろを振り返る。
「いるな」
と、ミギー。
「出て来なさい! いるのはわかってるわ!」
美香が怒鳴り散らすと、女が現れた。
「榊原 美香さんですね?」
「…………?」
「私、
「君も人間の時の記憶が」
「はい。戸惑いましたけど、私も人間として生きていこうと思いました。でも……」
「同種に狙われてる?」
「はい。それで助けてほしいんです。さっきも襲われて、命からがら逃げてきました」
「美香、そいつは敵だ」
「わかってるわ!」
美香は頭をカマに変えて宮崎の首を一瞬で削ぎ落とした。
パラサイトが落下して干からびる。
「行こう」
美香と新一はその場を立ち去った。