レオーネside
私は今驚いている。
いきなりエスデスが試合場に入ったかと思うと、懐から出した鎖とも呼ぶべきリードをコウタロウの首に装着したのだ。
「姐さん…」
「な、なんだよラバ?」
「……どうなってんだ?」
そんなこと言われても私が知るわけないじゃないか。先程まで私に笑顔とサムズアップを送っていたコウタロウは、必死に首輪を外そうともがいている。
「は、離してください‼︎俺なんかより次の試合に出るタツミって奴の方がいいですからっ‼︎」
ここからではよく聞き取れないが必死に抵抗しようとしているのだろう。だが、抵抗虚しくエスデスに気絶させられてしまう。気絶したコウタロウを引きずるように、エスデスはコウタロウを連れ去って行く。
「コウタロウッ‼︎」
「姐さん落ち着いてっ‼︎」
私はいつの間にか立ち上がり、コウタロウの名前を叫ぶ。隣に座っているラバが私を抑えようとする。
「でもコウタロウがっ‼︎」
「相手はエスデス将軍だ。今は引こう…」
分かった、と虚ろな声で私は返事する。
そんなことは私が一番分かってる。だけど…私のコウタロウが他の女に連れて行かれるのが気にくわないんだよ……。
2人の会話はあまり聞こえなかったが、何と言われていたのだろう。頼むよコウタロウ……。頼むから無事でいてくれ……。
レオーネside out
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コウタロウside
「知らない天jy「起きたか」…………」
ベッドで寝てたわけではないが、目を覚ますとこのセリフを言いたくなる。しかし邪魔される。
今の俺は、鉄の椅子に座らされ、そこを鎖で丁寧に拘束されていた。地味に鎖が食い込んできて痛い。辺りには、イェーガーズのメンバーが全員集合しており、熱い視線を送ってくるエスデスは、俺の横に立っている。
「先程も紹介したが、イェーガーズの補欠、兼私の恋人だ」
「何勝手なこと言ってんですかっ⁉︎」
しまった……。姐さんのご褒美に夢中で、エスデス将軍のことを完全に忘れていた……。本来ならばこんな役タツミに任せるのに…。
「市民をそのまま連れてきちゃったんですか?」
ナイスボルスさん‼︎いや、人格者だってことは知ってるけど、本当に常識って素晴らしい。
「文句あるのか?」
一蹴。
ちょ、ボルスさんも反応に困ってんじゃん……。
「部隊の補欠にするだけじゃない。……感じたんだ。コウタロウは、私の恋の相手にもなるとな」
もうダメだ。ごめんみんな、姐さん……。俺、帰れそうにないや。今頃ナイトレイドの皆はどうしてるのかな?助けに来てくれるのかな?ご飯ちゃんと食べてるかな?なんて、涙を流していると、首輪が外される。ウェイブとランさんのおかげだろう。
「あの〜、気に入ってくれたのは嬉しいんですけど、そろそろ帰ってもいいですかね?」
「ダメだ。お前はこれから一生私と共に生きるのだ」
デスヨネー。
「いや、でも宮仕えする気はないですし……」
「ふふっ、言いなりにならないところも染めがいがあるな」
何を言ってもこの人には無駄だ。
分かっちゃいたが、今更になってようやく理解する。
「まぁまぁ。いきなりすぎて混乱しているのでは?」
よしよし、と俺の頭を撫でるのはセリュー。あばばばばば。ば、バレてないよね?一ヶ月程前だったが、あの時の俺はアギトに変身していたため顔は恐らくバレてない。
「私はセリュー・ユビキタスです。1度会ったのを覚えていますか?」
正確には2度だけどね。
でも、2回目は本当に怖かった……。トラウマなんだけどな…。
「エスデス様!ギョガン湖周辺の調査が終わりました」
と扉を開けて報告してくる兵。
「ふむ、丁度いい。これからギョガン湖近くの山賊の砦を奇襲する。出陣する前に言っておくが、一人数十人は倒して貰うぞ。……それでは出撃!行くぞコウタロウ‼︎」
よっしゃ‼︎よく分からないけど俺達の戦いはこれからだっ‼︎
ちょっとゲスいコウタロウ。
そして物語は最終局面へ……
※嘘です。
次話は22時くらいに投稿します