「え、えげつないですね……」
ギョガン湖周辺の山賊の砦を奇襲しているイェーガーズメンバー。ナイトレイドと同じように一人一人が帝具持ちだ。皆それぞれ自身の帝具を活かし山賊達を葬っている。一方的過ぎて山賊が可哀想になるレベル。
そのイェーガーズのお掃除を俺とエスデスは見晴らしのいい場所から観察していた。
「コウタロウ…お前はなかなか実力がある。だが、まだ成長途中だ。だから私が育てる」
「いや〜、遠慮しときますよ」
俺はタツミと違って主人公補正は0だ。この人の訓練とか生きて帰れる気がしないし。
「拒否権はない。……それに、誰かを好きになるというのは初めてなんだ」
頬を赤らめ、目を閉じるエスデス。
根はいい人……なんて事はないが、これでもタツミが革命軍に勧誘したくらいだ。確かに、今のエスデスは恋する乙女のようだ。……まぁ、恋する乙女は恋人に首輪とかつけないのだが。
「そ、そうですか……」
今は逃げれそうにないな。確かタツミは、狩りの帰りに隙を突いて脱走したよな。という事は、それ以外に脱出するチャンスはない。どうせすぐには帰れないんだし、それまでイェーガーズライフを楽しむとするかな……。
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夜。帰還が少々遅れたとはいえ、エスデスはシャワーを浴び出した。そこまでは普通なのだが、問題はそこ『から』だ。
『そうだコウタロウ。私はこれからシャワーを浴びてくる。そこのベッドで待っていろ』
待っていろって、童帝の僕に言われましても…。いや、進めと言われるよりいいんだけど。
キユっと栓を締める音が聞こえた。もうじき戻って来るだろうな。や、やべぇ…。これからエスデスの誘惑が始まるわけだが、耐え切れるのだろうか。姐さんに純潔を捧げるって誓ったしな。
「待たせたな、コウタロウ」
バスタオルで髪を拭きながらエスデスはやってくる。胸元を大きく開いたシャツだけ着ており、下着の類は何も身につけていない。それだけでも鼻血が噴き出すのだが、髪につく、まだ乾かせていない水滴がより色気を漂わせる。
「何か飲むか?」
「い、いや、大丈夫です」
ベッドに座っている俺の横に腰掛けるエスデス。あろうことかこのベッド、枕が二つ寄り添うように並べられていた。いくらこのベッドが広いからって、俺と寝ること前提かよ。
「…あの〜、やっぱりエスデスさn」
全てを言い終わる前に、俺の口はエスデスの唇によって塞がれた。初めてのキス。そのまま押し倒される。エスデスの唇は、風呂上りもあってか、俺の唇よりみずみずしい。
「……何か、言ったか?」
「……な、なんでもないでしゅ」
離された唇から吐息交じりのエスデスの声。俺は動揺しすぎてまともに呂律が回らない。
頼むからもってくれよ俺の理性‼︎
話を戻すが、この人を革命軍に誘っても無駄だ。それは知っている。問題はどうこの誘惑に耐え切れるかだ。
「コウタロウ…。私はな、こういう事は初めてなんだ。処女なんだよ。……その、恋人となる以上、そういうこともするのだろう?私が処女なんだ。もちろんお前も童貞だよな?」
「ど、どどどど童貞ちゃうわ‼︎」
「……なんだと?」
あ、やべぇ。童貞かと聞かれて、ついクラスメイトに答えるノリで答えてしまった……。
今までいいムードで、赤かったエスデスの頬も、別の意味で赤くなる。これ、詰んだかな?
「ほう、私は愛人など作らんし浮気もせん。こんな私がいるのに、お前は他の女と乳繰りあっていたのか?」
助けて姐さん‼︎この人僕をいじめるぅ‼︎
エスデスの纏うオーラは怒りからやがて殺気に変わる。
「……コウタロウ。お前の好きな女は誰だ?そいつを今すぐ殺す。」
好きな人を殺すって……。そんなの言うわけないだろ。
でも、待てよ?俺の好きな人って……。ナイトレイドのメンバーは皆好きだし、スピアだって好きだ。ずっと訓練している姐さんだって好きだが、どれも恋愛的にとは言い難い。
好きな人、か……。
「すいません、童貞じゃないってのは嘘です」
エスデスとの会話中だったとことを思い出し、弁明する。今言っても許してくれるかな?
「……ふっ、そうだよな。コウタロウは私と一緒に階段を上るんだ。冗談でなければ本気でお前の女を殺しに行っていたぞ」
ハハハと、乾いた笑い声で返す。笑顔へ戻ったエスデスだったが、殺気は消えなかった。
「ちょっと、俺もシャワー浴びてきます……」
こんな場所には1日でも居たくない。命がいくつあっても足りはしない。俺は無理を言ってシャワー室へと歩いて行った。
さて、次回はなんと、あの人がキャラ崩壊します‼︎
是非、お楽しみくださいっ‼︎