そんなことより、ちょっと息抜きでISの作品書いてみました。是非そっちも読んでみて下さい!
けど安心して下さい!ちゃんとこっちを優先しますんで!
あの覗きから数日。俺は今、皆の昼飯を作っていた。隣ではアカメがスーさんと釣ってきた魚型の危険種を捌いている。
「……ねぇ、コウタロウ」
「ん?どうしたんですかチェルシーさん?」
俺に声をかけて来たのはチェルシーだ。あの覗きから数日経った今でも、彼女と顔を合わせるのは少し抵抗がある。しかし、一体何の用だろう。わざわざ調理中に、しかもお互い気まずい空気なのに俺に自分から話しかけるとは、きっと重大な用なのだろう。
「……あのね…私に、料理を教えて欲しいんだけど……」
驚いたな。まさか、チェルシーが俺に料理を教えて欲しいだなんて…。まあでも、このナイトレイドのメンバーで料理がしたいだなんて言い出しそうなのはチェルシーくらいしか居ないだろう。姐さんとか絶対面倒くさがりそうだし。
「はい!全然いいですよ!何作りたいんですか?」
もちろんOKでしょ。というか、断る理由がない。
「えっと、そうね……簡単な奴がいいわ」
恐らくチェルシーは料理の素人だろう。なら、素人に教えるって言ったら、アレしかないだろう。
「卵焼き、とかですか?」
「アンタ馬鹿にしてんでしょ⁉︎そこまで素人じゃないわよ‼︎」
顔を赤くし、予想より大きな声で返すチェルシー。結構ナメてました…。
「そうですね……。パスタとかどうです?今日の昼も、ちょうど作ろうとしてたんで!」
「いいわねー。餡子パスタとか美味しいそうじゃない?」
「……っいや、あー……うん」
「普通のパスタにするわよ!」
餡子パスタって……。どうやらチェルシーは発想が独創的らしい。と言うか絶対美味しくないだろ。
「じゃあ、まず手を洗ってください。そんで、最初にソースを作ります。取り敢えず、挽肉を刻み、湯がいたトマトと……」
そこからは俺が手取り足取り、チェルシーにパスタを教える。発想が独創的だが、なかなか調理に関しては伸び代を感じた。その中でも、包丁捌きは別格で現時点でも俺と変わらないレベルだった。
ソースが完成し、達成感と共に椅子にへたばるチェルシーに、パスタを茹でろと指示する。嫌々ながらも、どこか嬉しげにそれに応え、鍋にパスタを落としていく。
「おっ、今日はパスタか〜」
「お帰り、姐さん!」
玄関を開け、帰ってきたのは姐さんだった。匂いで料理を当てるとは、相当お腹が減ってるらしい。
「って……何してんのチェルシー?」
「何って、コウタロウに料理教えて貰ってるけど?どうかした?」
「なっ……、抜け駆けか⁉︎コウタロウは私のモノだぞ‼︎」
「まぁまぁ落ち着いて2人とも」
喧嘩になりそうな空気を濁すべく、俺は2人の間に割って入る。
「何だよコウタロウまで!……おい、私も混ぜろ!」
「へ?」
「だから私にも料理を教えろって言ってんだよ‼︎」
いや、姐さん料理絶対できないでしょ〜……なんて言ったら間違いなく殺される。うん、間違いなく。まあ、ここはご機嫌取っといて、飽きるのを待つしかないか。
「分かったよ。パスタでいい?」
おう!と鼻息を荒らしながら答える姐さん。だめだ、この人包丁とか握ったことあんのかな?
「じゃあ、チェルシーさんは2回目だけど、おさらいとして聞いといてください。まずは……」
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「いただきます‼︎」
皆が声を合わせる。皆の前には、それぞれパスタと魚のホイル焼きが一皿ずつ存在する。
「……何でコウタロウだけ3皿もあるんだよ⁉︎」
ラバックかタツミか発した言葉か分からないが、今の俺の心の代弁はまさにそれだ。
あの後、何とかパスタを作り終えた2人は、自分が作ったのを俺に食べて欲しいとねだった。嬉しくはあるのだが、流石に食べきれない。せめて俺が作ったのを2人で分けて食べて欲しいとお願いする。それにより、一皿減り、俺の負担も減るが……ハッキリ言ってそんなのどうでもよかった。
「……」
一皿、明らかに一口でも食べたらいけないオーラを醸し出しているパスタがあった。紫色のミートソースに、べちゃべちゃのパスタ。禍々しく湯気を立てているこの作品は、間違いなく姐さんの料理だ。
(……これ、食っても死なないよね?)
一方、チェルシーの料理の見た目は普通で、いかにもといったパスタだ。2つを並べてみると、チェルシー作の方は三ツ星レストランに出てもおかしくない風に見えてくる。
「……いただきます」
まずは、フォークでチェルシーのパスタに巻きつける。何か言い方がアウトっぽいが気にしない。ミートソースに絡ませ、口に持っていく。
ごくり、と飲み込みチェルシーの方を向く。
「うん、普通に美味しいですよ!チェルシーさん、結構お料理上手なんですね!」
「やった‼︎」
チェルシーは俺の言葉に安堵の息をつき、そして飛び上がるように喜ぶ。……はい、問題は姐さんです。俺がチェルシーを褒めたことが気にくわないのか、ジト目でこちらを睨んでくる。
「次は私のヤツだぞ」
分かってる……分かってるけど…。俺は涙を堪え、その禍々しいオーラを放つ物体Xを口に放り込む。ゆっくりと口を閉じ、ソレを咀嚼する。
(……あれ?普通に美味い?……いや、結構美味いぞ⁉︎)
人は見た目によらないとは言うが、どうやら料理も見た目によらないらしい。
姐さんに失礼な思い込みをしていたことを詫びるため、口を開こうとする……が。
今気付いたのだが……俺の身体は浮かび上がり…否、どうやら俺の意識だけ浮かび上がり、魂の抜けた身体は、泡を吹きながら皆に看病されていた。
いや〜、お久しぶりでございます。
GW、皆様どうお過ごしでしたか?
私は家の敷地から一歩も出ておりません。