久々すぎておかしい所があるかもしれませんが、その時は感想欄に書いて頂けるとありがたいです
レオーネside
コウタロウが私達を逃す殿を務めた、そう聞いた私は、一瞬で頭が真っ白になった。今も報告をしているスーさんの声も、全然頭に入ってこない。
「…助けに行かなきゃ!!!」
気づいたら私は、声を荒げて駆け出していた。
「待て!落ち着けレオーネ!!」
ドアを開けようとしたら背後からボスに羽交い締めされる。振りほどこうと抵抗しようも、ボスの締めは私では抜け出せない。
「離せよボスッ!!助けに行かなきゃ、コウタロウを助けに行かなきゃ!!!」
「ラバック!クローステールを!はやくっ!」
「…り、了解!」
「離せつってんだろ!!!コウタロウが!コウタロウが……」
ラバックの糸で身体に食い込むほどに拘束されてしまっては、流石にライオネルを発動させて引きちぎろうとしても無駄だった。
クローステールを引きちぎるのを諦める。ボスを睨みつけると、ボスは一瞬悲しそうな顔をして深い息を吐いた。
「あの場には、エスデスとクロメ、またイェーガーズや警備隊も居た。いくらコウタロウでも、もう生存は絶望的だろう…」
「でもっ…!」
「お前だって分かるはずだ。私達はあくまで殺し屋。職業柄、いつ報いが帰ってくるか分からないし、仲間が死ぬ事だって少なくないんだ。悲しいのも分かる、認めたくないのも分かる。しかし、明日は我が身だ。悲しみに暮れる暇などない」
ボスの声が頭の中でズシンと響く。それと共に、以前、コウタロウとの会話が走馬灯のように浮かび上がってくる。
それは、コウタロウがイェーガーズに捕まる前の事だった。
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コウタロウはアジトの敷地内に、菜園を作っていた。手間暇掛けているようで、私は暇つぶしにそこで作業を手伝ったりした。そこには、トマト、茄子、きゅうり、などといった一般的な野菜が作られていて、アカメや野生動物に食べられないように柵も張ってあった。
「そういやコウタロウって、野菜作る時めちゃめちゃ楽しそうだよなぁ〜。お姉さん暇つぶしでしかそういう面倒くさいの嫌だなぁ」
私が気だるげに種を蒔きながら話しかける。野菜作るのって、手入れが面倒な上、すぐ腰痛くなるから一人じゃ絶対しない。
「まあまあ、そんな事言わないでさ。それより、いいと思わない?野菜が育つのって」
いつもの爽やかなんだかヘラヘラなんだか分からない笑顔でコウタロウが尋ねる。
「え、何で?」
「俺思うんだけどさ、世の中いろいろあるけど野菜は育つっていうか…」
うーん、言いたい事は分かる気がする。
「なんかさ、ここの野菜が育つうちは、世の中捨てたもんじゃないって感じがするんだ。だから…」
「…だから?」
「俺に何かあったら、ここの野菜の世話、姐さんにお願いしてもいいかな?」
急に真面目になるなんてコウタロウらしくなかったけど、まあいいかな。私もここの菜園が荒れるのは嫌だし。
「って、急にそんな辛気臭くなるなよ!野菜が不味くなっちまうだろ?ほれ、酒でも飲んで騒ぐぞ〜!」
ガシッ、とコウタロウの頭を腕でホールドしてキッチンに連行する。
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「まあ、あいつが決めたことだ。何か考えがあったのかもしれない。ただ、コウタロウの無念の分も必ず革命を成功させなければならない。それだけは忘れてはいけないことだ」
拳を握り締めたボスは、私をゆっくり諭すように言った。
分かったよコウタロウ。あの菜園と野菜達、私に任せろ。お前が居ない世の中なんて嫌だけどさ、頑張るよ。面倒くさいけど、荒れないように、アカメに食われないように頑張るからさ、私のこと見ててくれよ。
「コウタロウは生きてるわ」
突如として聞こえてきた声の主は、チェルシーだった。
「コウタロウは死なないわ。きっと生きてる。きっとあのバイクとかいう乗り物で逃げ延びたはずよ」
「チェルシー…」
力強い声だけど、挙動不審というか、いつもより明らかに様子が違った。肩と声が震えていてとても弱々しく感じるが、それでいて強くあろうとする何かも感じる。チェルシーもまた、コウタロウが死んだことを認めたくないのかもしれない。
「だって、今度またバイクに乗せてくれるって!ドライブに連れてってくれるって言ったの!!!」
嗚咽がこみ上げたチェルシーは、とうとう涙を零した。
「っ!!!」
その涙を見て、私も我慢の限界がきた。人の涙というものは、きっと他の人の涙も誘うのかな。
「泣くなよチェルシー。……そうだもんなぁ!生きてるもんな!あいつは絶対生きてるもんなぁ!!!」
拘束を解かれ、私は泣きながらチェルシーを抱きしめた。
きっとそうだ。コウタロウは生きてる。私もそう信じたい。
だけど、今は二人でただ泣くことしかできなかった。
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帝都の町外れの小さな病院。
そこの診察室で二人の初老の男が話し合っていた。一人は白衣を着た男、もう一人はエプロンを纏った男だった。
白衣を着た男が立ち上がり言った。
「最近できた新しい特殊部隊の理不尽な取り調べのせいで、重症の怪我人が搬送されてくるのが多くなったんだよ。おかげで入院用ベッドは満員空き待ち。困ったもんだよ。」
「相変わらず話が長いぞ、まったく。で、要件は何だい?」
「あっ、うん、そうだねぇ…。実はね…」
白衣を纏った男は、苦虫を潰したような表情で続ける。
「ある患者が居てね。搬送されてきた時は酷い怪我で入院させてたんだけど、結構回復が早くてさ。もう大方治ったんだけど、その患者、記憶喪失みたいでさ。少しの間でいいから引き取って貰えない?」
「えっ、引き取って貰えないってそりゃあ…」
「いきなりで申し訳ないんだけど頼むよ!一つでも多くのベッドを空けなきゃいけないんだ!」
そう頼み込まれたエプロン姿の男は、はぁ…と、ため息をついて承諾した。
忙しかったりやる気になれなかったりと、まあ全然書いてなかったのでリハビリですね。申し訳ありません…
それと、投稿ボタンを押す時とか、めちゃめちゃ緊張して怖いんですよねぇ…
そんなこんなで今度から気が向いた時に投稿します。できるだけ気が向くように頑張りますけどね。
そして最後の記憶喪失の患者……いったい誰なんだ?(すっとぼけ)