小指を魚の口に入れた状態で俺は首を傾げる。
「……う〜ん。このコウガマグロ、ちょっと鮮度が落ちて来てるからハンバーグにしない?素揚げにしても美味しそうだし」
「なんで分かるんだよ⁉︎」
いや、なんとなくだし。
でも、こう……分かるんだ。新鮮かどうかってね。
おい、誰だ地味な特技とか言った奴。
「ならこっちは⁉︎こっちの鮮度はどうなんだ⁉︎」
アカメは普段の会話よりも興奮気味に俺に話しかける。流石アカメ。
皆がどうでもいいような特技を気にいるなんて。
そんなマイペースぶりにシビれる!憧れるゥ!
「…ん、こっちはいいね。早く三枚に下ろそうか。」
結局俺は全てのマグロを選別する。
この特技は本当のアギト、津上翔一の特技であったりする。
タツミは自分の獲ったマグロが全部ハンバーグ行きになったのにひどく落ち込んでいた。
「まさかこんな地味に便利な特技があったなんて、おねーさんビックリしちゃった。」
「ハハ、ありがとう姐さん。ハンバーグ大きくしとくよ。」
「さっすが!将来はおねーさんのトコに来いよ‼︎」
OK。
なら俺の純潔は姐さんに捧げよう。
そんなくだらないことを思いながら俺はハンバーグをこねるのだった。
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「レオーネ、数日前帝都で受けた依頼を説明してくれ」
時は変わって夜。
夕食も終わり皆は席でお茶を啜っている。
………そろそろ初任務か。
「標的は帝都警備隊の隊長オーガと油屋のガマルって奴だ。事実確認は済んでるよ」
ドサっと依頼金をテーブルの上に乗せる。
「その人、よくこんなに貯めたな」
「……その人からは性病の匂いがした。身体を売り続けて稼いだものなんだろう」
タツミは唇を噛み締める。
きっと皆だってそうだ。そのやるせなさや悔しい想いを力に変えるんだろう。
「……よし、我々ナイトレイドはこの依頼を受ける。悪行無動の屑共は新しい国に要らん。必ず天罰を下せ」
ボスも依頼を受ける気になったのだろう。オーガとガマルか…。
「ガマルを殺るのは簡単だけど、オーガはなかなかの難敵だぞ。普段は見回りに出ていて、それ以外は警備隊の詰め所で暮らしている。
狙うなら非番の日だ」
「よく分からねぇが、マインが帰るまでに俺達でやり遂げようぜ!」
タツミはマインへの対抗心なのか、机を叩き立ち上がる。
「…ほぅ。お前がオーガを倒すと言うのか?」
ほらきた。
その場のノリと空気だけでモノを言うとすぐこれだ。
俺は前世で嫌と言う程経験したからな……。
「今のお前では無理だ。死ぬぞ。」
アカメは初任務から帰って来ない以上トゲのある言い方をする。
またそこが可愛いんだが。
「なら、コウタロウも行けばいいじゃん。コイツ結構強いんだよ〜」
……姐さん?褒めてるのは嬉しいけど、余計な事は言わないで欲しいな。
「決まりだな。……タツミ、コウタロウ。お前らでオーガを消せ」
「了解っ‼︎」
「分かりました!」
決まったんなら殺るしかないな。
原作ではこの任務で死亡者は居ない。なら気をつけるのは俺か。
「アカメとレオーネは油屋を頼む」
「「了解!」」
その後、俺はキッチンに戻る。明日の仕込みをしないとな。
食堂ではアカメがタツミに説教してるが、俺は抜けてきた。
……初任務か。
タツミに任せてもいいかな?
と言うことで、オーガ戦はコウタロウは見てるだけです。
タツミの成長の邪魔をしたらいけませんし……
(戦闘模写が面倒くさいなんて言えない……)
それでは次回もよろしくお願いします!