プロデューサーさんに担当してもらえることになって、まゆはとても幸せです。
幸せなのですが……
「ね~プロデューサー。一緒にカフェ行こうよ~。ほら~お仕事なんてあとにしてさ~」
「Pチャン!! みくのお弁当にお魚入れるのはやめてって言ったにゃ! お昼ご飯何も食べられなかったにゃ~。だ、だから……責任とって一緒にハンバーグ食べに行くにゃ!!」
「な、なぁ親友。い、一緒に……キノコ鍋とか……どう?」
「…………」
「プロデューサー、今度の週末時間ある? 私のロックの新境地を見つける為に、一緒にライブ行かない?」
「ね、ねぇプロデューサー。 今週末に、新しいホラー映画が上映されるんだけど……い、一緒に……行こう?」
「プロデューサー! ナターリアと一緒に、くやくしょ? に行くネ!」
「…………」
まゆのプロデューサーが、事務所のみんなから猛アプローチを受けていました。
「う、うふふ……ふふふふふふふふふふふふふふ」
「うわーっ! まゆちゃんすごーい! 何かオーラ? みたいなのが出てるよー!!」
この事務所は、とってもにぎやかでした。
でも、プロデューサーさんと話せる機会は少なくて。
「せっかくアイドルになれたのに、全然プロデューサーさんと話せてない……」
と、一人で事務所のソファーで膝を抱えていたら。
「まゆちゃんは本当にプロデューサーさんが好きなんですね」
と、ちひろさんが話しかけてきた。
「でも、プロデューサーさんは私だけのプロデューサーさんじゃないので……仕方ありませんね」
自嘲気味に笑う。
「これは事務員の独り言なんですけど……実はですね」
と、ちひろさんが語りだした。
「プロデューサーさん、既に担当しているアイドルが8人もいて、苦笑いで忙しい忙しい、って言ってたんですよ」
「でも、まゆちゃんがここに来る前の日に――」
「どうしてもウチにスカウトしたい、というか俺がプロデュースしたい子を見つけたんで明日どうにかしてスカウトしてきますね!! 、って」
「あまりにも嬉しそうに言ってくるので、もしかして一目惚れですか? って聞いたんですよ」
「そしたら、……そうですね一目惚れですね! 、って言ってたんです」
「プロデューサーさんが、そんなこと……」
あの一目惚れは、私だけのものじゃなかったんだ。
なぁんだ、じゃあプロデューサーさんは最後には私だけを見てくれるよね?
「うふふ、ふふふふふふふふふふふふ……」
「それじゃ、まゆちゃん。お仕事がんばってね」
「はぁい、ありがとうございます」
明日からも、頑張れそうです。