MUV-LUV ALTERNATIVE 救世主になれる男   作:フリスタ

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エイプリルフールとかいう日ですがネタとか何もなく平常運転です。




04

Side ???

 

顔に大きな傷のある歴戦の勇士の顔を見せているその男は、数枚の書類を見つめていた。1枚、また1枚と読み進めていく早さはまるで流し読みしているのではないかという早さだが、何度も読み直している文面だ。当然のことながら、何度読み直しても内容は変わるはずもなく、その男、巌谷(いわや) 栄二(えいじ)は書類を机の上に置いた。

 

書類の内容はいたってシンプルだ。ただそれを長々と引き伸ばして書いたに過ぎないものだ。基本的に文章とはそういうもので、一枚ですむ内容も複数枚に及ぶことは、どの世界でもよくあることだ。そして、巌谷が何度も確認したのは仕事上の癖的なもので、別段これといって問題を感じさせるものではなかった。

 

コンコン

 

「入りたまえ」

 

「失礼します。お呼びでしょうか中佐」

 

「まぁ、そう硬くなりなさんな。唯依(ゆい)ちゃん」

 

巌谷は入ってきた女性に親しく笑いかけながら、内容を伝え始めた。

 

「横浜基地で面白そうなことが起こっているようだ」

 

「面白そうなこと?」

 

「確認してみたが、凄腕衛士で技術開発顧問で中佐だそうだ」

 

「はぁ……?」

 

いきなりの話に要領を得ない女性は。(たかむら) 唯依(ゆい)。日本の譜代武家出身の女性士官であり、日本帝国斯衛軍の装備実験部隊「白き牙中隊(ホワイトファングス)」の中隊長で階級は中尉だ。唯依は書類を渡されて読み進めていく。

 

「……私が横浜基地へですか?」

 

横浜基地。極東の魔女と謳われる香月夕呼がいる基地だ。周りからの目は冷ややかなものの、唯依自身としては香月夕呼の考え、行動には賛同的であった。何も知らない人間から見れば確かに利益を求める人間に見えるかもしれない。しかし、唯依からすれば純粋に日本だけではなく、世界からBETAの脅威を排除するために動いている人間に映ったからだ。しかし、それもあくまでも聞いた話を憶測でまとめた考えに過ぎない。だが、各国と無茶な取引をすることもある魔女のことが、深く考えると理に適っている点が多く見える気がするのだ。

 

唯依は更に読み進めると、先ほど巌谷が言った内容と思わしき文面が目に入ってきた。

 

「―――海堂正樹中佐。最近の配属ですか」

 

文面を見る限り、「最近の配属で右も左も分からないから補佐が欲しい」という内容が書いてある。それなら同じく横浜基地の人間で良いではないか? と唯依は腑に落ちない点も感じるが、命令ならば軍人である以上、行くだけである。

 

「写真などは無いのですね」

 

「色男だと良いな?」

 

「叔父様っ!」

 

巌谷は豪快に笑い飛ばして続けた。

 

「唯依ちゃんが横浜基地に行く代わりに、魔女さんが色々とよろしくしてくれそうだからってのも一つの理由ではあるがな。……頼んだぞ、篁中尉」

 

くだけた話し方を最後だけは軍人らしく止め、巌谷は唯依を見送った。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

「……さ……中佐……海堂中佐」

 

「ぅぅ、もう大盛しか食べれません~……」

 

「結構食べるんですね? じゃなくて、起きてください中佐」

 

「はぅ? (ポリポリ)……ピアティフさん?」

 

「はい、おはようございます中佐。こんな所で寝てたんですね。探しましたよ」

 

あ、寝オチをしてしまったのか。いかんいかん。

俺はあれから何日間かずっとプログラムを構築していた。XM3はほぼ完成といって良いだろう。後はハード面を変えて、実験すれば実用化できるところまで来ている。あとで夕呼先生のとこにも持って行こう。

 

「ふぁ~ぅ、くぁ~……何か用ですか~?」

 

俺は長い欠伸をしてピアティフ中尉に向き直った。

 

「香月副指令より、『A-01部隊のことも忘れずに』とのことです」

 

「忘れてはいないですけど……今いるんですか? この横浜基地に?」

 

原作だとココ、横浜基地がBETAに奇襲を受けた時ぐらいからしか見てないからそこら辺が分からない。

 

「大体、演習場で訓練をしているか、シミュレータデッキでの訓練。あとは……ミーティングをしていることもありますね。何かあれば香月副指令からの指示によって任務に出る事もありますが」

 

「へ~。でもまだやること片付いてないんで……あ、そうだ。A-01部隊の戦闘に関する動画とか、データ見れます?」

 

「香月副指令に聞いておきます」

 

「じゃあ、ソッチはその記録とかを見た後で対応します」

 

「了解しました。それと」

 

「はい?」

 

「朝食に行きませんか?」

 

「ん~寝起きでお腹減ってないんで、俺はもう少ししてからでいいですよ。お先にどうぞ?」

 

ポキッ

(ん? 何の音だ?)

 

「で、では また後ほど寄らせていただきますので、失礼します」

 

シュィーン

 

※ それは、ピアティフ中尉が持っていたペンなどが折れたとか、そういう単純な事ではなく、実際には聞こえるはずの無い、【フラグ】の折れた音だった。

 

 

 

 

遅くなってPX。

俺はシロとクロを連れて、朝食終了ギリギリでPXにやってきた。

 

「こんな時間に一人ご飯を食べる。何と寂しきことか……」

 

「マサキちゃんじゃないか、こんな時間に食べてて大丈夫なのかい?」

 

食事を取りに来た俺に飯をよそってくれるのは京塚曹長だ。民間人だが戦時特例法により、臨時曹長という階級になっているが、あくまでも食堂のおばちゃんだ。上も下もない京塚のおばちゃん。この周辺の廃墟が、廃墟になる前に、【京塚食堂】とかいう名前の店を経営していたようだが、この前見たとおり、周辺は廃墟だらけ、まともに立っている建物なんて一つも無い。今では基地のみんなの肝っ玉母ちゃんのような存在だ。俺も数回しか会ってないのに覚えられてしまった。

 

「マサキちゃんは止めてくださいって、男ですから俺。まぁ、みんなとする仕事が違うからずれちゃうんですよね~食事の時間」

 

「そうかい。何をやってるんだい? 衛士じゃないのかい?」

 

「一応は衛士ですけど、その内にでも整備も技術開発もすることになってます」

 

「偉いんだね~。はいよ大盛りね」

 

どんっ! と 出される量は特盛サイズ。あ、食欲が減ってきたぞ?

 

「残すんじゃないよ? シロちゃんと、クロちゃんはこれね」

 

あいあいさ~。

俺は残りモノで作ったらしいシロとクロの飯も貰い、1人と2匹で食べ始めた。

 

そういえば、俺って技術開発部とかの人知らないぞ? 紹介してくれないと始まらんぞ? そもそもどこに行けばいいんだよ?

 

「とりあえず後で夕呼先生のところに行くか」

 

「止めといた方がいいんじゃニャい?」

「オイラもそう思うニャ」

 

「何でだよ?」

 

「「迷うから」」

 

何回か行ってる場所だぞ? 流石に覚えてる。

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が俺にもありました。

 

「……やっぱりニャ」

「自信満々だったから任せたけど、やっぱり案ニャイは必要だニャ」

 

俺は何とか飯を完食し、夕呼先生の下へ向かおうとしていた。しかし、もう30分以上歩き続けているが全く辿り着かない、それどころか見覚えのある場所にも出れずにいる。仕方がないから誰かに会ったら案内を頼もうと思ったが、誰にも会わない。

 

「これは、もしかして……俺を先生の下へ辿り着かせまいと、基地が変形をしているのか!? 何という巧妙なトラップ!!」

 

汗を拭う仕草をする俺に後ろから聞こえるように話している2匹の猫がいる。

 

「単に迷ってるだけだニャ。変形するわけニャいニャ」

「いい加減、方向音痴だって認めろニャ」

 

 

 

更に歩き続けること、2時間ほど。

さっき食べたばかりな気がするが、次の昼飯の時間になっていた。

 

「もう良いんじゃね?」

 

「ニャにが?」

「諦めても帰れニャいんじゃ……?」

 

俺は窓の外を見る。

2匹のネコは俺の考えを即座に読み取ったようで、飛び掛ってしがみ付いてきた。

 

「あぶニャいニャ!」

「マサキ止めるニャ!」

 

「良いからしっかり掴まってろよ?」

 

「わっ!? 何をしてるんですか!?」

 

「うわっ! って、まりもちゃん?」

 

「まりもちゃん!? ……確か海堂中佐でしたね。なぜ窓から飛び降りようとしてるんですか? ここは3階ですよ?」

 

目の前で人が飛び降りようとしていた驚きと、「ちゃん」付けで呼ばれたことに様々な考えを巡らせながら神宮寺軍曹は俺に質問を投げかけた。どうやら、シロとクロが喋ることはバレてないタイミングだったようだ。

 

「丁度よかった。副指令の部屋まで案内してくれませんか?」

 

「博士の? 何度か行っているのでは……。え、もしかして……」

 

どうやらさっきの行動と結びついたようだ。

 

「……迷子です」

 

まりもちゃんは頭に手をあて、「コチラです」と案内してくれた。

 

「訓練中だったのでしょうか? すみません」

 

「いえ、射撃訓練が終わり、次の教習の準備でしたので」

 

タケルは原作通り超人的な姿を部隊のみんなに広めたのだろう。

 

 

 

まりもちゃんは部屋の前で「次の訓練の準備があるので」と言い残し、戻って行った。

 

シュィーン

相変わらず書類の山に囲まれた夕呼先生は余裕を持って迎えてくれた。

 

「あら海堂、どうしたの?」

 

「俺って、まだ整備兵のみんなと会ってないんですけど、どこに行けばいいんですかね?」

 

「XM3ってやつは完成したの?」

 

「一応ってところですね。とりあえず、バグ潰しとかもしたいので、戦術機を借りて動作チェックに入ろうかと思うんですけど、あ、資料はまた今度持ってきます」

 

「……うそ。本当に終わったの!? 確か内容を詳しく聞いたときには、今のOSから30%ぐらい性能が上がるって言ってたやつよね!? 数日で終わるものなの!?」

 

「あぁ~いえ、OSだけです。CPUとかも変えないと処理が間に合いませんから、とりあえず一応です。一応」

 

「そう、まぁ丁度よかったかもしれないわね。紹介したい人材も早めに届いてるから」

 

ん? 人材? 届いてる?

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side タケル

 

「―――よし、今日はここまで、解散!」

 

「―――敬礼!」

 

射撃の訓練が終わった。

 

「―――さて、昼飯行こうぜ? もう死にそうだ。……あれ? みんなどうした? メシ行かないのか?」

 

俺は腹ペコでPXへ歩き出そうとするが、皆が着いてこない。

 

「……そなたが今更どのような実力を発揮しようが、驚きはしないが」

 

あぁまたさっきの射撃訓練の話か。俺は長距離射撃をやってみてくれと言われ、850メートルの狙撃をやってのけた。この部隊で射撃に関しては右に出るものはいないタマより凄いことはやってないが、みんなはそれが引っかかるらしい。

 

「……白銀、兵役の経験あるんじゃないの? つい最近入隊した人間が、何でも普通以上にこなせるなんて、さすがにおかしいわよ」

 

委員長も冥夜と同意見……というか彩峰もタマも同じようだ。

 

「と、とにかく腹が減ってるから、先にPX行ってるぞ」

 

俺は逃げるようにPXへ急いだ。質問攻めにされるのは敵わない。

 

 

 

「きゃっ!」

 

「うおっと……すまん。前見てなかっ……た」

 

そこにいたのは鎧衣美琴。俺たち207小隊の入院中の美琴だった。

 

「あぁそうだ! ボク教官のところに行かなくちゃいけなかったんだ!」

 

そう言って美琴は去っていった。

 

「……まぁ挨拶はまた後でで良いか」

 

ともかく、これで全員そろった。早くみんなで衛士になるんだ。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side マサキ

 

俺は強化装備に着替えるように言われ、夕呼先生に連れられて、シミュレーターデッキにやってきた。強化装備(これ)好きじゃないんだよね。やっぱりそのまま乗れるサイバスターが良いって。どうにか出来ないかなぁ。まぁ今はいっか、また今度考えよう。しかし―――。

 

「何でシミュレーター? 戦術機は?」

 

「まぁ乗りなさい。相手がお待ちかねよ」

 

(相手?)

 

俺はシミュレーターに乗り込み、とりあえず設定を確認する。俺の機体は吹雪だ。この前書き換えたままのデータが載っている。確認をしていると、夕呼先生から通信が入ってきた。

 

『とりあえずこの場での挨拶は無用とするわね。海堂、相手はとりあえずあなたの実力が知りたいそうよ。もし相手が納得いく力量があると判断すれば、あんたの手伝いをしてくれる。手加減とか考えなくて良いからね』

 

あぁなるほど、中佐だから補佐が付くと……で、俺が子供の姿だから「パチこいてんじゃねーぞ? ゴルァ! 俺様の補佐が欲しかったら実力を見せてもらおうじゃねーか!」っていうことかな? そういうのはいらないんだけどな。基地内コンシェルジュだけ欲しいかもしれない。

 

『じゃあ始めるわね。……スタート』

 

画面に相手の情報が出てこない。この基地の常備機体じゃないってことか、もしくは誤魔化してるのか……恐らく前者であろう機体の姿はまだ見えてこない。この基地じゃないとなると、アメリカとかかな?

 

ビルが立ち並ぶ市街地戦。視界は悪く、音感センサーを頼りに地道に進む……なんて事は面倒くさいから俺はビルの屋上へ飛び出した。

 

(……いたっ! 黄色……山吹色か?)

 

一瞬見えたのは山吹色の戦術機。しかし、俺の記憶する限り、そんな色の戦術機の種類は一機しか知らない。帝国斯衛軍の戦術機【武御雷】。俺がこの色の武御雷で知っている操縦者は篁 唯依だけだ。もちろんワンオフって機体でもないから、それ以外の軍人さんが乗っているだろう。なぜなら、篁 唯依という人物はこのオルタネイティブの中には出てきてないからだ。確か、【トータル・イクリプス】という、オルタネイティブの数ヶ月前の世界のキャラクターだったはずだ。

 

山吹色の武御雷は俺の姿を確認するとすぐさま建物の陰に隠れた。恐らく突然現れるという戦闘行動にあるまじき行為に咄嗟に反応してしまったのだろう。

 

(何故、帝国斯衛軍が補佐してくれるのか分からないけど、とりあえず落とす)

 

俺はビルの屋上から噴射降下(ブーストダイブ)噴出滑走(ブーストダッシュ)をして、距離を詰める。相手は逆に距離を取ろうとしているようだが、『この吹雪』は普通の吹雪とは違うため、差は徐々に縮まっていく。

 

武御雷は距離を取ることを諦め、逆に接近戦に切り替えたようだ。一気に俺との機体の距離が縮まる。目の前に迫った武御雷は俺に87式突撃砲を構え、撃ち放ってくる。

 

ビービービーッ!

 

けたたましく鳴り響くロックオンを受けている警告音。俺は構わず噴出跳躍(ブーストジャンプ)をして避けた。

 

『なっ!?』

 

相手の驚きの声が漏れた。女性衛士のようだ。しかし驚きは分からんでもない。普通の機体なら基本的に避けれないのだから。この前に改造しておいた吹雪だから避けれるものだった。それでもギリギリだった。左脚部に軽微の損傷を促す音声が流れる。

 

(掠ったか。―――っと!? すげぇ!)

 

武御雷はすぐさま反転し、俺が本来いる場所に向き直り、長刀に装備し直し、袈裟切りに切りかかってくる。素晴らしい切り替えの早さ、普通ならなぜ避けれるかに疑問を浮かべ続け自滅してしまうだろう。

 

しかし、そこに俺はいない。

 

『っ!!?』

 

俺はその抜刀からの一連の動きを上空から見ていた。そして、そのままロックオンし、突撃砲の雨を浴びせた。

 

『状況終了ね。二人とも降りてきて』

 

俺は念のため吹雪のパターンチェックをしてから降りたのだが、ちょっと時間が掛かってしまった。そして、先に降りて夕呼先生と話している衛士に駆け寄った。

 

「お待たせしました! 遅れてごめんなさい!」

 

「? あの……博士、この子は?」

 

「ふふふ、この子が今やった相手の海堂正樹よ」

 

「えっ!? ……あっ! 失礼いたしました! 篁唯依中尉であります!」

 

ビシッと帰ってくる敬礼に俺は返礼した。

ってあれ!? 篁唯依だ!! 何でだ!?

 

「は、初めまして、海堂正樹中佐です。えっと……補佐に就いてくれるって本当ですか?」

 

「は、はい喜んで!!」

 

夕呼先生は何故か笑っていたが、とりあえず補佐が付いたからには、迷子にならなくてすむぞ。何故に唯依姫かは分からないが。

 

「(ニャんか補佐の事、勘違いしてニャい?)」

「(確実にしてるニャ)」

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side (たかむら) 唯依(ゆい)

 

最初は市街地戦だからゆっくり近づいてくるかと思ったため、驚きしか出なかった。まさかいきなりビルの屋上に飛び出してくるとは思わなかった。アレが無くても勝敗は決まっていただろう。あの距離で突撃砲をかわされた瞬間、あとは苦し紛れに長刀を振りきる以外やりようがなかった。

 

一体どんな衛士なのだろうか?

 

「香月博士、こちらの我侭を聞いて頂きありがとうございました」

 

「いいのよ。コッチの方が話が通りやすくなって良いと思うし」

 

私が提示した我侭は『私に勝てる腕を持っていなければ、帰らせていただきます』というものだ。しかし、それで構わない上に、『全力で来ないと一瞬で終わるわよ?』と余裕すらも言い含められた。結果は瞬殺だ。あんなに早く行動不能になったことがあっただろうか? 記憶には無い。初めての仮想敵を用意したシミュレーターでも、早めに行動不能にはなったが、今日ほどではない。

 

「素晴らしい衛士ですね。余程屈強な方なのでしょうね」

 

「屈強ねぇ~? ふふふ、驚くわよ?」

 

巌谷の叔父様よりも凄い傷だらけなのだろうか? それともかなりの筋肉質? 負けたことに関しての悔しさなどは全く無く、早くお会いしたいという想いだけが私の中にあった。

 

少しして戦術機から降りて駆けてきたのは、黒と白のネコを一匹ずつ従えた少女のような男の子だった。猫も一緒とは随分とユルい基地だと思いもしたが、誰か他の部隊も訓練していたのだろうか? 私は香月博士を見るが、意味深な深い笑みがそこにはあった。

 

「お待たせしました! 遅れてごめんなさい!」

 

「? あの……博士、この子は?」

 

「ふふふ、この子が今やった相手の海堂正樹よ」

 

「えっ!? ……あっ! 失礼いたしました! 篁唯依中尉であります!」

 

海堂正樹。男。衛士。技術開発顧問。……この目の前にいるカワイイ生き物は何歳だ。

 

「初めまして、海堂正樹中佐です。えっと……補佐に就いてくれるって本当ですか?」

 

自信なさ気に目の前の男の子は上目遣いに言ってくる。

 

答えは決まっている。

 

「は、はい喜んで!!」

 

Side out

 

 

 

 




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