ワールドトリガー~もう一つの黒トリガー~   作:gjb

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第二話

あの後、悠斗と迅は悠斗のバイクで玉狛支部についた

 

「着いたぞ」

 

「おお。やっぱり早いな」

 

悠斗の言葉に迅はバイクから降りる

 

「んじゃあな」

 

「おいおい、もう帰るのか?泊まっていったらどうだ?」

 

すぐに帰ろうとする悠斗に迅が止める

 

「いきなりじゃ迷惑じゃないか?」

 

「大丈夫大丈夫。お前ならいつでも歓迎だよ」

 

悠斗の言葉に迅が答える

 

「それじゃあ、言葉に甘えようかな」

 

迅の言葉を聞いて悠斗は改めて泊まることにした

 

バイクを止めて迅と一緒に支部の中に入るとメガネをかけた黒髪の少女がいた

 

「ただいま宇佐美」

 

「あ、迅さんお帰り。っと、悠斗さんお久しぶり」

 

「おう、久しぶり」

 

宇佐美と呼ばれた少女の言葉に悠斗は右手を挙げて気さくに返す

 

「けど、珍しいね。いつもは二、三日前に連絡を入れるのに」

 

「今日は迅にさっき誘われたんだ。悪いな」

 

宇佐美が首をかしげながら尋ねると、悠斗は謝る

 

「いやいや、責めてるわけじゃないんですよ。ただ、ごはんあるかなぁ~って」

 

「それなら大丈夫だ。レイジさんにはメールで連れてくるって伝えてるから」

 

宇佐美の言葉に迅が何でもないように答える

 

「お前なぁ、俺が断ってたらどうするつもりだったんだ?」

 

「誘われたら断れないやつが言っても説得力ないぞ」

 

「うぐっ」

 

迅の言葉に図星をつかれた悠斗

 

悠斗は基本的に誰であろうと誘われれば断らない主義だ

 

実質ボーダーの隊員でプライベートの用事に誘われて断ったことがない

 

「それなら大丈夫ね。じゃあ行こっか」

 

宇佐美がそういうと、二人は宇佐美の後をついていく

 

そしてロビーにつくと、すでに青年が座っていた

 

「悠斗さん、どうもっす」

 

「おいっす、京介」

 

悠斗は京介と呼ばれた青年を見つけてあいさつをする

 

「そういやレイジさんたちは?」

 

「レイジさんは料理中、林藤さんは陽太郎と一緒に忍田さんたちと外で食事中です」

 

悠斗の言葉に京介は親切に答える

 

「そうか。なあ、桐絵は……」

 

「ねえ、とりまる。ごはんま……」

 

悠斗がまだ出てきていない隊員のことを聞こうとすると、扉が開いて髪の長い美少女が入ってきた

 

そして二人の目が合ったかと思うと、小南と呼ばれた少女は顔を赤くする

 

「な、な、な、なんで悠斗がいるのよ!」

 

「それは小南先輩に会いに来たんですよ」

 

小南の言葉に京介が平然と嘘を教える

 

「え!?ほ、本当?」

 

「ええ」

 

「おい、京介。嘘を……」

 

「『小南に会えると思うとうれしいな』とも言ってたな」

 

小南が嘘を信じているので悠斗が訂正しようとするが、その途中で迅が更なる嘘を重ねる

 

「そ、そう。わ、私も……」

 

「桐絵。さっきのは京介と迅の嘘だ」

 

小南が何か言おうとする前に悠斗が嘘を指摘する

 

「だ、騙したわねー!」

 

「痛だだだだ!俺は嘘を言ってねーだろうが!」

 

嘘だと知った瞬間、小南は嘘もついてない悠斗にだけかみついてきた

 

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何とか小南を引きはがして夕飯を食べた悠斗は支部の屋上で煙草を吸っていた

 

すると、扉からある人物が入ってきた

 

「悠斗、ちょっといい?」

 

「ああ。べつにいいぞ、桐絵」

 

小南の言葉を聞いて吸いかけの煙草を消して答える

 

悠斗の答えを聞いて小南は悠斗の隣に移動する

 

「ねえ、三年前どうして玉狛(うち)から出てったの?」

 

小南のさびしそうな声で聴いてきて悠斗は困った顔をする

 

「その頃最上さんの黒トリガーの争奪戦があっただろ?太刀川が出ない時点で迅が獲得するのは当然。そうなると玉狛に力が集まりすぎて城戸さんたちに目をつけられる。そうなるとボーダー内に軋轢が生まれてしまう。当時は今ほどしっかりした組織じゃなかったから内部分裂するとやばいと思ったから本部に移籍したんだよ」

 

悠斗が事の経緯を説明してため息をつく

 

「なんで今まで黙ってたのよ」

 

悠斗の話を聞いた小南は肩を震わせながら聞いてくる

 

「言ったところでどうにもならないからだよ。城戸さんの石頭も、当時の迅の黒トリガーへの執着も」

 

そういった悠斗の顔は少しさびしそうな顔をする

 

そんな悠斗を見て小南は悠斗によりかかる

 

「どうにもならなくても相談くらいはしなさいよ。分け合えなくても支えてあげたいのよ」

 

少し顔を赤くしながら悠斗に告げる桐絵

 

それを聞いて悠斗も照れて顔を赤くする

 

二人が黙っていると、小南の電話が鳴る

 

「も、もしもし」

 

『あ、小南?今どこにいるの?お風呂あいたから早めに入ってね』

 

「わ、わかったわ。今いくね」

 

小南はそういうと、電話を切る

 

「理由話してくれてありがとう。お風呂に入ってくるね」

 

小南はそういってその場から離れた

 

一人になった悠斗は先ほどの小南の言葉を思い返しながら新しい煙草に火をつける

 

「ありがとうは俺の方だよ、桐絵」

 

 

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