―――結論から言えば、翠星石を
今、俺と雪華綺晶、そして翠星石は、水晶のエリア・・・・・・nのフィールド、雪華綺晶の領域で一息入れつつ、翠星石から事情を聴いている。
もちろん翠星石には最低限の拘束はしている。具体的には、ツタを手錠代わりにしているのだ。
最初、雪華綺晶からは翠星石を生かすという案は拒否されかけたが、どうにか説得して、今は暖かい紅茶を姉に飲ませている。
俺は俺で、お腹の波が治まったので身体を休めている。
もう殆どダメージが無い所を考えるに、俺は本当に人間じゃないのかもしれない。
俺は雪華綺晶から手渡された紅茶を一口飲む。
「あぁ^~うめぇなぁ!」
後輩を裸にして遊んでいた某先輩の語録を使って紅茶の美味さを表現する。
雪華綺晶はこちらを向いてにっこりとほほ笑んで見せた。
あぁ^~かわいいんじゃあ^~、と俺は心で喚起しつつも表情は紳士のように冷静なスマイルを浮かべる。
しかし本当にうまいなこの紅茶。
しっとりとしていて(砂糖で)べたつかない、それでいてスッキリとした甘さだ。
お茶っ葉はアールグレイを使ったのかな?(無知)
そうそう、戦闘が終わってから、翠星石の事情を含め、
曰く、
ローゼンメイデンはアリスになるために、姉妹同士で戦い、魂であるローザミスティカを奪い合う。すべてのローザミスティカを集めたドールは完璧な少女アリスとなり、お父様であるローゼンに会うことが出来る・・・・・・そうだ。
まるでZ戦士が出てくる国民的漫画みたいだぁ・・・・・・(直喩)
それで、雪華綺晶が言っているマスターという存在。
ローゼンメイデンにはパートナーである人間がいなければ力を使って戦うどころか、起動することもできないらしい。
俺が最初に螺子を巻かなければ雪華綺晶は目覚めなかったという事だ。
ローゼンメイデンと契約した人間は、媒介として彼女たちに力を与える。
なお、メリットはない模様。
しかし翠星石曰く、契約者と人形の間には明確な絆が芽生えるため、利害関係のみでは言い表せないそうだ。俺が、雪華綺晶と共闘したのと同じように。
そして、翠星石が俺たちを抹殺しようとしていた理由も、契約者が理由であるとの事だ。
その前に、雪華綺晶について説明しておく必要がある。
翠星石曰く、雪華綺晶は通常のドールとは異なる点が多いらしい。
その一つが、本来ならば実体を持たないという事。
しかし俺は家で雪華綺晶を、礼と共に見ているし触っている。ついでに言うとべろべろなめ回した(ばれてはいない)
その点について、雪華綺晶が説明するには、ローゼンが作り、破棄した人形などのパーツを集め、ボディを作ったのだそう。いい根性している。
しかし、あまりにも異質なそのボディには欠点も多く、通常の人形よりも力を多く必要とするため、普通の人間と契約しただけでは戦うどころか動く事もままならない。
彼女は元々実態を持たなかったためか、人間の心を奪い、水晶に拘束することで力を集めなくてはならなかったそうだ。実体化した今でもその性質は受け継がれてしまっているらしく、定期的に現実の人間を拉致ってnのフィールドに閉じ込めて搾取しなければならないらしい。
そんな拉致被害者の一人が、翠星石のマスターの妹である林本 香織さん14歳。
俺の弟と同い年だ。
翠星石は雪華綺晶のせいで昏睡してしまった妹の傍で悲しむマスターのために、雪華綺晶を追っていたらしい。
つまり、100%雪華綺晶が悪い、訴訟(確信)
マスターである俺は拉致った人々を解放するように雪華綺晶へ命令しようとしたが、そこで躊躇してしまう。
解放してしまったら雪華綺晶は動かなくなってしまうのではないか。
せっかく見つけた「何か」を手放したくはない。
だが、翠星石にも手放したくない何かがある。
俺は悩む。
悩んで悩んで、そんな俺に雪華綺晶は言った。
「もう彼らは必要ありません(自分は悪くない) 貴方がいるんですもの」
「あ、そっかぁ・・・・・・(納得)」
どうやら、俺の生命力が通常の人間とは桁外れに高いらしい。
治癒力が高いのもそういった理由であると俺は解釈したが、それでもこの以上回復力は気持ち悪い。
生命力の高さがドールの力に直結するために、もう拉致った人間は必要ないらしい。
ちなみに、囚われていた人たちの心はもう解放した。
そして、ちゃんと雪華綺晶から翠星石にごめんなさいをさせ、とりあえずは一件落着したのだが・・・・・・
「やい末妹のマスター!さっさとこの手錠を外すです!」
「さっき外したら如雨露で殴ろうとしただろ!いい加減にしろ!」
どうやら俺に斧で殺されかけたことを根に持っているらしく、翠星石は何かと俺に暴力を振るおうとしている。
だから落ち着くまではこのままでいてもらわなくてはならん。
はやく香織ちゃんに会いたい翠星石には申し訳ないが、俺も殴られたくない。