ローゼンメイデン プロジェクト・アリス   作:Ciels

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sequence87 BBクッキー☆劇場のKNN姉貴大好き、ホントニアコガレテル

 

 

 外から銃声が聞こえた。それも複数。俺は急いで装備を着込み、側に立てかけていたライフルを手にする。だが変だ、郁葉が襲ってきたのは紛れもない事実だとして、他の銃声はなんだろう?あの聞こえ方だと戦闘しているみたいだ。それにあいつのことだ、ライフルにはサプレッサーを使っているに違いないから、このむき出しの銃口から聞こえる乾いた発砲音はあいつではないだろう。

 

「クソ、とうとう来やがったな」

 

 悪態交じりにカーテンの端から外を覗き込む。本当ならこんな危ない行為はしたくないが、あいつは狙撃に意識を裂く余裕はないだろう。今も森の中では銃声が鳴り響いているからだ。

 

「待って、隆博くん」

 

 と、一人警戒に当たっている俺の腕を引っ張るみっちゃんは、表情を不安げにしながら語った。どうやらあの腐れロリコンの弟とジュンくんが加勢に来ているらしいとのこと。今の今までそれを言わなかったのは、彼らに口封じされていたらしい。敵を騙すには味方からってことか?だとしても、彼らは別に味方ではない。敵の敵だ。

 俺はしばらく考えて、この期に郁葉を倒すか……それとも逃げるかの選択をする。郁葉との戦いはどの道避けられない。俺は実質あいつを裏切ったようなもんだし、あいつも一筋縄ではいかないからあらゆる手段を用いて殺しに来るはずだ。琉希ちゃんを引き渡せば俺は見逃される……なんて甘い奴じゃない。

 ならば、戦うしかない。幸い、地の利は多少俺に傾いている。オビ◯ンなら勝ってる。

 

「蒼星石、みっちゃんたちを頼む」

 

 チャージングハンドルを引いて弾薬を装填し、ナイトビジョンが取り付けられたヘルメットを被る。

 

「一人で行く気なの!?」

 

 やはり蒼星石は反対する。優しい子だ、だからこそ俺は一人で行かなくちゃならない。

 

「あいつのことは誰よりも知ってるからな。パパパっと殺して、終わりっ!」

 

 GO IS GOD。俺には神がついている(実際はホモビ男優)

 蒼星石の頭を撫でた。大丈夫だ、俺は絶対に戻ってみっちゃんと蒼星石とイチャラブハーレムを築いてみせるのだ。そう考えたら死ぬに死ねない。

 

「待って、隆博くん」

 

 玄関から出ようとする俺をみっちゃんが止めた。振り返ると、二人が俺を左右から抱きしめて頬にキスしてみせる。ほほ^〜(台無し)ハーレム主人公っていつもこんな感じなんですかね……?今度三人で三角形になって、しゃぶりあわねぇか?(相撲部)

 

「気をつけて」

 

「帰って、来てね」

 

 俺は最大限のイケメンスマイルで頷く。まぁ鏡見ればただのニヤケ面なんですけどね初見さん。

 玄関の電気を消し、ナイトビジョンを眼前に持ってきて起動する。そしてゆっくりと扉を開けた。最後にみっちゃんに、

 

「いつでも逃げられるようにしといてね」

 

 それだけ言って俺は戦場へ向かう。友達と愉快な仲間たちがマジで殺し合っている中へと。そんな俺の背中を、みっちゃんと蒼星石よりももっと後ろで見ている子がいた。彼女は何もできないもどかしさを感じながらも、まだ殻にこもる。

 それが、最大限彼女に出来ることなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 木々が炸裂する。翠にも、蒼にも似た水晶の塊が少女たちを襲ったのだ。

 雪華綺晶は翠星石を取り込んだ事により、ローザミスティカの力を引き出せるようになっている。庭師の如雨露はもちろん、翠星石が過去に俺たちを襲った際に出したあのぶっとい蔦も。だがこの水晶は違う。雪華綺晶と翠星石のエレメントを掛け合わせた、異形の力だ。

 

「くっ!」

 

 姫騎士みたいな声を出して水晶の大剣を避ける水銀燈。砕けた水晶が飛散して彼女を襲うが、それを翼でガードし事なきを得る。

 雛苺は低空を移動してそれらを避けると、細い蔦を鞭のようにしならせて空中を浮く雪華綺晶に叩きつけた……が、まるで蝿を振り払うように腕を薙ぐと、蔦は勢いを無くして行き先を失った。

 

「あら。あらあら、雛苺?前にジュン君を奪った時の方がよっぽど強力でしてよ?」

 

 嘲笑う雪華綺晶を睨みながら、雛苺は一度攻撃から転じて回避に移る。なぜならいきなり雪華綺晶からレーザーが飛んできたからだ。いや、レーザーではない。高温で溶けた水晶の塊だ。それは地面を抉ると、まるで隕石のように周りを焼いた。あんなのが当たったら一溜まりもないだろう。

 

「ちょっと!あんたあんなの使うなんて聞いてないわよ!」

 

 †漆黒の翼†(いやーキツイっす)を飛ばして攻撃するも、それらは雪華綺晶を傷つけるには至らない。ただ風が吹いたとばかりに彼女の髪を靡かせ、月光の下に輝かせるだけだ。正直、今の雪華綺晶は彼女たちの手に負えるような代物ではなかった。

 雪華綺晶は逃げていく彼女達を無垢にくすくすと笑うと、まるで遊んでいるように言葉を吐く。

 

「いいわ、お逃げなさい。隠れんぼしましょうお姉様方?どうせ時間稼ぎに来たのでしょう。でも残念、私のマスターは素晴らしいの。どれくらい素晴らしいって、それはもうBBクッキー☆劇場のKNN姉貴くらいに強くて美しいのだから」

 

 具体的過ぎてシリアス壊れるわ^〜。雪華綺晶ゆるして。

 だが水銀燈達は元ネタをわかるはずもなく、ただ末妹がわけのわからない事を言っていると考えるばかり。攻撃が通じないと分かれば逃げに転じるしかない。

 事実、水銀燈達は時間稼ぎに来ただけだ。常人である彼女らのマスターとは異なり、雪華綺晶のマスターは無尽蔵の生命力を持つわし(20)なのだから。自分達のマスターが、どうにかして俺を殺すまで、雪華綺晶を援護に向かわせるわけにはいかない。

 

「私も前に騒ぎを起こした時はあんな感じだったのかしら?」

 

「まだマシよ……っ、来るわよ!」

 

 木々の合間を縫うように低空飛行していると、気配を感じた。一気に左右へと散開すれば、先ほどまでの経路上に雨のように水晶が飛んできた。これも高温だったようで、光り輝いた水晶は着弾すると周りの草木を炙る。

 上空を飛行し、姉を追っていた雪華綺晶は口に指を当てて困ったように口を開いた。

 

「あらあら、どうしましょう。お姉様方ったら、別れてしまいましたわ」

 

 わざとらしいと、水銀燈は苛立つ。

 

「真っ黒けな鴉さん。美味しそうな苺色のお菓子。私、甘い方が好みなの」

 

 唐突に舌の好みを告げると、右に逃げていった雛苺を追いかける。水銀燈はすぐさま反転して、

 

「誰が鴉よっ!」

 

 と叫び、これから窮地に陥るであろう妹を助けに行く。彼女が他人を助けるなんてらしくないと思うかもしれないが、意外と面倒見が良いからこればっかりは仕方ないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 礼は昔から天才肌だった。スポーツは俺の弟とは思えないくらいなんでもこなすし、勉強だって塾に通わずとも上位に位置していた。おまけにモテるし、俺の遺伝子入ってるのかってくらい顔もいいし、目つきも悪くない。それでも俺は決して礼を嫌ったりはしなかった。別に比較もされなかったし、されたとしても礼と俺は兄弟というだけで他人だ。好みやなんだってのも色々ある。十人十色って奴だろう。

 だからこうして、俺の前に立ちふさがっても嬉しく思う。今まで交差する事がなかった好みや意地というものが一致して、殺し合っているのだから。形は違えど、俺としては兄弟の繋がりというものを感じずにはいられなかった。

 

 ジュン君から狙撃されないくらい森の奥深くへと逃げ込み、木の裏に隠れて追撃してくる礼を迎え撃つ。ナイトビジョンがあっても木々が茂る森の中では光量が足りない。20メートル先を見通せれば良い方だ。

 息が上がっている。それはもちろんこの戦闘における体力の消耗もそうだけれど、雪華綺晶にパワーソースを注いでいるせいでもあった。

 だが、それでいい。礼達も今頃ドールズを雪華綺晶の下へと向かわせているのだろうから、これくらいのハンデが無ければ対等とは言えない。

 と、そんな事を考えていれば後ろから気配。驚いて振り返れば、拳銃と剣を片手に礼が弾丸のように突撃してきていた。

 

「ッ!」

 

 咄嗟にライフルを構えるも、懐に入り込んでいる礼。奴はライフルを蹴って払うと、くるりと乱舞のように回って剣で一閃してくる。それを何とか避ければ今度はガンダムのように脇の下を通して拳銃を撃ってきた。

 

「うおっ!?」

 

 どうせそんな事だろうと思っていた俺はなんとか避けられたが、弾丸が髪の毛を掠った。頭を狙ってきているあたり、こいつは本気だ。

 今度は俺がバックステップで距離を取りながらライフルを撃ち込むが、礼はまるでヤーナムの狩人のようにステップで避けながら近づいてくる。登場する作品間違ってません?これではBB先輩劇場にレ帝が乱入するようなものだ(どっちも元はホモビ)

 礼は近づくと、右手の剣を突き刺してくる。それを無理やりライフルで弾くと、流石に礼は態勢を崩した。すかさず俺は回転蹴りを礼に叩き込むが……

 

「おッ!」

 

 蹴りを綺麗にいなされて右手で足を掴まれる。やばいと思った時には礼は既に左手の拳銃で掴んだ足のふくらはぎを撃ち抜いていた。

 

「だぁッ!」

 

 痛がりながらも足を引き寄せて礼を殴る。礼は左手を即座に動かしてブロックしたが、多少は効いたようで俺の足を離した。クソ、こいつほんと強いな。

 俺は後方に転がって足を引きずりながら一番近い木の裏に隠れる。そして治っていく足の傷を眺めながら礼に語りかけた。

 

「今回の事はお前にとっても悪い話じゃないだろう、礼!アリスゲームでアリスを生み出す事はできない、でも人間を依り代にアリスへと昇華させる事はできる!これはそう、お手本だよ!先輩のミーディアムにして兄貴である俺からのな!」

 

「俺が何も知らないとでも思ったか?そのためにはどの道同じ世界線のローザミスティカを全て集めて完全にする必要がある。そうなれば、お前は俺たちにとって脅威になるだろう」

 

「ああクソ、なんで知ってんだ!」

 

「別の世界のお前から聞いた。あっさり話してくれたぞ。心はしっかりと閉ざしておくべきだったな」

 

「クソがッ!」

 

 結局論破されて激昂する羽目になった。クソ、自分の事ながら魂が混ざり合いすぎてもう管理し切れていないのは痛かったか。俺は閃光手榴弾を取り出すと、ピンを抜いて礼の方へ投げる。間髪入れずに炸裂した手榴弾は大音量と閃光をまき散らした。

 

「逃げろ逃げろ」

 

 もうほとんど傷が塞がっている足を無視して俺は逃げる。礼を倒す前にまずはジュン君からやらないと疲れる。

 




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