魔法少女リリカルなのは~使徒の名を冠す者~(仮) 作:misima
うん。
まぁ、初仕事は
あ、仕事の状況を省いてるのは決して内容を忘れただとか、面倒だからってことじゃないからね?
うん、我ながらなんて発言してるんだろ・・・。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その初仕事から数日後。
少し長めの休暇をとった私はミッドチルダ北部、ベルカ自治領のとある場所に来ていた。
「お久しぶりです。ご先祖様。」
私の身体には聖王の生態データ、覇王の生態データ、炎王の生態データがそれぞれ組み込まれている。
なんでも、ずっとある研究所の生態ポッドで厳重封印をかけられて眠っていたようだ。
たまたまそこに“違法研究者を捕らえる”という任務で来ていた私の父さんが封印をといて連れ帰ってくれたらしい。
人がいいのにもほどがあるよね、父さん。
だから私はあの家族と血が繋がっているわけではないが、みんなしっかり家族として育ててくれたので私はいずれその恩に報いなくてはと考えている。
ちなみに、御三方の遺伝子情報は外にはあまり強く現れていない。
だって虹彩異色とか出てないから。
“ゆりかごの聖王”オリヴィエ・ゼーゲブレヒト。
“シュトゥラの覇王”クラウス・G・S・イングヴァルト。
“冥府の炎王”イクスヴェリア。
どこの物好きが、ベルカの三大王の遺伝子を私に組み込んだんだか・・・。
だから、例の力のとあるものを使うとそういった王の証?みたいなものが現れる。
正直どうだっていいけど。
そして私の体内にも古代ベルカの王達がそうであったようにレリックが埋め込まれている。(なぜか管理局のレーダーには引っかからないが)
つまり私も王達と同じレリックウェポンなわけで・・・。
魔力ソースとかはもとの自分の体とはいえ戦闘能力などは王達の力ってことになる。
うん。
今の強さは王達が半分くらい占めてるから感謝してるよ。
「ゆりかご・・・・か。」
なんか嫌な予感がする。
──── それから数日後
「ん~!久々に帰ってきたぁ!」
あの後私は、聖王教会の騎士カリムやシスターシャッハに会って、ベルカ自治領を一回りしたりしていた。
あ、カリムやシャッハは小さいころからの知り合いだよ?
それで、私はベルカ自治領に数日間お世話になってたった今帰ってきた。
んで、六課の隊舎前にいる。
「あれ?訓練場のほうから?」
【Reaktion aus dem Training Bodenkampf. Ich vermute, dass sie zu einem Scheingefecht haben wahrscheinlich.(訓練場から戦闘反応。恐らく模擬戦をしているのではないかと思われます。)】
「あ、なるほど!じゃあ見に行っちゃおうか?」
【Ich möchte den Herrn verlassen.(主の望むがままに。)】
というわけで、訓練場。
「え?」
到着すると、スバルさんがなのはさんに拳を叩きつけようとしている瞬間だった。
それだけなら問題ない。
遠くでクロスミラージュの照準を合わせているティアさんは、アークからの情報でフェイク。
あれ?
ティアさんがウイングロードの下のほうに・・・。
まさか・・・!?
やっぱり・・・!
ティアさん、直接バリアを抜いてなのはさんに突っ込むつもりだ!
非常にまずい。
なのはさん怒るよ?
「アーク。コントロールモードでセットアップ。セカンドリミッターまで解除。」
【Ich verstehe. Zweiter Release Limiter.(分かりました。セカンドリミッター解除。)】
うわ・・・。
なのはさん。
スバルさんの拳とティアさんの魔力刃、素手で受け止めちゃたよ。
バリアバーストでダメージ緩和してるだろうけど・・・。
「おかしいな・・・。二人とも、どうしちゃったのかな・・・?」
「え・・・・。」
「ぁ・・・・。」
「がんばってるのは分かるけど・・・、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ・・?」
なのはさんいつもと雰囲気違い過ぎて。怖いです。
茶化してる場合じゃないと思うけど。
「練習のときだけ言うこと聞いてるふりで・・・、本番でこんな危険な無茶するなら・・・。練習の意味・・・・ないじゃない・・・・・。」
「はっ・・・。」
「ちゃんとさ、練習どおりやろうよ。」
確かになのはさんの言うとおりだ。
だけどなのはさん。
あなたこの後、何するつもりですか?
「ねぇ・・・。」
「あ、あの・・・・・。」
「私の言ってること、私の訓練、そんなに間違ってる?」
いや、間違いなんかじゃない。
私は然るべきときに、然るべき行動をとるための正しい訓練だと理解している。
あんまり参加してないから皆からは説得力がないとか思われるかもしれないけど・・・。
ティアさんはバックステップ。
そして、クロスミラージュを構える。
「私は・・・!!もう、誰も傷つけたくないから!亡くしたくないから!」
「ティア・・・・。」
「だから・・!強くなりたいんですッ!!」
なのはさんは指をティアナに向ける。
「やっぱり!!」
「少し・・・頭、冷やそうか?」
なのはさんはティアさんに砲撃を仕掛けるつもりだ!
「クロスファイヤー・・・。」
「ファントムブレイ・・・・。」
「シュート。」
「間に合ってっ!!」
私は
「
【Doppelter Schutz.】
私があいだに入った瞬間、なのはさんははっとした顔をした。
が、撃ってしまった砲撃はもう止めることはできない。
直撃。
しかし、防御魔法により防いだ私は次の瞬間には、ティアさんの背後に移動し、意識を刈り取って脇に抱えていた。
煙が晴れる。
「まったく・・・。」
「え・・・・?」
見学の皆さんは“なんでいるの?”みたいな顔をしている。
「久しぶりに帰ってきてみれば、何してるんですか・・・?なのはさん?スバルさん?」
「リリィ・・・?」と、なのはさん。
「模擬戦は喧嘩じゃないんでしょう?」
私は出来るだけ殺気と威圧感を乗せながら話す。
「頭冷やさなきゃいけないのは、なのはさんも同じじゃないですか。ここで実力差を見せ付けて何か意味がありますか?」
「・・・・ごめん。」
うん。
“話を聞いてくれない相手に対してはとりあえず全力全開でぶつかる(byヴィータ副隊長)”って聞いたけど、話をしっかり聞く相手に対しては、意外と素直に謝るんだね。
まぁそんな簡単に許すつもりはないけど。
「スバルさん。」
「ひっ!はい!」
なぜかスバルさんが敬語に。
「あなたはティアさんの
「・・・・はい。」
「ティアさんには眼が覚めたら、私の部屋にくるように言っておいてください。私はやることがあるので部屋に戻ります。」
私はヴィータ副隊長やフェイトさんの方に軽く会釈をして、その場を去った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
~ヴィータ side~
あたしははじめ、スバルとティアナがどんな作戦を考えているかだなんて考えていなかった。
だが、ティアナが魔力刃を展開した瞬間にあるものを思い出した。
エクセリオンバスターA.C.S (Excellion Buster Accelerate Charge System)。
数年前、なのはが闇の書の闇の破壊の為に使用した魔法だ。
その正体は零距離でのエクセリオンバスター。
魔力刃でバリア内部に侵入し発射するための機構。
ただし、攻撃対象だけでなく、攻撃使用者にも甚大なダメージを与えることになる、いわば諸刃の剣だ。
上から迫ってくるティアナをなのはが素手で受け止めたとき、あたしはなのはが何を考えているのか大体悟った。
そして、なのはが何をしようとしているのかも。
まぁそれも仕方がないかと思った。
・・・・だが。
なのはがクロスファイアを放つ直前、二人の間に何かが飛び込んだのが見えた。
その何かになのはの砲撃が直撃。
煙が巻き立ち、周囲を覆い隠した。
煙が晴れると・・・。
「何ッ・・!?」
そこにいたのはティアナを脇に抱えた、見たこともない格好をしたリリィだった。
「まったく・・・。」
その瞬間、凄まじいまでの威圧感が、周囲の空間を覆った。
「(ッ!?何だこの威圧感はッ!?)」
あたしは目の前にいないにもかかわらず、足が竦んじまった。
「(この感覚を・・・あたしは知ってる?)」
これは恐らく相当昔・・・・それこそ古代ベルカ時代の・・・王?
いや・・・。
そんな馬鹿な・・・。
「(でも間違いない!これは・・・・覇王!)」
なんでリリィがこんなまねを出来るんだ?
ん?
よくみるとリリィの眼・・・・。
右が紫で左が青に・・・・。
あれって純血統にしか出ないはずだが・・・。
まぁ、いいか・・・。
それにしても・・・・・。
「リリィ怖ぇ・・・・・・。」
初めてリリィを怒らせないようにしようと思えた瞬間だった。