セナ「しっかし、いいバイクに乗ってるよなぁ、アイエフってさ」
~アイエフがハンドルを握り、セナが後ろでアイエフの腰を抱くような形でバイクを二人乗りをしていた~
アイエフ「まあね、旅人なんだもの。乗り物の一つや二つ持ってないとやってられないの?」
セナ「旅人?無職?」
アイエフ「その言い方は気に食わないわね……職にはついてないけど、収入はきちんと得てるわよ……(怒)」
セナ「フリーター?」
アイエフ「なにそれ?」
セナ「俺のとこの世界では『無職』といえば『フリーター』か『ニート』しかいないのよ」
アイエフ「こっちの世界には二つともないわね。クエストの依頼を受けて成型を立てているのよ」
セナ「それって、『ギルド』とかで受けたりする?」
アイエフ「あら、ギルドを知ってるのね。あなたの世界にもギルドがあったのかしら?」
セナ「いや、ない。ただ、『モンスターハンター』ってゲームがあってさ。ギルドから依頼されたモンスター退治とか、物資収穫とかの以来、つまり『クエスト』を達成していくってゲームなんだ」
アイエフ「あら、私みたいな職のない人と同じ生活だわ、そのゲーム」
セナ「でしょ?……にしても、俺のいる世界とはずいぶん仕様が違う世界に来ちまったなぁ……」
アイエフ「まあ、この世界も悪くないわよ?」
セナ「それは痛いほどわかる。無職でもお前みたいに胸張って生きていける世界。俺のいた世界と比べりゃ、全然、悪くないさ。それと」
アイエフ「……それと?」
セナ「見知らぬ男とともに行動してくれる女の子なんて、あの世界じゃいないさ。アイエフに会えたことで、この世界の良さを実感したよ」
アイエフ「ちょ……愛の告白みたいなことしないでよ……恥ずかしいじゃない」
セナ「照れてやがんのーwww」
アイエフ「う、うるさい!!バイクから落とすわよ!!」
セナ「はいはい、黙りますよ」
~アイエフとセナ、しばし黙る。バイクは走り続ける~
アイエフ「あの……さ」
セナ「ん?」
アイエフ「バイク乗る前にセナ、言ってたじゃない?パジャマのままで森の中倒れていたのは『深い理由』があるって」
セナ「ああ、ごめんごめん。教えてあげる」
~セナ、別の世界からココに飛ばされてきたことをアイエフに説明する~
アイエフ「寝てるときに、クロワールというやつに別次元に飛ばされた……?だから自分はパジャマ姿なんだ……?そんな、胡散臭い話なこと、信じたくもないわよ。あなた、妄想癖でもあるんじゃないの?」
セナ「いや、そんなことはない。俺はいたって健全だ。シンプルだ。イッツ・オーソドックス」
アイエフ「……バカみたいに元気ね?酒でも飲んで変な夢でも見てたんじゃないかしら?」
セナ「そんな記憶喪失して、変なこと覚えるほど、飲んだりはしないさ。……ところで、お酒はワイン?ビール?ウイスキー?カクテル?日本酒?どれが好き?」
アイエフ「そうねぇ……私はカクテルかしら?夜のバーでひとり、カクテルを飲むのが好き。カクテルはバーの雰囲気もあって、環境も楽しめるから、好きなの」
セナ「カクテルか……俺も好きだぜ?今度一緒に飲みに行かない?」
アイエフ「あら、デートのお誘い?それって」
セナ「まあね」
アイエフ「まったく……バカな男ねw」
セナ「褒め言葉どうもw」
アイエフ「さ、もうすぐ着くわよ、私たちが向かってる町へ」
~二人とも、町に到着、バイクをおりて、町に入る~
~セナとアイエフの目の前には現実世界での東京をも凌駕する近未来的空間が広がっていた~
セナ「アンビリィ!!バボゥ!!なんじゃこりゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
アイエフ「えっ?!ちょ、そんなに騒がないでよ!」
セナ「いや、だってこれ!!なんだよ!!ドラえもんのタイムマシンでも乗っちまったのかい!俺は!」
アイエフ「あなたねぇ……落ち着きなさい。確かにここは四大大陸の中では技術的水準が最も高いけど、なにもそこまで驚く必要はないんじゃないかしら?」
セナ「……夢じゃないのが奇跡だよなぁ。俺、ホントに別の世界に来てしまったんだな」
~アイエフ、プラネテューヌの町をトコトコと歩き始める、セナ、プラネテューヌを見渡しながらアイエフについていく~
アイエフ「……あなたのいた世界ってのは、そんなに居心地が悪かったのかしら……?」
セナ「ん?いや、そうでもないよ。世界を見渡せば戦争が起こってるとこもあるけど……俺の住んでる国は、平和で、住みやすかったよ」
アイエフ「ふぅん。それはどんな国かしら?」
セナ「アイエフに言ってもわからない国さ。日本って国、知ってる?」
アイエフ「さあ、そんな国、一度たりとも聞いたことないわね」
セナ「当たり前だよ。この世界に来て、日本と同じどころか、向こうの世界と同じところを一つも見てないんだからさ。モンスターは出るし、変な妖精は出るし、天の声は聞くし」
アイエフ「変な妖精……天の声……?」
セナ「変な妖精ってのは、俺をこの世界に連れてきたクロワールのこと。天の声は、この世界を記録する司書、イストワール」
アイエフ「どっちも聞いたことない名前ね……あなた、本当に妄想癖を患っているんじゃないかしら?」
セナ「冗談はよしてくれ。本当だよ。信じてくれ」
アイエフ「いつか私自身の目で見てみたいわ。にわかには信じられない話ですもの」
セナ「まあ、信じれなくて当たり前だと思うさ。……クロワール、もう一度俺の目の前に出てこないかなぁ」
アイエフ「イストワールって人は見てないの?」
セナ「うん。なんかよくわからないけど、天の声が急に途絶えた」
アイエフ「ふぅん」
セナ「ところで、アイエフ」
アイエフ「なあに?」
セナ「俺たちはどこに向かってるんだ?」
アイエフ「どこにって、ホテルよ」
セナ「……え?俺たちセックスするの?」
~二人、歩みを止めてしばし黙る~
セナ「…………」
アイエフ「…………」
~アイエフの顔がしだいに真っ赤になっていく~
アイエフ「はっ……ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!!!???バ………バッカじゃないのッ!?!?!?!?」
セナ「いや、その、だって、ホテルって」
アイエフ「ホテルってのは宿のことよ!!決して、そ、その……は、裸で抱き合うほうのホテルじゃないんだからッ!!」
セナ「わ、わかったから、アイエフ落ち着こ?ね」
アイエフ「最低ッ!!変態!色欲まみれ!ヤリチン!!エッチマン!!」
セナ「あ……アイエフさん……?」
アイエフ「なによ!!!!」
セナ「周りを見渡してください……?」
~アイエフ、周りを見渡す、プラネテューヌを行きかう人々が、アイエフを変な目でじろじろ見ている~
セナ「」
アイエフ「」
~苦い顔のセナ、りんごのように赤面するアイエフ~
アイエフ「……行くわよ」
~トコトコと早足でその場から立ち去るアイエフ~
セナ「おっけ」
~セナはアイエフについて行った~