始まり
「……どうしてこうなった」
突然だが、俺は今誘拐されている。
姉の世界大会に無理矢理連れてこられたと思ったら、ドラマとかでよく見る変な薬を嗅がされ、気づいたら縛られてた。
何の大会かと聞かれたら、IS……正式名称『インフィニット・ストラトス』の大会、モンド・グロッソの決勝戦だ。
俺は留守番して友人の弾や数馬と遊んでいたかったが、渋る俺に構わず無理矢理連れてきやがった。
ハァ……、俺の人生って波乱万丈だよな……。
俺には姉の様に何か特筆するべき特徴が何もない。故に何時も比べられ、なじられ、虐められた。
やれ「それでも千冬様の弟なの?」とか、やれ「こんな問題も解けないのか」とか、やれ「劣等品」とか……もう数えきれないな。
ってか劣等品とか酷くね?俺は俺なのに、誰も俺を俺として見てくれない。
見てくれるのは、友人の弾や数馬……駄目だ数えるほどいないや。
姉も姉で、「お前なら出来る」だの、「何も言わなくて良い」だの録に俺の話を聞こうともしない。
故に俺は姉を無視し続けた。多分この大会に連れて来たのも、これを機に仲を直そうとか思っての行動だろうな。
ってかあの人がISなんて作らなかったら俺もこんな目には……、いやISが出来る前からもこんなことがあったからな。
「おい坊主、目を覚ましたか」
……と、色々考え事してたら目の前に黒い格好した如何にも「怪しい人です」なおっさんがいた。
それも数人。
「織斑千冬に優勝されちゃ困るんでな」
「家族を誘拐されたら、流石の織斑千冬も試合を放棄するはずだからな」
なんてどや顔で話してくるおっさん達にうんざりする。
とそこに、
「おい、大変だ!!」
また黒い格好したおっさんが慌てた様子で入ってきた。
何事かと思い耳を傾けたが、俺はその内容に
耳を疑った。
「織斑千冬が試合に出てるぞ!」
……は?
「何だと!?ちゃんと日本政府に伝えたのか!?」
「くそが!所詮は劣等品って事か!?」
「このやろぉ!!」
おっさん達はこの知らせに怒り狂ったのか、八つ当たりの如く俺を殴ってきた。
足で蹴られながら、鉄パイプで殴られながら、俺は頭の中で呟いた。
この世界は、残酷だ。
それは、俺の心が破滅した日だった
目の前のおっさん達はひたすら八つ当たりして気が済んだのか、俺の頭に拳銃を押し当てた。
俺は意識が朦朧とするなかで、おっさんの言葉を聞いた。
「あばよ、劣等品。恨むなら姉を恨みな」
そして、引き金が引かれた……
ドォォォォンッ!!
と思いきや、引かれる前に誰かが扉をぶち破って来たらしい。
「なっ!?奴等は!」
「逃げろ!アイツらだ!!」
「くそったれ!全部この坊主のせいだ!」
どうやらコイツらを追ってきたらしい。
あ……もう限界だ…。
ゴメン。弾、数馬……。
誰かが俺に近づく気配を感じたが、俺は意識を手放した。
一夏side out
オータムside
今、私はある組織が現れたという情報を受け、ドイツに来ていた。
その組織の名は
ISを違法的な事……例えばテロなんかに利用している悪どい組織だ。
私らはそういう風な、テロリスト等を鎮圧する組織なんだ。
……っと目標まで後少しだな。
私は目標の場所までたどり着くと、扉を蹴っ飛ばした。
「そこまでだ!亡国機業!」
「なっ!」
どうやら下っぱしかいない様子だな……。
だが、問い詰めれば奴等の構成が分かる筈。
私は部下に奴等の追跡を命じた。
すると、私の瞳にある少年が映った。
「なっ!こいつは……」
織斑一夏……スコールの資料通りなら今行われてるモンド・グロッソに出場してる織斑千冬の弟……。
多分織斑千冬の優勝阻止の為に誘拐したのか……。
だが、織斑千冬は大会に出てる。まさか!?
「おい!しっかりしろ!大丈夫か!?」
織斑一夏は酷い有り様だった。
体のあちこちから血を流し、今にも死んでしまいそうな体たらくなのは、医者じゃない私にも分かった。
「……取り敢えずは!」
私は出来る限りの応急措置を施し、織斑一夏をうちの企業に運んだ。
絶対、死なせやしねぇからな!!
オータムside out
IS ~黒き魔進~
一夏「俺は……誰だ……?」
スコール「私はスコール・ミューゼル」
オータム「アイツには、教えない方が良いのかもな……」
IS ~黒き魔進~ 『出逢い』
黒き追跡者はその瞳に何を写す………?