ワールドパージ編のセシリアの時の一夏の格好が完全に楳図かずお先生だった(驚愕)
クラス代表決定戦までの間、チェイスは何もしていなかった。
彼にとってセシリアとの決闘は、大切な家族のスコールやオータム、友のカイトや弾と数馬を馬鹿にした彼女への報復の気持ちが多い。
する事と言えば、彼女の専用機のデータを見て、どの様にボコろうか考えるだけだった。
更に言えば、彼女とチェイスの実力差は大きく、勝負になるか分からない、と先日カイトに言われたばかりだ。
序でに言うと、自分にしつこく剣道部への勧誘を続ける箒を文字通り締め上げたりしたことも追記しておく。
そして当日、
第一ピットにて、千冬、真耶、箒、そしてチェイスがいた。
セシリアはもうアリーナの上空にて待機していた。
「あの~、ミューゼル君、ISスーツは……?」
ISスーツを着ていないチェイスに、真耶が突っ込むが、チェイスは相変わらずぶっきらぼうに返事を返す。
「……問題ない」
懐からブレイクガンナーを取りだし、掌に押し付けると、待機音が流れ出し、千冬達は驚く。
「……変身」
《Break up!》
次の瞬間には、チェイスは魔進チェイサーに変身していた。
「これがミューゼル君のIS……」
「……」
「一夏……」
全身装甲の為に顔が見えないが、チェイスは上空に待機しているセシリアを睨み付け、
『チェイス・ミューゼル、魔進チェイサー……出る……!』
黒き魔進は今、蒼天の元に飛び出した。
「あら、遅かったですわね。私に怖じ気づいて逃げ出したかと思いましたわ。それにしても……酷い外見ですわね、まさしくスクラップと言う言葉がお似合いですわ」
『…………』
全身装甲と言う今までにないISにセシリアは内心驚きながらも、自身を鼓舞する意味でチェイサーを挑発した。
無論、それをチェイサーは無視する。
その様子にセシリアは僅かに苛立つも、試合開始のブザーが鳴ったにも関わらずチェイサーを挑発する。
「今からチャンスを与えますわ。この勝負の結果は私が勝つことは明白の理。ここで泣いて土下座をすれば許さないこともーーーぐぅ!」
ペラペラ語るセシリアを無視し、ブレイクガンナーを発砲した。
セシリアは話を中断された怒りで肩を震わせる。
「あ、貴方ねぇ!人が話している時に発砲するなど……!」
『もう試合は始まってる……。それに関わらずペラペラ戯れ言をほざく貴様が悪い』
「なっーーー」
《Break》
そう言ってセシリアがライフルを構えるより速く、チェイサーはブレイクガンナーのモードを切り替えてセシリアに殴りかかる。
『遅い……』
「あぐぅ?!」
セシリアは一気に肺から空気が抜けていく感覚を初めて味わった。
それほどにチェイサーの一撃は強く、そして容赦なかった。
そんなセシリアに構わず、チェイサーは肘打ちでセシリアを宙に浮きあげ、頭上から殴り付けた。
『はぁっ!』
「きゃああああ!!」
セシリアは殴られた勢いに乗ってアリーナの地面に叩きつけられた。
何とか立ち上がったセシリアだが、
《gun》
チェイサーはブレイクガンナーから光弾を放ち、セシリアに容赦なく追撃する。
たったそれだけの短い時間にセシリアのシールドエネルギーはどんどん少なくなっていた。
「ぐぅっ!あぁっ!……よくもやってくれましたわね……!」
セシリアは立ち直り、腰に装着されたBT兵器、『ブルー・ティアーズ』を起動させる。
「さぁ、踊りなさい!私とブルー・ティアーズが奏でるワルツで!」
『…………』
そう言って畳み掛ける様にチェイサーに攻撃するも、チェイサーはそれを易々と避けていく。
『やはり
偏向射撃が出来ないセシリアのビット攻撃は直線的過ぎ、更にライフルと同時に使用出来ない為、チェイサーにとってはこの攻撃は遅く見えてしまう。
「くっ!何故当たりませんの!?」
全くチェイサーに当たらない為、セシリアが苛立ちの声を上げる。
だが、そんな彼女を更に絶望が襲い来る事に。
「なっ!ティアーズが……!」
射撃の筋を完璧に見切ったチェイサーによって、ティアーズがどんどん撃墜されていってしまった。
驚愕に目を見開くセシリアは一種動きが止まってしまう。
だが、その一瞬が命取りだった。
4機のティアーズを破壊したチェイサーは此方を見て硬直しているセシリア目掛けて、ブレイクガンナーで撃ちまくり、更に接近してブレイクガンナーで殴りまくる。
「ああぁぁぁっ!!!」
装甲の所々に亀裂が走り、シールドエネルギーも100を切ったセシリアは悟った。
この者は自分がどれだけ撃ち込んでも、全く勝てない、と。
故に、自分はどれだけ強大な男に喧嘩を売っ
てしまったのか、激しく後悔し始めた。
『勝てる、訳がありませんわ……!』
だが、この死神はそんな暇も与えない。
《Execution……!》
セシリアを完全に落とすべく、チェイサーはエネルギーを溜めながら、セシリアに接近する。
最早先程の銃撃で、ライフルと腰に残されたミサイルビットも破壊されている。
残された物は、自分の苦手な接近戦用のインターセプターだけだった。
最後にセシリアの瞳に写ったのは、自分に引導を渡すべく、その拳を向ける魔進チェイサーの姿だった。
セシリアは、後ろに鎌を持った死神がチェイサーに被って見えた。
《Full break!》
『沈め……!』
溜め込んだエネルギーを一気に放出し、セシリアに叩き込んだ。
当然セシリアは悲鳴を上げることすらままならず、アリーナに落下し気絶した。
そんなセシリアを一瞥する事なく、チェイサーはピットに戻った。
『つまらん……やはりオータムやカイトとの組み手が一番だな……』
一方、管制室では……
「す、凄いです~……」
「何だ、あの実力は……!?」
千冬と真耶がチェイサーの圧倒的なまでの実力に震えていた。(因みに箒は千冬が叩き出した)
『仮にも代表候補生のオルコットをノーダメージで……一夏、お前は一体……?!』
と、考察する千冬達の元にチェイサーが帰ってきた。
チェイサーは変身を解除しチェイスに戻ると、無表情で千冬に告げる。
「クラス代表はアイツにやらせろ……俺だとバランスが崩れるのはこれで明白だ……」
そう告げると、チェイスは管制室を出ていこうとする。
「ま、待て一夏!」
止めようとする千冬だったが、次の瞬間にはブレイクガンナーから煙が出ていた。
「何度言えば分かる……?俺はチェイス・ミューゼルだ。次に俺をその名で呼ぶのなら……教師と言えど殺す。覚えておけ……!」
頬から流れ出る血に触れ呆然とする千冬を睨み付け、チェイスは管制室を出ていった。
「中国から……?」
『ええ、代表候補生が来るわ』
部屋に戻ったチェイスはスコールと通信をしていた。
「まさか、スパイの可能性も……」
『否定は出来ないわ、十分に気をつけてね』
「あぁ、分かってるよ」
『それと、今度魔進チェイサーの新しい追加武装をそっちに送るわ』
「感謝する」
通信を終えたチェイスはベッドに寝転がり、そのまま眠りについた。
同じ頃、IS学園の整備室ではーーー
「彼、凄く強かった……」
眼鏡をかけたある生徒が黙々と何かを作っていた。
そして思い出すのは、さっきの一組のクラス代表決定戦の事。
「チェイス・ミューゼル……」
今期待の男性IS操縦者、そんな彼が代表候補生のセシリアを完膚なきまでに叩きのめした、その事実に彼女は驚愕した。
だが、同時にどうしてあんなに強いのか興味が沸いた。
「彼に聞けば、彼に教えを請えば、私も強くなれるかもしれない……」
水色の髪をしたその少女は、手にした写真を見詰める。
そこには少女に似たもう一人の少女が仲良さげに写っていた。
IS ~黒き魔進~
チェイサー『これが、新しい武装……』
???「教えて……!どうしたら、そんなに強くいられるの?」
???「初めまして、チェイス・ミューゼル君」
《Tune Chaser Spider!》
IS ~黒き魔進~ 『武装』
黒き追跡者はその瞳に何を写す……?