決してめんどくさいとかそう言う訳ではないですよ、良いね?
チェイス「へー(白目)」
タッグマッチトーナメントの騒動の翌日、シャルルが女として再転入を果たし一悶着あったが、チェイスは何処吹く風の様子。
更にラウラがチェイスに土下座をしてきたのは完全な余談だろう。
そして、現在チェイスは大型ショッピングモール「レゾナンス」に来ていた。
来た理由は来週から始まる臨海学校の準備の為である。
と言っても水着類を買うだけだが。
そんな訳で水着コーナーに足を踏み入れ様とすると、
「ちょっとそこの貴方!これ、元の場所に戻しなさい」
近くの女性水着コーナーにいた女性にいきなり命令された。
だがチェイスはそれを無視する。
「待ちなさいっ!男の癖に……!」
追いかけようとした女性に、何者かが足を掛けた為、女性は派手にスッ転んだ。
「あぐぅっ!」
「だっさい転け方ですね~」
「……カイトか」
その正体はカイトだった。
後ろから更に弾と数馬も警官を連れてやって来た。
「お巡りさん、コイツです!」
「何度も突っかかろうとしてました!」
「アンタ、何度忠告したら分かるんだ……!もう逮捕だな!」
呆気なく御用となった。
「何故お前らがここに……」
久しぶりの挨拶も無しにチェイスはカイト達に尋ねた。
「イヤー夏も近いしね~、水着買っとこうかな~ってさ」
「そしたら馬鹿に威張り散らしてるオバサンがいたから」
「何だと思って見たらチェイスに怒鳴り散らしてるからさ」
それぞれ答える3人。
「所でチェイスは?珍しいじゃない、君がここにいるの」
「……臨海学校の水着を買いに来た」
「……一人でか?」
「……女子に水着を選ばせろと?」
「そうだったな……」
そんな事を話ながら、チェイスは適当に黒の水着を選択し、会計に向かう。
「はやっ!流石に適当過ぎじゃね……?」
「水着なんて何れも同じだろう……」
「いや、普通は魅せる物だよ?」
「カイト、それは女性にしか当てはまらない」
と、カイト達が選んでるのを眺めてると、
「あれ、ミューゼル君ですか?」
「……アンタは」
山田真耶がチェイスに近づいてきた。
「奇遇ですね~、ミューゼル君も水着を……ってもう買ったんですか?」
チェイスの手に握られてる袋を見て、感心の声を上げる。
「お待たせチェイス……ってそちらは?」
カイト達が真耶に気付き、チェイスに声を掛ける。
「ミューゼル君のお友達ですか?」
「……まぁ、そんな物だ」
「初めまして。ミューゼル君のクラスの副担任の山田真耶です」
丁寧にお辞儀をする真耶を見て、カイト達も慌てながら、
「は、初めまして!チェイス君の友達の色川カイトです!」
「五反田弾です!チェイスの友達やらせてもらってます!」
「同じく友達の御手洗数馬です!」
「……お前ら」
丁寧にお辞儀を返す3人に苦笑いする。
「良かった~、ミューゼル君ちゃんとお友達いるんですね~!」
「そりゃあいますよ!……でチェイス、学校で孤立とかしてないですか?」
いきなりオカンみたいな質問をする弾に溜め息を吐くチェイス。
だがそんなチェイスに構わず、真耶は語り出す。
「そんなことないですよ~!基本無口で無愛想ですけどちゃんと勉強もしてますよ♪」
「へ~、そうなんですか~」
カイトはにんまりしながらチェイスを見て、チェイスはその視線に小さく舌打ちする。
「後最近甘いものが好きだと言う事を知ったんですよ~!」
「そうなんですよ!コイツ結構甘いもの好きなんです!」
「オイ……!」
恥ずかしくなってきたチェイスは止めようとするも、話はどんどんヒートアップしていく。
「凄く強くて、無愛想だけどたまに年相応な面もある良い生徒ですよ~」
「そうですか~!これで安心してチェイスのお母さんに報告出来ます!ありがとうございました!」
「オイ、マジで言うのか……?」
「当然!」
「一番心配してたのスコールさん達だぜ?報告するのは当たり前だろ?」
そう言って、カイト達は帰っていった。
「賑やかなお友達ですね、ミューゼル君」
「賑やか過ぎる……」
頭を抱えるチェイスに真耶はクスッと小さく笑う。
「何が可笑しい……?」
「そう言う意味の笑いじゃないですよ」
そう言って笑う真耶にチェイスは首を傾げる。
「あ、そうだ!……ミューゼル君」
「……?」
顔を赤らめ、指をもじもじさせる真耶を待つチェイス。
「折角なんで良かったら水着を選んでくれますか……?」
「……俺は女が好む様な物は分からんぞ」
「大丈夫です!見て感想を言ってくれるだけで良いので!」
勢いよく迫る真耶にチェイスは少したじろぐ。
そして数秒考えて、
「……分かった」
「っ……!ありがとうございます!」
花が咲く様な笑顔でチェイスの手を握った。
いきなり手を握られたチェイスは少し動揺する。
「お、オイ……」
「あ!ごめんなさい……!」
そんな微妙な空気を醸し出しながら女性水着コーナーに移動した。
「ど、どうですか……ミューゼル君?」
真耶が試着室のカーテンを開けると、そこには水色のビキニを着けた真耶がいた。
抜群のスタイルを持つ真耶に良く似合っていた。
「……色は此方の方が良いと俺は思う」
そう言ってチェイスは黄色のビキニを手に取った。
「そ、そうですか?じゃあちょっと待ってて下さいね」
カーテンを閉め、暫くするとまたカーテンを開けた。
黄色のため、活発そうな印象になっていた。
「それで良いと思う……他はどうか分からんが」
「じゃあこれにしますね!」
真耶は早足で会計に向かって行った。
『スコール達以外の人物で、こんなに安らぐのは初めてだな……』
真耶の後ろ姿を眺めながら、チェイスはふと自分の心が安らいでいるのを感じていた。
選んで良かったかもしれない、そう考えるチェイスだった。
そしてこの後、チェイス御用達のコーヒーゼリーを真耶に奢るのであった。
そして帰りのモノレール。
チェイスは穏やかな顔で眠っており、それを真耶が優しく見守っていた。
『ミューゼル君、やっぱり可愛いなぁ~……』
真耶は自分の胸に手を当てる。
心臓がいつもより速く鼓動を打っているを感じていた。
『やっぱり……好きになってる。ミューゼル君、ううん、チェイス君の事を……』
それを自覚すると同時に顔が赤くなる。
『これが、人を好きになるって事なんだ……』
胸が暖かくなる、そんな事を感じながら真耶はチェイスをじっと見詰めていた。
真耶は知らない。
チェイスがこんなに穏やかな顔を見せるのは、真に心を許した人物だけだと言う事を……。
フリーダム・スカイ社長室。
「本当に大丈夫なの?ーー」
『心配し過ぎよ。スコール』
スコールがとある人物とパソコンで通信をしていた。
『それにいざとなったら、貴方の愛しの息子が助けてくれるんでしょ?』
「それは、そうだけど……」
『大丈夫よ、スコール』
「……気をつけてね、ーー」
『ええ』
そう言ってスコールは通信を切断する。
『チェイスの臨海学校……何も起こらないと良いのだけれど』
IS ~黒き魔進~
チェイス「新しいバイラルコア、か……」
オータム「新参者にチェイスは譲れねぇな!」
真耶「ミューゼル君は諦めません!」
IS ~黒き魔進~ 『一時の平穏』
黒き追跡者はその瞳に何を写す……?