IS ~黒き魔進~   作:ふくちか

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今回はぶっちゃけタイトル詐欺です

後半重たいです


4/3 最後の文を少し増やしました


『休暇』

臨海学校での課程を終え、IS学園に戻ってきたチェイス達。

チェイスだけは唯一バイクだったが。

 

 

 

 

その翌日、夏休み前最後の集会が終わってすぐのHR。

 

「ご、五半田弾です!え~っと、宜しく!」

「御手洗数馬。趣味はエロゲ…ゴホン、ゲームだ。まぁ、宜しく」

「色川カイトです!好きな女の子のタイプは大人しめの女の子です!!」

「立花優です!好きな教科は歴史です!」

「立花百合です。兄さん共々宜しくお願い致します」

「「「きゃあーーーーーーーーー!!!!!!」」」

 

転入が決まっていた弾達は、2学期を待たずして入学する事になった。

当然、男子が一気に増えたため女子の脳細胞はトップギアだ。

 

「男子が増えた!!それも4人!!!」

「やった!日頃の行いが実ったからだわ!!」

「女の子の方も可愛い~!」

「2学期からの授業が楽しみ~!!」

「夏コミの材料が増えたわ……!あァ、濡れてきた…!」

『『『『『何だろう、この寒気は………』』』』』

 

最後にどこからか聞こえてきた発言で、一気に背筋が冷えた5人だった。

 

「本格的な授業に入るのは2学期になる。ちゃんと夏休みの間に参考書を読んでおけよ」

「「「「「はーい」」」」」

「皆さん。明日から夏休みですが各自羽目を外しすぎず、それぞれがIS学園の生徒という自覚をもって有意義に過ごしてくださいね!」

「「「「「はーーい!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

HRが終わって、弾達はチェイスの部屋に集まる。

 

「それでどうする?夏休み」

「パーッとバーベキューでもするか?」

「これがあるだろお前らは……」

 

チェイスが静かに参考書を指さすと、弾とカイトがげんなりと顔を崩す。

 

「えぇ~、後で良いよそんなの」

「今は夏休みの予定を立てることが大事だぜ!勉強なんて後回しだ!」

「………後で泣き言言っても知らんぞ」

 

チェイスは呆れた様にため息を吐く。

 

「まぁ良いじゃん。今日ぐらいさ」

 

数馬がポンとチェイスの肩を叩いた。

それにチェイスは苦笑いで答えた。

 

「それもそうだな……」

「勉強し過ぎでも、あんまりコンディション良くないからな」

「時たま遊んで、ちゃんと勉強、ですね」

 

優と百合も苦笑いでつぶやいた。

と、ここで、チェイスの携帯が鳴った。

 

「ん……」

「誰からだ?」

 

それは楯無からのメールだった。

 

 

「……悪い、明日は用事が出来た」

「えーっ?」

「何だ、デートか?」

 

驚くカイトと、ニヤニヤしながら尋ねる数馬。

 

「そうだと言ったら、どうする?」

 

だがチェイスはにやりとして、聞き返してきた。

予想外の返しに、全員が固まる。

 

「……どうした」

「や、お前が冗談言うなんてさ」

「…悪いか」

 

そっぽを向くチェイス。

それに一同大笑い。

 

「笑うなっ!!」

 

 

顔を赤くしたチェイスの叫びが部屋に木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

「ない、ない!!」

 

何処かに存在する篠ノ之束のラボ、そこでは束が何かを必死で探していた。

 

「如何したのですか、束様」

 

すると、ラボの奥から一人の少女が現れた。

 

「あ、クーちゃん!大変なんだよ~!」

「大変?」

 

クーちゃん、と呼ばれた少女は首をかしげる。

彼女の名前はクロエ・クロニクル。

ラウラが普段隠しているのと同じ金色の瞳を持った少女だ。

 

「いっくんが使ってるあの銃みたいなのを複製出来たんだけど……」

「いっくん…?あぁ、チェイス・ミューゼルですか?」

 

実は束は臨海学校の際に、少しでも彼らの助けになろうとチェイスのブレイクガンナーを映像からではあるが複製に成功したのだ。

ただし、ライドスーツを実装していないガワだけの再現だが。

 

「けど?」

「それが見つからないんだよ~!!」

「……もしかして、泥棒?」

「クーちゃん、冗談は止してよ~。ここは束さんとクーちゃんしか場所を知らないんだよ?泥棒なんてそんな……」

 

 

 

ドォォォォォォォンッ!!!!

 

 

束が言い切る前に、外から謎の爆発音が聞こえた。

 

「何!?」

「束様、侵入者です!!」

 

クロエが慌てて束に伝えると、ラボの扉が強引に破られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『御機嫌よう、篠ノ之束博士。そして、さよならだ』

 

 

束とクロエの前に現れたのは、真紅の鬼に似た異形だった。

 

「何なのお前?コスプレ?だとしたら全然不細工だよ」

『フム。幼児的思考回路なのは、ブレンの調べ通りだな。お前が作ったゴーレムは悪いが全てお釈迦にさせてもらったよ』

「っ!?」

 

束は戦慄した。

自らが作った警備用ゴーレムは侵入者撃退プログラムを組み込んだ代物。

一機で一つの軍隊を壊滅出来るソレを全て退けた、と言ったのだ。

 

 

『さて、本題に入ろう……』

「っ、ぐぅ!」

 

真紅の異形は、束の首を締め上げ、持ち上げる。

 

「束様!!……っ!」

『おっと、動いてもらっては困りますね』

 

束を助けようと、専用機を展開しようとしたクロエだったが、背後から現れた脳の意匠が見られる緑の異形に止められ、何かをクロエの頭に注入した。

途端、クロエの体に強烈な痛みが襲いかかった。

 

「あぁぁぁぁっ…………!!!」

「クーちゃん!!お前、何したんだよ!?」

『何、俺の友達お手製の毒だ。あの娘が体内に医療用ナノマシンを宿した試験管ベビーでも、すぐに楽になれる』

「!!」

『心配するな。直ぐにお前も後を追うことになる』

「ぐぅ!!」

 

真紅の異形は腕に力を込め、束の首を強く締める。

束は苦悶の声を漏らした。

 

『そうだな、篠ノ之博士。死ぬ前に一つ良い事を教えよう』

「……っ?」

『何故絶対数が限られてるISコア、その内の108つが消えたのか……理由を知りたくないか?』

「まさか……っ」

『そう、俺達が盗んだのさ。とある国から貰い受けて、ね』

 

実は以前、467つ内の108つのISコアが行方不明になったのだ。

これに対し、各国は総力を挙げて捜索。勿論、束自身も捜索したが、結局見つからず、事件は迷宮入りとなった。

 

だからこそ、現在あるISは厳重な警備の元で使用されている。

コアが少ない以上、鎧だけ作っても仕方ないからだ。

 

『お前が生み出したコアは我らが有意義に使わせてもらったよ。この世界を、一度壊すためにね』

「!!」

『俺はね、博士。貴様が起こした白騎士事件を体験してるのさ』

 

そう、ポツリと語りだした。

 

『あの時、貴様は知る由もないだろうが、白騎士が往なしたミサイルの流れ弾が様々な人の命を奪っていった。貴様にとっては取るに足らない、虫けらの命かもしれんが……』

「……」

『俺にとっては大切な友達の命だった…!!』

「っ!」

 

すると、真紅の異形から蒸気が噴き出てきた。

 

『俺にとって最も大切な命が!!貴様らによって奪われた!!それに見向きもせず、貴様と白騎士…織斑千冬がのうのうと生きている……それが俺にとっては許し難い!!!』

「何っ、これ…!?」

『ふふ、全く。流石は稀代の天災だよ貴様は……。これ程自分を抑えらぬとは!!!』

 

辺りに体から湧き出た電流を無差別に飛ばし、機械類を破壊する。

 

『これ以上貴様にチョロチョロされると困るのでね……。あの世で貴様が奪った命達の呪詛の叫びを聞き続けると良い!!お前の親友もすぐに来るだろう、寂しがることはない』

「ちー、ちゃん……!」

『最後に、何か聞きたいことはあるかな?』

 

束は薄らと意識した。

もう、自分は助からないと。

 

「いっくん…の、誘拐は、お前……達が」

『あぁ。あわよくば彼女を弟の前で殺して、彼を引き込もうかと思ったが、結果、彼は政府に殺された。だが同時に、チェイス・ミューゼルとして生まれ変わった。織斑一夏としての記憶を引き換えに、ね。と言っても、貴様は知っているみたいだが』

「…!!」

『そう。貴様がISを産み出さなければ、彼は誘拐されることもなかった。下らない差別もない。だからこそ、俺はこんな矛盾だらけの世界を破壊する』

「………わ、私は…どうしてもいい、から……クー、ちゃん、だけは」

『……俺は貴様の頼みを聞く義理はないが、まぁいいだろう。ブレン、その娘の毒を解いてやれ』

『やれやれ。甘いお人だ』

 

溜息をつくと、緑の異形ーーーブレンはクロエの頭に手を置き、毒を抜き取る。

 

『ただし、暫くは動けませんよ』

『構わん。その娘は、俺達で預かる。さぁ、篠ノ之束。安らかに…………逝け』

 

真紅の異形は腕に力を込めた。

 

 

 

あぁ、こんなことになるなら、箒ちゃんと仲直りしておけば良かったなぁ。

 

ちゃんと、いっくんに向き合ってあげれたら良かったなぁ。

 

 

 

でも、一番はーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、束の意識は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あの天災、篠ノ之束も終わりか……呆気ないな』

『ハートにかかれば、容易い事です』

『んで?その嬢ちゃんどうすんだ?』

『それは、ハートが決める事です』

 

 

 

 

直後、束のラボがあった場所で大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃……

 

 

ピシィッ!

 

「……!」

 

自室にて謹慎している箒の戸棚に置かれた束との写真立てのガラスーーーー束の写っている位置に、皹が入った。

 

「………姉さん」

 

 

 

 

 

 

 

 




IS ~黒き魔進~

楯無「ごめんね、ミューゼル君。つき合わせちゃって」

簪「頑張れ、お姉ちゃん!」

数馬「…なんで俺まで?」

IS ~黒き魔進~ 『逢瀬』


黒き追跡者はその瞳に何を写す……?

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