「……………………朝か」
窓から差す日の光に照らされて、チェイスは目を覚ました。
時間を確認すべく、手を伸ばすと、
ふにょん
「んっ…」
チェイスの手に何やら柔らかい感触が広がり、更に艶かしい声が聞こえた。
「……?」
疑問に思い、少し強く手を動かすと、
「あっ……んん…!」
声は大きくなり、それは少し熱を帯びてきていた。
『まさか……』
チェイスは嫌な汗を流して体を起こすと、布団を取り払った。
そこには、
「はぁ……ふぅんっ………///」
顔を赤らめたスコールが一糸纏わぬ姿で横たわっていた。
チェイスの手に掴まれていたのは、スコールの豊満な胸だった。
「なっ…!」
バッとスコールから離れるが、ここでチェイスも自身の姿を見て驚愕した。
「な、何故……裸なんだ」
そう、チェイス自身も何も着ていなかったのだ。
混乱するチェイスだったが、直ぐ様思い出した。
「そうだ。俺は、昨日……」
昨夜は、養母であるスコールと交わり合い、そのまま寝たのだ。
その瞬間に思い出されるのは昨日の、いや数時間前の情事。
お互い獣の様に求め合い、想いの丈をぶつけ合った夜。
羞恥心も何もかも捨て去ったスコールはチェイスを激しく求め、チェイスもまたスコールに自分の想いを何度も解き放った。
それを思い出したチェイスは、柄にもなく顔を真っ赤にした。
すると、スコールが身動ぎしながら起き上がった。
「んん……チェイス、お早う」
「あ、あぁ……お早う、母さん」
何時も通りの挨拶をするが、スコールは不満そうに頬を膨らませた。
「もう……昨日言ったじゃない。二人きりの時は名前で呼んでって」
「す、すまない。まだ慣れなくてな……スコール」
苦笑いしながら改めて名前で呼ぶチェイス。
すると、スコールは少し顔を赤らめてチェイスを見詰める。
心なしか息も荒くなっている。
「ねぇ、チェイス……私ね、何故か身体が熱いの」
「そ、それは……何故だろうな?」
その言葉にドキッとしながらも何とか返す。
原因は自分、何てある意味自殺行為な真似はしない。
だがスコールは妖艶に微笑むと、チェイスに身体を擦り付ける。
「す、スコール?!」
「だから……し・ず・め・て?」
「や、もう朝だぞ…?」
「風呂場でなら大丈夫よ。それとも……朝の露天風呂で?」
「………………分かったよ」
溜め息を吐いて、チェイスはスコールをお姫様抱っこをして風呂場に連れていく。
そこから先は二人だけの秘密だ。
「よう、お二人さん」
「昨日はお楽しみだったわね?」
風呂場で情事を終えた二人は早速オータムとナターシャにからかわれた。
「まぁ、な……」
「ええ。存分にチェイスを味わったわ♪」
気まずそうに答えるチェイスと、実に楽しげに答えるスコールを見て、二人は溜め息を吐く。
が、次の瞬間とんでもない爆弾を投下した。
「けどこれで遠慮なくチェイスに迫れるな~!」
「私達、全く諦めないから。ね♪」
「!?」
その爆弾発言にチェイスは朝食を喉に詰まらせた。
「私もチェイスが望むなら、ハーレムでも構わないわ♪」
「か、母さん!」
更にスコールまで肯定的な発言をした為に、チェイスは無駄に顔を真っ赤にさせられた。
『だが全員の想いを受け止めるなら……俺は…』
だがほんの少しだけ、ハーレムを考えるチェイスだった。
束の間の旅行を終え2日後、チェイスはIS学園のアリーナにいた。
チェイスに相対するように、そこには優が立っていた。
「悪いねチェイス。付き合ってもらって」
「いや、構わない。そう言えば、弾達は?」
「弾とカイトならISの予習、百合と数馬はその付き添いだよ」
「アイツ等……」
勉強が嫌いな二人を思い浮かべ、チェイスは苦笑いする。
対する優も苦笑い。
「まぁ、あんな参考書の厚さを見たら嘆くのも仕方ないけどね」
「……分からんでもないな」
チェイスはそうぼやきながらもブレイクガンナーを構える。
「それは兎も角……スコールからの伝言だ。今から使うシフトカーはまだ試作段階だ。フルパワーで使うな…との事だ」
「あぁ、分かった……来い!デッドヒート!」
優が叫ぶと、何処からともなく赤いシフトカーがやって来て、優の手に収まった。
それは以前スコールが作っていた白のシグナルバイクが付いたシフトカーだ。
「でも、何でデッドヒートなんだ?」
「スコールが言うには、亡国機業のある男に対抗するためらしいが……」
「まぁ使ってみれば分かるか!じゃあ……」
「行くぞ…」
「「変身!!」」
《Break up!》
《ドライブ!タイプデッドヒート!!》
チェイスは魔進チェイサーのスーツを纏い、優は赤いエネルギーとタイヤエネルギーに包まれ、ドライブタイプデッドヒート(以下TDH)に変身した。
『うぉぉ!何かマッハっぽい…!』
ドライブTDHの言う通り、タイプデッドヒートはマッハのライドスーツを纏い、その上にドライブの通常形態に当たるタイプスピードの装甲が取り付けられている。
更に、左肩にはマッハに装備されているシグナルコウリンが設けられており、その中に書かれたメーターらしき物にも目を引く。
『いっくぜー!』
ドライブTDHは瞬間加速を使い、一気にチェイサーに接近。赤い蒸気を纏ったパンチを放った。
『ッ!』
チェイサーはそれを急上昇してかわすと、ドライブTDHはその場で身構えて力を込めた。
『ハァァァァッ……!オリャァッ!!』
何とドライブTDHはタイヤを模した赤いエネルギーを生成、それをチェイサーに向けて蹴っ飛ばした。
『なっ……ぐぁぁぁっ!!』
想定外の攻撃にチェイサーはかわす事が出来ず、直撃を許してしまう。
たったの一撃でチェイサーの装甲から煙が上がった。
『おぉぉぉぉッ!!』
《デッドヒート!》
ドライブTDHは接近しながらシフトブレスのブーストイグナイターを押す。
シフトデッドヒートのエネルギーが拳に行き渡り、そのまま連続でパンチを繰り出す。
《Tune!chaser turtle!》
それを見たチェイサーは直ぐ様立ち上がり、タートルバイラルコアを装填、シェルディフェンサーで正面から受け止めた。
『うらららららら!!!』
『ッ……何てパワーだ!』
《デッドヒート!》
『おおりゃぁぁっ!!』
更にだめ押しでブーストイグナイターを押し、フルパワーのストレートを放つと、シェルディフェンサーは粉々に砕け散った。
『なっ………』
『でゃぁっ!!』
『ぐぁぁぁっ!!』
驚いた隙に放たれた左ストレートを諸に喰らい、チェイサーはアリーナの端まで吹っ飛ばされた。
『……って、やり過ぎた!!チェイス、生きてるか~!?』
ドライブTDHは慌ててチェイサーに駆け寄る。
ドライブTDHが着くと、チェイサーのスーツが解除されており、チェイスに戻っていた。
「勝手に殺すな……!」
『良かった~……』
ホッと一息吐いて、ドライブTDHは変身を解除した。
優はシフトデッドヒートを繁々と眺める。
「凄いなー、これ……下手すると暴走するな」「まぁ、デッドヒートだからな……」
「使いどころ考えないとな…」
「……そうだな」
IS ~黒き魔進~
弾「もう夏休みも終わりか~……」
ハート「俺はハート。亡国機業のトップだ」
チェイサー『使わせて貰うぞ……!』
IS ~黒き魔進~ 『限界点VS限界点』
《Tune!chaser Dead Heat!》
黒き追跡者はその瞳に何を写す……?