IS ~黒き魔進~   作:ふくちか

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漸くチェイス君達とハート様が邂逅します


最新話のハートも改造しときながら友達と呼ぶ辺り、結構ブッ飛んでるんだなと認識しました


『限界点VS限界点』

 

『はぁ!』

『うおっと!?』

 

夏休みもいよいよ終わりに近づく中、IS学園のアリーナではバロンとマッハが特訓をしていた。

 

『行くぜぇ!!』

『っ!』

 

バロンはバナスピアーをコールし、マッハに鋭い突き攻撃を仕掛け、マッハはそれを何とかかわしていく。

 

『おりゃあっ!』

『甘いぜっ!』

『なっ!?ぐぅっ!』

 

バロンの放った刺突攻撃を見切り、マッハは僅かに体を浮かし、バナスピアーに手を掛け、カウンターの蹴りをお見舞いする。

予想外のカウンターにバロンは防げず、アリーナの地面に叩き付けられる。

 

『今度はこっちから行くぞ!』

《シグナルバイク!シグナルコウカーン、カクサーン!》

『ハッ!』

《カクサーン!》

 

倒れ伏すバロンに容赦なく、マッハはシグナルカクサーンの能力で拡散させたエネルギー弾を放つ。

 

『のぉっ!?殺られてたまるかぁ!』

 

対するバロンは弾丸の雨霰を掻い潜り、マンゴパニッシャーで弾いていき、その最中にゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを一回引き絞った。

 

『喰らいやがれ!』

《レモンエナジースカッシュ!》

『うぃ!?ぬわぁぁぁぁっ!!』

 

エネルギーを込めたマンゴパニッシャーを振り回してマッハに向けて投げた。

油断しきっていた所への一撃を諸に受けて、マッハも地面に落ちる。

 

 

 

『いっちっち………!やってくれるな!』

 

マッハは即座に立ち上がるが、両者共に満身創痍の状態。

 

『これで、決めるか……!』

『へっ、上等…、恨みっこ無しだぜ!』

《レモンエナジースパーキング!》

《ヒッサツ、フルスロットル!マッハ!》

 

バロンはシーボルコンプレッサーを2回絞り、マッハはマッハドライバー炎を操作し、お互い足にエネルギーを集中させて飛び立つ。

 

 

『せいぃぃぃぃっ!!』

『でやぁぁぁぁっ!!』

 

キックマッハーとキャバリエンドがぶつかり合い、マッハとバロンはお互い弾き飛ばされる。

 

 

『うわぁぁぁっ!?』

『ぐぁぁぁぁっ!?』

 

地面に叩き付けられ、二人のライドスーツは解除される。

 

「いって~……引き分けか…」

「くっそぅ…!」

「おい、昼飯だぞ……」

 

悔しがっている弾と数馬に、弁当箱を抱えたチェイスが寄ってきた。

 

「お、チェイス!」

「サンキュー!」

「お礼なら布仏先輩に言え……」

「え、虚さんが?!」

 

生徒会で、二年上の布仏虚の名前を聞いた弾は嬉しそうに弁当を食べる。

 

「別にお前に作った訳では……」

「まぁまぁ良いじゃん。片思いの特権ってやつで」

 

チェイスは呆れながら突っ込むも、数馬に諌められる。

当の数馬は面白そうに弾を見ながら弁当を食べる。

 

「そう言えば、カイト達は?」

「カイトは用事。優と百合は勉強」

「偉いな~」

「お前も見習え、弾…」

「俺、勉強苦手だし……」

 

 

 

 

 

 

「楽しそうな会話だな。俺も混ぜてくれるか?」

「「「!?」」」

 

と、会話していると、チェイス達の後ろから

聞き覚えのない男の声が聞こえ、驚いて振り向いた。

 

「やぁ、世界初の男性IS操縦者の諸君」

 

そこには、真紅のコートを着こなした男がニコニコとこちらを見ていた。

 

「あ、アンタ一体……?」

「俺はハート。そうだな…………………

 

 

 

 

 

 

君達が追っている亡国機業のトップだ」

 

その男ーーーーハートが言ったとんでもない事実に、チェイス達は耳を疑った。

 

「なっ……亡国機業の、トップだと?」

「あぁ。そして、今日は挨拶に来たのさ。君達がどれぐらい強いのか………ね!」

 

ハートは立ち上がると、手を広げて低く唸りだした。

 

 

 

「むぅぅぅぅぅ………………くぁぁっ!!」

 

すると一瞬にして、ハートの体が機械染みた異形へと変貌した。

 

 

「か、変わった……?!」

『驚いたかい?亡国機業とは、機械人間ーーーー"ロイミュード"の集まりさ…』

「ロイ、ミュード……?」

『知っているのは、チェイス・ミューゼルだけの様だな……。だが厳密に言えば、"ISコアを心臓に埋め込み、身体をサイボーグにした人間"………だ』

「ISコアを心臓に!?」

 

驚愕する弾と数馬だったが、チェイスは一人ブレイクガンナーを構えていた。

 

「……弾、数馬、構えろ」

「…あ、あぁ!」

「こんなとこにノコノコ現れるって、飛んで火に入るなんとやらだぜ!」

《レモンエナジー》

『ふっ、ここにある監視カメラの全ては俺の仲間が細工を施してね、教職員には見えないし聞こえない。これで心置きなく君達と殺り合える、という訳だ』

「っ……!」

『怖じ気づいたかい?』

「…まさか!」

 

 

 

「「「変身!!」」」

 

 

 

《Break up!》

《レモンエナジーアームズ!Fightpower!Fightpower!Fi-Fi-Fi-Fi-F-F-F-FFight!》

《シグナルバイク!ライダー、マッハ!》

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

『うぉぉっ!』

『フンッ!』

 

先ずは先手必勝とばかりに、バロンがソニックアローで斬撃を見舞うが、ハートロイミュードはそれを空中に逃げることで回避する。

 

『隙だらけだ!』

『っ!』

 

お返しとばかりに、エネルギー弾を放とうとするが、

 

『させるか!』

《シューター!》

 

マッハのゼンリンシューターによってそれを相殺される。

 

『むぅん!』

『ははっ、良いコンビネーションだ!』

 

その隙にカメレオンバイラルコアで透明化したチェイサーが背後からハートロイミュードを殴り付ける。

が、それを探知したハートロイミュードは体を捻り、チェイサーの攻撃を避けた。

 

『かわした位でいい気になるなよ!』

《レモンエナジースカッシュ!》

『はっ!』

 

そこにバロンとマッハのコンビ攻撃が襲いかかり、

 

《Tune!chaser spider!》

『えゃぁっ!』

 

更に続けざまにチェイサーのファングスパイディーによる切り裂き攻撃で、二人の攻撃に体を向かわされる。

 

『ぐっ!』

 

前からの双撃は腕をクロスして防ぐも、チェイサーの攻撃によって地面へと落とされる。

 

マッハとバロンはそれを察知し、空中に逃げることで衝突を免れた。

 

 

『……やったか?』

『おい、フラグ』

 

バロンがボソリとフラグを建てたせいかどうかは分からないが、

 

 

 

『ぬぉぉぉっ!』

 

ハートロイミュードは瓦礫から立ち上がった。

 

『やはりあの程度では死なんか………』

『弾、お前のせいだぞ』

『お、俺!?』

『ハッハッハ!良い一撃だったぞ!しかし何だ。俺は空中戦が苦手でな~、それは君達も同じだろ?』

 

それを言われた3人は、無言で地面へと降り立った。

ライドスーツは基本、浮かぶことは出来るがあまり空中での戦いは向かないのだ。

 

『だったら、この土俵で貴様を倒す……!』

『ふむ、ここで倒されるのは出来ないからな……本気で行くか』

『はぁ?』

『見せてやろう、俺の怒り……………デッドゾーンを!!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………………………!!!』

 

ハートロイミュードは静かに唸ると、その全身から蒸気が噴き出し、アリーナの地面が凹んでいく。

 

『な、何だこのパワー……!?』

『これがデッドゾーン…………ISで言うところの単一能力(ワンオフ・アビリティー)、俺のISへの、この世界への怒りで生まれた力だ…!!』

『ISへの、この世界への怒り……だと?』

 

その言葉に反応するチェイサーだったが、ハートロイミュードが低く身構えた事でその思考を追いやった。

 

『行くぞ…………!』

 

ダッ、と駆け出したかと思うと、

 

 

 

 

 

『がっ………………!』

 

バロンとマッハが振り向いた瞬間に、チェイサーが殴り飛ばされていた。

 

 

 

 

ドゴォォォォォォンッ!!!!!

 

轟音を立てて崩れ落ちるアリーナの壁を見て、バロンとマッハの心に僅かに恐怖が走った。

 

『ちぇ、チェイスっ!!』

『見えなかった………何なんだよ?!』

『さぁ、次はお前達だ………!』

 

ダッと駆け出し、今度はバロンに掴み掛かった。

 

『っ!?』

『遅いっ!』

 

反応が一瞬遅れたバロンだったが、気付いた瞬間には、ハートロイミュードに首を掴まれていた。

 

 

 

『がっ、あぁぁぁっ!!!』

 

掴まれた手からスーツ越しでも感じる熱量に絶叫するバロン。

すると、ゲネシスドライバーから火花が散ったかと思うと、スーツが解除される。

 

『弾っ!?クソッタレェ!』

《ゼンリン!》

 

弾を解放させるべく、マッハはゼンリンシューターでハートロイミュードに殴りかかる。

 

『小賢しい!』

 

ハートロイミュードは弾を投げ捨てゼンリンシューターを体で受け止めた。

 

『なっ……!』

『どうした………それが全力でもあるまい!!』

『くっ!』

 

拳のハンマーを瞬時に避けると、そこにはクレーターが出来ていた。

 

『…!こうなったら……来い!デッドヒート!』

 

マッハと叫ぶと、赤いシフトカー……シフトデッドヒートがやって来て、マッハの手に収まった。

 

『何を見せてくれるんだ?』

『へっ、後悔しても知らねぇぞ……!』

《シグナルバイク・シフトカー!ライダー、デッドヒート!》

『うぉぉっ!!!』

 

赤いエネルギーフィールドに包まれると、マッハはドライブTSと混ざりあった様な姿ーーーーデッドヒートマッハに変身していた。

 

『ほぅ、その感じ……俺のデッドゾーンを擬似的に再現したのか』

『さぁ、これで五分五分だぜ……!』

 

そう呟くと、DHマッハは高熱を纏った連続パンチをハートロイミュードに放つ。

 

『うらぁぁぁぁっ!!』

『…………五分五分、だと?甚だしい!!』

『っ!』

 

だがハートロイミュードは呆れたように叫ぶと、DHマッハのパンチをいとも容易く受け止めた。

 

『その様な紛い物で、本当に俺のデッドゾーンに対向出来るとでも………見くびられたものだ!見ろ、これが真のデッドゾーンだっ!!』

『……………っ!!』

 

ハートロイミュードの思いに答えるように、全力から噴き出す蒸気が更に多くなる。

腕を掴まれたDHマッハは何とか逃げようとするも、ガッシリと掴まれているためどうすることも出来ない。

 

『こうなりゃ……一か八かァ!!』

《キュウニ、バースト!》

『無駄だぁ!!』

『おぉぉぉぉっ!!!』

 

空いた左手でブーストイグナイターを連打し超高熱を纏っての右ストレートでハートロイミュードに傷を負わせた。

 

『ぐぅ!だが、これで終わりだぁぁぁ!!』

『っ………………!!』

 

が、DHマッハはブッ飛ばされて、変身が解除される。

 

『ハァ、ハァ……!中々の一撃だったぞ、だが…………』

 

 

 

 

 

 

 

 

《gun》

『ヌッ!?…………お前』

 

数馬が倒れたのを確認した矢先に、後ろから何者かの銃撃を受ける。

 

『まだ、だ……!』

 

そこに立っていたのは、魔進チェイサーだった。

 

『………数馬、借りるぞ』

 

チェイサーは足元に落ちていたシフトデッドヒートを拾うと、ブレイクガンナーのバイラルライディングパネルにセットした。

 

《Tune!chaser Dead Heat!》

『ぐ……………………ぬぁぁぁぁぁぁっ!!!!』

 

赤い電気がブレイクガンナーから迸ると、チェイサー自身が赤いエネルギーフィールドに包まれ、その紫の装甲が赤く染まっていく。

 

 

 

 

『あぁぁぁっ!!!』

 

チェイサーはもがき苦しみながら、エネルギーフィールドを破り、その姿を現した。

 

『まさか、お前もデッドゾーンを……!』

『がっ、あぁぁぁっ!!!』

 

だが、チェイサーDHは膝を付いて息を荒げていた。

まるで、力を抑えきれないかのように。

 

 

『そうか………その奇妙なミニカーを使えはするが、そのスーツ自体がデッドゾーンの余りあるパワーを受けきれていないのだ!』

 

ハートロイミュードの言う通り、ブレイクガンナーによってシフトデッドヒートを使うことは可能ではある。

が、ブレイクガンナーで使えても、魔進チェイサーのスーツ自体、デッドヒートに対応出来るようにチューンアップされていないのだ。

 

それは、チェイス自身も分かっていた。

 

『それが、どうした……!』

 

だがチェイサーDHは痛みを無視してハートロイミュードに歩み寄る。

 

『止めておけ、それ以上はお前の体が持たん。俺でさえ未だに自我をデッドゾーンの圧倒的な力に流される事もあるのだぞ…………ましてや、初めて使ったデッドゾーンを、お前に乗りこなせると思っているのか!?その体で!!』

『知る、か………!ならば、俺の自我で、屈服させるのみ……っ!』

 

チェイサーDHはハートロイミュードにイグニッションブーストで近付くと、剥き出しになったハートロイミュードのコアをその手で直接握った。

 

 

『な、ぐぁぁぁぁっ!?』

『ぐぅぅぅぅぅぅっ!!』

 

同時に、高熱の余波がチェイサーに襲いかかり、スーツのあちこちから火花が飛び散る。

 

『貴様ッ………そんな真似をすれば、自分自身も吹っ飛ぶぞ…!』

『だったら………地獄まで共に落ちてもらおうか…っ!!おぉぉぉぉっ!!!』

 

チェイサーDHはハートロイミュードの言葉を切り捨てると、更に強く握り締めた。

 

『ぬぅあっ!?ふ、はは……!良いイカレっぷりだ!気に入ったぞ!魔進、チェイサー!!』

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やれやれ、困ったリーダーだぜ』

 

余剰エネルギーによって爆発する瞬間、何者かの横槍でチェイサーDHは弾かれるようにハートロイミュードから離れた。

 

『ッ………!』

 

元々限界だったため、チェイサーDHは倒れ付し、そのまま動かなくなる。

そして、チェイスが気絶したのを確認したハートロイミュードは、横槍を入れた人物の名を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

『……イカロスか』

 

その人物は、ハートロイミュード同様機械染みた異形で、青を基調とした体と背中に生えた鋭い翼、そして隼の様な鋭い眼を持っていた。

 

『リーダー、遊びはお仕舞いだ。ブレンが怒ってるぜ』

『……まぁ、良い収穫もあったしな』

『やけに嬉しそうな顔だな』

『………あぁ』

 

ハートロイミュードとイカロスロイミュードは、ISアリーナのシールドを突き破り、その場から逃走した。

 

 

 

異変に気付いたIS学園の職員が駆け付けたのは、この数分後だった。

 

 

 

 

 

 

 




IS ~黒き魔進~

カイト「そんなことが…」

真耶「ミューゼル君は、無事なんですか……?」

スコール「………魔進チェイサーを、パワーアップさせる必要が、あるわね」

IS ~黒き魔進~ 『二学期』


黒き追跡者はその瞳に何を写す……?
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