リアルが凄く忙しくて投稿する暇もありませんでした………(主に引越し作業とかで)
お蔭で職場から遠のくわ友達の家も遠のくわで………親マジ絶許
亡国機業との戦いは、(一応)IS学園側の勝利に終わった。
だが、IS学園が受けた被害は甚大であった。
学園の保有するISは、訓練機含めて破壊され、残ったのは各国の代表候補生と篠ノ之箒の専用機だけである事。
更には多数の教師陣の死傷者の数。
そして、一番の決定打は、
「…………どうなんだ?」
「……芳しくないみたい、織斑先生」
あの後千冬はフリーダム・スカイへと運ばれ治療を受けたが、意識を取り戻さなかった。
「もう少し位置がずれていたら、助からなかったみたい……」
「…意識は、どうなんだ?」
弾が尋ねると、優はチラッとチェイスを見た後、重苦しそうに告げた。
「意識はない……だから自力で食事も摂れないし、全く動けない。でも、脳幹や臓器は正常に機能してるって………」
「それって…………」
「俗に言う…植物状態、らしい」
「そんな………そんな事って!」
悲痛そうに百合が叫ぶ。
だが当のチェイス本人は、何も言わずに背を向けた。
「……チェイス、お前」
「…………少し、風に当たってくる」
「お、おい!」
「止せ」
「数馬……」
引き止めようとする優を、数馬が制止する。
「一番辛いのは、チェイスなんだからよ……」
「…………」
何処か悲しさを漂わせるチェイスの背中を、カイトは静かに見つめていた。
~~~~~~~~~~~~
「……篠ノ之、か」
「ミューゼル」
半壊した学園の屋上にチェイスが赴くと、そこには先客――――箒が佇んでいた。
「どうか、したのか?」
「…少し、風に当たりにな」
「そう、か」
「……そういうお前は?」
「…………見ていたんだ。姉さんが創り出してしまった世界を」
「?」
チェイスは訳が分からず首を傾げると、箒は腕に通した紐――――紅椿の待機状態を眺め、静かに呟いた。
だがその視線は、まるでこことは違う世界を見つめているようだった。
「…姉さんは、昔から宇宙について感心を持っていてな。私がまだ幼い時にも、頻りに宇宙について熱く語ってたよ」
「………」
「私には何の事だか分からなかったし、それに、姉さんは苦手だった。………だけど、その時の姉さんの顔は、紛れもない、“篠ノ之束”だったんだ。………多分、姉さんがISを産み出したのは、この広い空の向こう側を、もっと知りたかったからだろうな」
チェイスは、ただ黙って箒の話を聞いていた。
「だけど、姉さんが望んだ物とは違う形で、ISは世界に広まった……そればかりか、大勢の人々が苦しんだり、亡国機業の様な奴等まで生み出してしまった…」
「…そう、だな」
「……なぁ、ミューゼル」
「?」
「姉さんがやりたかった事は、ISが産まれたのは、間違いだったんだろうか?」
そう静かに、箒はチェイスに質問した。
数秒の沈黙の後、チェイスは口を開いた。
「………やり方は、間違っていた。だが、彼女のその真摯な思いは、本物だったと思う」
「………そう、か。ありがとう、ミューゼル」
「…まさか篠ノ之、お前」
「何となくだが、察しは付いてた………姉さんは、もうこの世にいないのだろう?」
そう真っ直ぐに此方を見詰める箒に隠し事は無駄だと悟ったチェイスは、
「……あぁ」
そう短く、肯定した。
「…すまなかった。篠ノ之、いや…………“箒”」
「!!」
「お前の姉さんを、束さんを助けてやれなくて」
チェイスはこの時、チェイス・ミューゼルではなく、織斑一夏として、箒に頭を下げた。
「…そして、お前の想いにも、気づけてやれなくて」
「いち、か……?」
「あぁ……でも、俺はもう戻れない。織斑一夏としては、生きれないんだ。だから、お前の想いには、答えられない」
「……………いや、もう良いんだ。私の好意は、ただの依存でしかなかった。それを、お前に教えられたから。だが……最後だけで良い、私の名前を、もう一回呼んでくれ」
チェイス――――否、一夏は、
「今までありがとな、箒」
昔と変わらない声音で、そう告げた。
箒は一瞬呆気に取られるも、直ぐにふわりと微笑むと、
「こちらこそな、一夏」
清々しい顔で、屋上を去って行った。
「………これで、良かったのかい?」
「…カイト」
暫く経って、屋上の物陰からカイトが出て来た。
「あぁ。俺が今更、過去に戻るなんて許されないからな」
「……」
「…すまなかった、カイト」
「へ?」
チェイスは今度はカイトに頭を下げた。
「俺の姉は、お前の父親を………許してくれなくても良い。俺の姉は、それだけの罪を犯したのだから」
「…………チェイス、頭を上げなよ」
カイトに言われ、チェイスが頭を上げると、カイトは静かに笑っていた。
「僕は、君に謝ってほしい訳じゃない。ちゃんと、織斑先生の言葉を、聴きたいんだ」
「……カイト」
「それにさ、ずっと思ってた。白騎士を憎んでも、父さんは帰ってこないって………。だから、僕は、君や織斑先生を憎まないし、恨まない事にした。全ては、亡国機業を倒してからってね」
それに、とカイトは続ける。
「友達を憎むなんて、ましてやその肉親を憎むなんて、出来ないしさ」
「………そう、か」
「それに、気になる事も出来たしね」
「どう言う事だ…?」
「……何れ話すよ。じゃ、また明日」
おやすみ~、と言ってカイトもまた去って行った。
「見守っていてくれ………姉貴」
拳を握り、眠り続ける千冬にそう言うと、チェイスはその場を後にした。
夜、IS学園。
『…………………フッ』
何者かが上空で佇んでいた事に、気付く者はいなかった。
~~~~~~~~~~~~
「……よう」
「お早う、チェイス」
翌日、チェイスは学園の食堂にてカイトと会った。
「おはよー!ミューゼル君、色川君!」
「昨日の学園祭は盛り上がったよね~!」
「……は?」
女子生徒が放ったこの一言に、二人は違和感を覚える。
それもその筈、昨日は亡国機業が攻撃を仕掛けていたので、それどころではなかったのだから。
「な、何言ってるの?昨日は――――」
「ヤッホー、ミューゼル君♪」
「っ…更識」
「昨日の演劇はホントに素晴らしかったわ~!お姉さん感激!」
『おかしいぞ、まるで昨日の事件が、なかった事になっている……?』
「だーっ!だから昨日のバンドなんて知らないって!!」
「ってか昨日はそれどころじゃなかっただろ!?」
「え~、そうだっけ?」
さらに困惑した叫びを上げる弾と数馬まで合流した。
「おーチェイス!何か皆様子が変じゃね?」
「大声出さなくても分かる……」
「って言うか織斑先生が倒されたってのに………」
「どう言う事でしょうか……?」
だが次の瞬間、とある生徒からの言葉にチェイス達は耳を疑った。
「織斑先生って…………新任の先生?」
『!?』
「そう言えば今日一組に新しい副担任の先生が来るんだって~!」
「ホントに!?」
「どんな先生だろ~?」
雑談を繰り広げる生徒達を他所に、チェイス達の顔は深刻になる。
「どーなってんのさ!?何で皆昨日の事件知らないみたいに…」
「まるで、記憶が書き換えられたみたいです……」
「…篠ノ之!」
百合の言葉に何か感じたのか、チェイスは偶然通りかかった箒を捕まえる。
「…?どうした」
「俺の“名前”を知っているか……」
「知ってるも何も、チェイス・ミューゼルだろう?」
「……その紐は」
「昔姉さんに貰った物だが……どうかしたのか?」
「………いや、何でもない」
首を傾げつつ、箒は別の席に座った。
「恐らく……」
「恐らく?」
「俺達以外の全員、昨日の出来事とISに関する記憶が………無くなっている」
『…!!』
チェイスの語った推測に、五人の表情は凍りついた。
場所は変わって、とあるホテルの一室。
「IS学園の記憶操作………お前だな?」
『あぁ。だがこれにより、無関係の人達が血を流す事もない…それは君が望んでいた事だろう?ハート』
「恐ろしい力だよ全く――――――――フリーズ」
ハートが見詰めるモニターの中にいたのは、
「これで、私達の望む革命――――グローバル・フリーズが、実行に移せる」
国際IS委員会副長官――――真影壮一。
そしてその手には、血のように赤いISコアが握られていた。
IS ~黒き魔進~
チェイス「只事ではないな……」
カイト「って事は……IS学園だけが、ISに関する記憶を操作される?」
スコール「全世界のISが、一斉攻撃を……!?」
IS ~黒き魔進~ 新章:対亡国機業
『凍結』
『君達の父親は本当に優秀だったよ…いや、優秀過ぎたね』