IS ~黒き魔進~   作:ふくちか

49 / 51
皆様、明けましておめでとうございます


今年も宜しくお願いします


『動揺』

 

 

「父……さん!?どうして父さんが!」

 

修学旅行に訪れた京都にて、色川カイトは絶対に有り得ない光景を目にしていた。

 

「…………」

 

彼の目の前に立ちはだかる人物は、本来死んだ筈の父、色川貴虎がいるのだ。

カイトの記憶が正しければ、彼はIS女性権利団体のIS部隊に襲われ、命を落とした筈。

 

「感動の再会ですね、色川カイト君…………ウゥ」

 

亡国機業の幹部、ブレンはハンカチを片手に涙ぐんでいた。

勿論、嘘泣きだが。

 

「……父さんに何をした!?」

 

だがカイトは油断せずにブレンを睨み付ける。

腰にはゲネシスドライバーを装着しており、何時でも変身出来る体勢に。

 

「おや、父上に会えたのに反応が淡白ですね」

「父さんは死んだ筈なんだ!どうせお前達が作ったロイミュードとかじゃないのか!?」

「…………フフフフ、フフハハハハ!アッハハハハハハ!!!クフフフフッ!!アハハハァ!!!」

 

だがブレンはカイトの怒り様を可笑しくて堪らないとばかりに笑いだした。

 

「何が可笑しい!?」

「アハハハァ…………ハァ、全く貴方は自分の父上が本物だと見抜けないほどお惚けで間抜けなアンポンタンだとは」

「……何?」

「貴方の目の前にいるのは、正真正銘本物の色川貴虎ですよ」

「っ!?」

 

その言葉に動揺を見せるカイト。

ブレンはそんなカイトの様子が面白い様で、笑いを堪えながらカイトの疑問を氷解させていく。

 

「まぁ、回収したのは死体ですがね。我々ーーーーもとい真影先生はそれを改造手術で再生させたのです。そして、起動したのが、先日のIS学園学園祭の時です。覚えてるでしょう?」

「………………あの時のッ!?」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

ブレンの話の通り、カイトは先日の学園祭襲撃事件の際、

 

『……………………』

「くっ!何者なのだ!?」

 

箒が謎のロイミュードに襲われてるのに遭遇していた。

 

『篠ノ之さん!』

 

斬月・真に変身したカイトはその戦いに割って入り、彼女を庇った。

 

「色川……!?」

『大丈夫かい、篠ノ之さん!?』

「あ、あぁ…………」

『お前、一体何者だ!?』

『……………………』

 

斬月・真が問い掛けるも、そのロイミュードは答えることなくその場から飛び去ってしまった。

 

「な、待て!」

『落ち着いて篠ノ之さん!今追って深手を負うわけにもいかないだろ!?』

「…………分かった」

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「まさか…………お前ら、父さんを!!」

「アッハハ!その通りですよ!真影先生は貴方の父上の戦闘技能を惜しんでロイミュードとして甦らせたのですよ!」

「……………………ッ!」

 

貴虎は顔色を変えることなく、その肉体を鋼へと変えた。

 

頭部には三日月の兜飾り、背部には巨大な2対の盾と両腕にも装備された大きさの異なる盾。

 

「さぁ、色川貴虎……シールド!息子との戦いで、貴方は覚醒する!」

 

ブレンの言葉に従い、シールドロイミュードはカイト目掛けて加速して腕を振るった。

 

「くっ!」

 

カイトはサイドステップで横に避けながらメロンエナジーロックシードをゲネシスドライバーに装着する。

 

《ロック・オン》

『…………』

「うわっ!」

 

今度はお構い無しに刺突攻撃を繰り出す。

それをカイトはマトリックスばりにかわし、シーボルコンプレッサーを引き絞る。

 

「ちぃ!変身!」

《ソーダァ……メロンエナジーアームズ…!》

 

何とかアームズを被り、斬月・真に変身。

踏み込んでソニックアローを横凪ぎに振りかぶろうとするが、貴虎の事を思うと腕が止まってしまう。

 

『ッ…』

 

だが、その隙を逃すシールドロイミュードではなかった。

 

『………………』

『がぁ!』

 

右腕のシールドで凪ぎ払い、斬月・真をぶっ飛ばす。

油断していた所に一撃食らい、斬月・真は苦悶の声を漏らす。

 

『くそっ!』

 

ならばと今度はソニックアローの矢を引き絞る。

 

だが、

 

 

 

『カイト。私は必ず、他の男性やお前が過ごしやすくなる様な世界を作る。それまで待っていてくれ』

『うん!』

 

 

 

 

幼い時の光景がフラッシュバックして、再び腕が止まってしまう。

シールドロイミュードはその隙に背部のシールドを飛ばし、切っ先のレーザーで斬月・真を撃ち抜く。

 

『ぐあああっ!!』

「クフフフフッ!どうしました、色川カイト?彼は貴方の父上とは違うと豪語していたではないですか!?」

『く、くそっ………』

 

父との思い出や体の事を思うとまるで何時もの様に戦えない自分が嫌になる斬月・真。

 

『………………ッ!』

 

だが、シールドロイミュードは動こうとはせずに、体が硬直していた。

 

「チッ、やはりまだ最終調整を終えてない状態では無理が掛かるか…………オートモード!」

 

舌打ちしながらブレンはタブレットを操作し、シールドロイミュードを遠隔操作する。

 

「色川カイト、何れは決着をつけさせてあげましょう!」

『な、待て…………ぐっ!』

 

追おうとするも、レーザー等のダメージで膝を付いてしまう。

その隙にシールドロイミュードとブレンは去ってしまう。

 

『………………クソォォォォッ!!!!』

 

 

誰もいなくなったその場所で、斬月・真の慟哭が木霊した。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「あ、カイト!」

 

宿泊先の旅館に一足先に戻っていた数馬達は、遅くに戻ってきたカイトに声を掛けた。

 

「遅かったじゃん。どうかしたのか?」

「……ううん、そんな事ないけど?」

「…………そうか」

 

少し気後れしながらも答えたカイトだが、数馬達は特に気にするでもなく流す。

 

「……カイト、何かあったのか?元気がないように見えるが…」

「や、ホントに何でもないよ。篠ノ之さん」

 

だが箒は何時ものカイトと違う風に感じたのか、箒が後で声を掛けるが、やはりカイトは何も答えない。

 

「……そうだ、カイト。お前を待ってた」

「へ?」

「一緒に山田先生達の説教を受けようぜ」

「あっ、色川君!待ってましたよ~!もう!爆弾テロ事件があるのに君達は戻ってないから……心配しましたよ!!」

『はい、すみません…………』

 

取り合えず、全員大人しく真耶の説教を受けた。

 

 

「そう言えば数馬、病院に送った親子連れは大丈夫だったのか?」

「……あぁ、女の子の方は大したこと無かったよ。ただ……お母さんの方が意識が戻らなくて」

「…………明日、訪ねてみるか」

「だな。俺達にも責任はあるし」

 

真耶と他教師の説教の合間に、明日の予定をコソコソ話すチェイスと数馬だった。

 

「……………………」

 

 

そしてその間も、カイトは上の空だった。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

そして翌日、京都の病院にて。

 

「「え!?手術をした!?」」

 

チェイスと数馬の叫びがハモり、病院に響いた。

が、他の患者達に睨まれ、自粛する。

 

「えぇ。先程終えましたよ」

「え、でも…………確か昨日、治療費が払えないから厳しいって言ってましたよね?」

 

数馬が昨日病院に運んだ際、親子連れはどうやらシングルマザーだったらしく、女手一つで子供を育てていたらしいが、どうにも治療費が賄えず、治療しても払えないと話された。

 

「いや、それがね。昨日そのお母さんの治療費を全額負担して下さった人が来たんですよ」

「……それって、その人が治療費全部払ったって事ですよね!?」

「えぇ。それにその人、治療費だけじゃなく、入院費まで払ってくれたんですよ。まさかここまでする人がいるんだなとビックリしましたよ」

「「………………」」

 

本当なのかと思ったのでその母親の入院してる病室に訪れると、

 

「あ、昨日の仮面のお兄ちゃん達!」

 

母親の側に座っていた女の子が数馬達に気付き、走り寄ってきた。

 

「や!お母さん大丈夫なのかい?」

「うん!さっきまでお昼ご飯食べてたよ!」

「……君のお母さんの為に、お金を出してくれた人の事、分かるかい?」

 

チェイスは普段恋人達にしか見せない優しい顔で尋ねる。

でないと、何時もの仏頂面では怖がらせてしまうからだ。

 

「んっとね、霧子がね、座ってるとね、真っ赤な服着たお兄ちゃんがね、ママの為にお金くれたの!」

「ッ!」

「チェイス、それって…………」

 

チェイスと数馬は心当たりがあるので、顔が強張る。

 

「それにね、そのお兄ちゃんがね、霧子の事励ましてくれたの!お母さんを大切にするんだよって言ってくれたの」

「…そっか。お母さんに宜しく言っといてな」

「じゃあな」

「うん!じゃーね!」

 

取り合えず二人は病室を後にする。

 

「…………恐らく、俺達が思っている奴だろうな」

「……だろうな~。あ、スミマセン!」

 

だが数馬はやはり信じられないのか、近くの看護婦に尋ねる事に。

 

「はい?」

「あっこの入院患者さんの治療費って、ホントに別の人が払ったんですか?」

「詩島さんですか?はい、そうですよ。赤いコートを着た人が全額負担して下さったんですよ」

「スッゴくイケメンの殿方でしたよ~」

 

最後の情報はいらなかったが、二人はこれで確信した。

 

 

 

「「ハート………………!」」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

「ハート…………負傷した親子の為に、お金を出したそうだね」

「…………それがどうした」

 

IS委員会本部、真影の専用室にて、真影とハートが向かい合っていた。

 

「…何時も言ってるだろう。君のその優しさは、美点ではあるが必ず欠点になると」

「……だが、今回の貴様の独断で、大切な同胞が一人減った。それに、人間をまた勝手にロイミュードに仕立て上げたお前にどうこう指図される覚えはない」

 

お互いに皮肉を言い合い、再び睨み合う。

 

「フッ……勝手にロイミュードを動かしたのは謝るさ。だが、これだけは言わせてもらう。何れは、その優しさを捨てなければならない。絶対にね」

「……………………分かっているッ!」

 

吐き捨てる様に呟き、ハートは執務室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





IS ~黒き魔進~

優「何だよ、コレ……!」

真影壮一「全ては、特異体質の人間を調べる為さ」

ベルトさん『真影、お前のしている事は、悪魔の所業だ!』


IS ~黒き魔進~ 『超進化の輝き』


フリーズロイミュード『これで私は無敵の存在だ!世界中の全てのISの記憶を凍り付かせる……!』


ドライブTF・ベルトさん『「が………………ッ!!」』



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。