IS ~黒き魔進~   作:ふくちか

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連投で~す


でも4月からはこうもいかないんですよね…


『友』

「…………」

 

仕事が終わったチェイスは自室でベッドに寝転がっていた。

 

彼自身年頃の少年ではあるが、彼の部屋にはゲーム等の娯楽品が一切なかった。

 

あるのはデスクとブレイクガンナーの調整器具、ベッド位だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

と、ここで彼の部屋の扉をノックする音が聞こえた。

 

「空いている……」

 

チェイスは扉の向こう側の訪問者にそう答える。

すると扉が開かれた。

 

「初めまして、チェイス・ミューゼル君!」

 

そこには、自分と年が近い快活そうな少年がいた。

 

「お前は……?」

 

初めて来る同年代の来訪者に困惑する。

彼の部屋に来るのは大体スコールかオータムなので少し驚きも声に含まれていた。

 

「あぁ、僕の名前は色川カイト。宜しく!」

 

そう名乗った少年、カイトは握手を求めてきた。

 

 

 

 

 

「悪いね、急に呼び出して」

「構わない、どうせ暇だったからな……」

 

二人はあの後、軽い挨拶を済ませISアリーナに来ていた。

 

「それより、何故俺をここに……?」

「スコールさんから聞いたんだ。君は凄く強いってね、だから戦ってみたくなってさ」

「まさか、ISを……?」

「そんなのに乗ったりしないよ」

 

と、カイトは懐からドライバーの様な物を取りだし、腰に宛がう。

すると、ベルトが伸びてカイトの腰に巻き付いた。

 

そしてもう一つ、何やら錠前の様な物も取り出した。

 

 

「……じゃあ、行くよ?」

《メロンエナジー……》

 

低く抑揚のない音声が響くと、空中に何やら変な物体が現れた。

それは、果物のメロンに似ていた。

 

「…………?」

 

呆然と見守るチェイスに構わず、カイトは錠前をベルトの真ん中に装着し、錠を下ろした。

 

《ロック・オン……》

「変身……!」

 

そしてグリップを引き絞った。

 

《ソーダァ……》

 

何やら炭酸が弾ける音がしたと思うと、空中に浮かんでいた果物がカイトの頭に目掛けて落ちてくる。

 

《メロンエナジーアームズ!》

 

そう鳴り響くと、それはカイトの頭に被さった。

音楽が流れ、果物らしき物が展開し、次の瞬間には鎧となっていた。

 

「……!」

『どう?驚いた?』

 

目の前の戦士はチェイスにそう尋ねた。

当たり前だが、声はカイトの物だ。

 

『僕の父さんが残した物なんだ……。名前は斬月・真』

「斬月・真……」

『さぁ、君も速く』

「面白い……!」

 

チェイスは嬉しそうに笑い、ブレイクガンナーを取り出す。

 

「変身……」

《Break up!》

 

チェイスも同様に魔進チェイサーとなる。

 

 

カイト改め斬月・真は手に持った武器、ソニックアローを、チェイサーはブレイクガンナーをそれぞれ構える。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の瞬間、中央で白い武者と黒い死神が激突した。

 

『はぁ!』

 

斬月・真はソニックアローの弓を引き、矢をチェイサーに向けて放った。

 

『……ッ!』

《gun》

 

それをチェイサーは冷静に光弾で相殺する。

 

『やるね!だったらこれはどうかな!?』

 

斬月・真はソニックアローを天に向けて放った。

すると、矢が分裂し、チェイサーに襲い掛かった。

 

『……多いなッ!』

 

それを再び光弾で相殺しようとするが、いかんせん数が多いため、僅かに被弾してしまう。

 

『グッ!』

『もらった!』

 

怯んだ隙をつき、ソニックアローで斬りかかる。

 

『そう来るか……!』

《break》

 

チェイサーはブレイクガンナーをブレイクモードに切り替え、ソニックアローの刃をかわし、カウンターの一撃を胸に放つ。

 

『グァっ!……だけど只ではやられないよ!』

 

だが斬月・真は踏みとどまり、ソニックアローを空いた左手に持ち替えて、チェイサーを斬り払う。

 

『ガァッ……!』

 

チェイサーは斬られた部位を手で押さえる。

それを見逃す斬月・真ではなかった。

 

『隙だらけだよっ!』

『ちぃっ……』

 

チェイサーにジャンプで距離を詰めソニックアローで切り裂こうとするが

 

『何度もやらせるか…!』

《gun》

 

チェイサーはブレイクガンナーから放物線を描きながら光弾を放ち、斬月・真を怯ませる。

 

『うわっ!』

 

怯んだ隙にチェイサーは急上昇し、斬月・真の頭上を取り、

 

《bleak》

『はぁっ!』

『ぐぁぁ!』

 

ブレイクモードに切り替え、斬月・真を頭の上から殴り地面に叩き付ける。

 

 

 

『……っ!』

《メロンエナジースカッシュ!》

 

だが煙を突っ切ってオレンジ色の光波が様子を見ていたチェイサーに襲い掛かった。

チェイサーは警戒を解いてなかった為、直撃は避けられたものの少しダメージを受けてしまった。

 

『惜しいなー、隙を突いたつもりだったのにな~』

『倒れる寸前にエネルギーを貯めているのはばれているぞ』

『やっぱり……。死神の名に恥じない強さだよ』

『お前も中々出来るな…油断ができん』

『そう?それは嬉しいね』

 

言葉を交わしながらも斬月・真はメロンエナジーロックシードをベルト、ゲネシスドライバーから取り外し、ソニックアローにセットする。

 

《ロック・オン》

『これで決めるよ……!』

 

弓を引くと、エネルギーが高まり矢の一点に集中されていく。

 

『…………』

《Execution……!》

 

チェイサーも銃口を掌に押し付けて引き金を押し、必殺技の体勢に移る。

 

 

 

 

 

 

 

『終わりだ……!!』

《Full break!》

 

先に動いたのはチェイサーだった。

フルスピードでソニックアローを構える斬月・真に突っ込んでいく。

 

『勝つのは、僕だ!そのスピードでは躱せないだろう!』

《メロンエナジー!》

 

猛スピードにより黒い風になったチェイサーに狙いを定めてエナジーロックシードのエネルギーを貯めた矢を放った。

 

このスピードならば、他の物が視認しづらい程のものである(つまりカウンターに弱い)と予測した斬月・真の狙い通り、矢はチェイサーに命中した。

 

 

『ぐああッ!!』

 

その場で爆発が起こり、チェイサーの姿が見えなくなる。

 

『しまった!やり過ぎた……!チェイス君!』

 

まさか死んだのでは?そう思い、斬月・真はチェイサーに声を掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もう終わったと錯覚したのか……?まだまだだ!』

『っ!?まさかっ』

 

煙を突き破り、そこから現れたのは、チェイサーだった。

だが所々、火花が飛び散っていた。 

 

『ムゥンッ!!』

『ガッ、ハァッ……!!』

 

完全に油断していた所への一撃を鳩尾に受けて、斬月・真は吹っ飛ばされ、アリーナの壁に叩きつけられる。

 

そして変身が解除されるのと、チェイサーが地面に倒れ伏すのもほぼ同時だった。

 

 

 

 

 

 

戦闘が終わって、二人は大の字に寝転がっていた。

 

「イヤー強いね、チェイス君。完全に油断してたよ」

「お前もな……」

 

その顔は、晴れ晴れとしていた。

 

「これからは、仲間………友達として、宜しくね」

 

息を切らせながらカイトが言うと、チェイスは無言になる。

 

「友……?」

「……そうだよ?」

 

チェイスは頭を抑え、カイトに問い掛ける。

 

「俺に、友など必要ない……」

「…………いや、必要だ」

「必要では……」

「必要だ!」

「!」

 

声を荒げるカイトにチェイスは疑問を感じた。

何故、コイツは俺の事を気にしてるのか?と。

 

「スコールさんから、聞いたよ。君……記憶喪失なんだろ?」

「……あぁ」

「記憶がないのは、確かに辛いよね。でも、大切な友達の事とかも忘れちゃうのは、もっと辛い筈だよ」

「俺に、そんなものが……?」

「いるはずだよ。そして、今の君の新しい友達に、僕はなる」

「…………」

「一緒なら、きっと思い出せるよ。大切な友達の事とかさ……」

 

カイトの言葉にチェイスは苦笑いする。

 

「くくっ、とんだお人好しだな、お前……」

「チェイス君……?」

「……チェイスで構わん」

「え?」

「友同士は、そういう堅苦しいのは無しだと、聴いたが?色川」

「……君もだよ。僕もカイトで構わないよ、チェイス」

「……宜しくな、カイト」

 

 

そうして、二人は拳を合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

チェイスにとって、初めての友。

この日を、チェイスは一生忘れる事はなかった。

 

 

 

 

 

 




IS ~黒き魔進~

チェイス「ぐぅっ……!ぐああ!!」

カイト「君達は……まさかチェイスの?」

???「一夏、なのか!?」

IS ~黒き魔進~ 『過去の友』

黒き追跡者はその瞳に何を写す……?
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