さて……3月10日はまだかな?(チェイサーのダウンロード日)
フリーズの超進化、原作と少し異なります。
藍越学園の修学旅行も終え、再び平凡な学生生活が舞い戻ってきた頃、優はスコールからとある依頼を受け、都内の廃工場へと足を踏み入れていた。
「…言っちゃ悪いけどさ、こんな所に奴等の手掛りとかあるのかな?」
『だが我々に与えられた有益な情報だ。地道に探るしかあるまい』
何処か信じ難いかのようにぼやく優を、腰に巻かれたドライブドライバーことクリムが嗜める。
「でもニュースとかで報道されてるならまだしもさ、ソースが荒い映像だからなぁ…」
その依頼とは、最近共通点もない人間達がひっそりと消えてしまうと言う突飛な事件を探る事。
最初は信じても良いのかといぶかしんでいた優達だったが、ミッドナイトシャドーが廃工場に何者かが大きな荷物を担いで出入りしていたのを記録していたのだ。
『何を言う!君はシフトカーの事を信じてないのかい!?』
「いや、そうじゃないけどさ…………ほら、何もないじゃんか」
優の言う通り、中は廃材や錆びれた機械や工具だけだった。
『いや、そんな筈はない!映像を解析した結果、ここが一番怪しい場所のはず……』
「でも特に入り込んだ形跡は………寒っ!」
辺りを隈なく見渡しているとき、優はある一箇所から身も凍るほどの寒さを感じた。
『どうした、優?』
「や、何か寒くて………こっちからかな?」
寒さを感じた方へと歩を進めると、その寒気はどんどんと増していった。
「べ、ベルトさん………ここの気温調べてくれない?」
『OK。………どうも君が立っている一帯だけ気温が低いね。十月中旬にしては可笑しい気温の数値だ。優、そこの壁に触れてみろ』
「う、うん……冷たっ!?」
言われて一部の壁に触れてみると、鉄とは違う冷たさに驚く優。
「こ、これって………」
『恐らくは、氷の壁だ。氷を使って偽装していたのだろう』
「でも、誰がそんな事を……」
『奴しかいるまい。生きていればの話だがね』
クリムの言葉に、とある壮年の男の顔が脳裏を掠める。
「真影…!生きていたのか」
『どうする?スコール達に連絡するかね?』
「いや、先に中を探索してからのほうが良いと思う。…よし!そうと決まったら…」
優はドライブドライバーのイグニッションキーを回し、シフトブレスにシフトワイルドを装填する。
「変身!」
『ちょ、まsa……ドライブ!タイプ・ワイルド!』
ドライブTWに変身し、ショルダータックルでその壁を破壊する。
すると、壁はいとも簡単に砕け散ったが、地面に転がったのは、コンクリート片ではなく氷だった。
『やっぱり氷だった……』
『いよいよ怪しくなってきたな……行こう、優!』
『あぁ!』
気持ちを新たに切り替え、駆け出すドライブTW。
~~~~~~~~~~~~
『な、何だよこれ………!?』
ドライブTWは戦慄した。
今彼の目の前には、夥しい数のカプセルが安置されていた。
が、カプセル自体はそこまでの問題ではない。
『中に、人間達が………!!』
カプセルの中には、老若男女問わず様々な人間が死んだ様に眠りについていた。
『これ、強引に出しちゃ、不味いよな…?』
『どのような装置かも分からない以上、下手に引き剥がすのはナンセンスだ』
『だよな……ここは、チェイス達の増援を待つしか『おやおや、また招かざる客か』………真影!!』
背後から響く声に、しかしドライブTWは慌てる事無く毅然と振り返る。
ドライブTWの目線の先には、フリーズロイミュードが佇んでいた。
そして背後には下級のロイミュードが複数体、そしてシーフロイミュード。
『やはり生きていたか…』
『当然。再生には時間が掛かったがね』
『答えろ…ここにいる人達を使って、何をしている!!』
ハンドルブレードを構え、静かな怒りを覗かせるドライブTWにフリーズロイミュードは言葉を濁す事無く答え出した。
『ここにいる人間は全て特異体質の人間でね』
『特異体質……?』
『言うなれば、私の記憶操作を受け付けない体質の持ち主だ』
『!?』
驚くドライブTWに構わず、フリーズロイミュードは続ける。
『だが私にはその人間達を見抜く術はなかった。だからこうして、実験で得ていたのさ。その特異体質すら上書きできるほどの力をね!』
『……腐ってやがる』
『真影!お前のしている事は、悪魔の所業だ!!』
同じ研究者として感化できないクリムは非難するも、フリーズロイミュードはただ笑うのみ。
『くっくっく…悪魔か。随分と言ってくれるじゃないか』
『…ここにいる人達にも、家族や、友達や、大切な人だっている筈だ!それを!どうしてそう簡単に踏みにじれるんだ!!』
『全ては革命の為だ。どんな研究にも、犠牲は隣り合わせだからね』
『………もうこれ以上!お前の手で人の記憶を凍りつかせる訳には行かない!!フリーズ、ここで……………倒す!!!』
《ターン!ドリフトカイテーン!》
力強く叫んだドライブTWはハンドル部を回転、ドリフトスラッシュでフリーズロイミュードに斬りかかる。
『させるかっ!』
がそれを黙って見過ごすはずもなく、後ろに控えていたコブラロイミュードが腕に増設されたマシンガンで横槍を入れる。
《Gun》
『ぐへぇ!』
『!………チェイス!』
だが、その横槍を防いだ人物――――チェイサーⅡがブレイクガンナーを構えて仁王立ちしていた。
『間に合ったようだな……雑魚は任せろ!』
『任せた!』
『小癪な!』
襲い掛かる下級ロイミュード、そしてシーフロイミュード相手にシンゴウアックスを振るうチェイサーⅡを尻目に、ドライブTWとフリーズロイミュードは移動、外にて氷の剣とハンドルブレードで切り結ぶ。
『ぬっ……以前より格段に強くなっている!?』
『当たり前だ!』
《タイヤコウカーン!ランブルダンプ!》
右腕にランブルスマッシャーを装備、タイプワイルドの豪腕を生かして積極的に攻め立てる。
『ちぃ!!』
『そんなチャチな氷の壁で、俺たちの勢いを止められると思うなよっ!!』
《ダン・ダン・ダンプ!》
シフトレバーを三回動かすと、ランブルスマッシャーが肥大化した。
『なっ――――』
『ぶっとべぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
『ぐぁぁぁぁぁぁ!!!』
驚きながらも氷の楯で防ごうと手を翳すフリーズロイミュード共々大きく吹き飛ばした。
『ぬぅ…私が、ここまで…………!』
『どんどん行くぜ!!』
《ヒッサーツ!フルスロットル!ダンプ!》
『来い!トライドロン!!』
ドライブTWDの呼び声に応じるかのように現れたトライドロンが高速で旋回、ドライブTWDはその旋回を利用して連続で蹴りを叩き込み、最後の一撃に脚にドリル状のエフェクトを纏ってワイルドロップを炸裂させる。
『がっ…………!!』
勢いよく地面に倒れたフリーズロイミュードは何とか立ち上がるも、次の瞬間には力なく倒れ伏し、動かなくなる。
『や……った…………!』
『優!君は今、過去に終止符を打てたんだ!』
『あぁ………やった、やったよ…父さん!』
安心から膝を付くドライブTWD。
『って、そうだ!チェイスの加勢に行かないと!』
今は仇敵を倒した喜びに浸っている場合ではない、と立ち上がりチェイサーⅡの加勢に向かおうと踵を返す。
『…その必要はないぞ』
『あっ、チェイス!』
工場の奥からシンゴウアックスを引き摺って現れたチェイサーⅡに安堵して近づくドライブTWD。
『…そう言えば、囚われてた人達は!?』
『安心しろ。母さん達が回収してる…今は病院だろうな』
『そっか…………これで、残る幹部は3人だな!』
が、その時、
『本当にそうかな?』
聞こえるはずのない声が、響いた。
『『『ッ!!?』』』
そんな筈はない、そう思いつつ振り替える二人の眼前には、
『私を倒し浮かれる君達の姿………お笑い種だったよ』
フリーズロイミュードが、そんな二人を嘲笑うかのように見下ろしていた。
『真影………!』
『感謝するよ…君のお陰で私の感情は最大限にまで高まった!!君達親子に与えられたこの屈辱感が………………私を進化させるのだァ―――――――!!!!』
そう高らかに叫ぶフリーズロイミュードの体からは、金色の燐光が溢れていた。
『何…!?』
『一体、何が………!』
『さぁ、とくとその目に焼き付けるがいい!!これが―――――――超進化の光だッ!!!!!!』
今や体外にまで放出されていた金色の燐光は、フリーズロイミュードの体に再び収まっていく。
光がやがて消え去り、そこにいたのは全身が金色に光るフリーズロイミュード。
『フハハハハハハハハハ!!!これで私は無敵の存在だ!世界中の全てのISの記憶を凍り付かせる……!』
『何を………!』
『超進化の露払いだ…………君達の存在を消し去ってあげようッ!!』
フリーズロイミュードは腕に力をこめると、特大なエネルギーの塊が生成される。
それを見た二人は悟った。
あれを受けたら、死ぬ―――――
『チェイスッ!!』
『ッ!!』
そう悟ったドライブTWDはチェイサーⅡを横へと押し退ける。
タイプワイルドのパワーによりチェイサーⅡは壁際にまでぶっ飛ばされる。
その際に
『…………ゴメン』
そう一言、聞こえるか聞こえないかの声量で呟いた。
『ふあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』
『!!優ーーーーーーーッ!!!!!!!』
フリーズロイミュードの声を聞いてチェイサーⅡが駆け出した瞬間に、
『『が………………ッ!!』』
氷の破壊光弾が、ドライブTWDを、貫いた。
IS ~黒き魔進~
百合「兄さん……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
バロンLE『ぜってぇ許さねぇ!!』
フリーズロイミュード『これで、我々の計画は更なるステージに移る!!』
IS ~黒き魔進~ 『喪失』