IS ~黒き魔進~   作:ふくちか

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因みに元々斬月・真を出す予定はありませんでした。
pixivのフォロワーさんのアイデアから生まれたのがカイト君です。




『古き友』

チェイスがカイトと戦って数日後、二人は休暇をもらい、外に出掛けていた。

 

理由は親睦を深める為らしいが、二人は戦って理解し合えた為、余り必要ないと内心思っていたが、それぞれの母に強く言われ現在に至る。

 

「ん~、どうする?チェイス」

「…………特にない」

 

何処に行こうか悩むカイトを他所に、チェイスはそう呟いた。

 

「……ゲーセンとか?」

「俺はそう言うのが分からん……」

「そうだよね、娯楽品一切ないもんね」

 

思い出したように、カイトは溜め池を吐く。

それを無視してチェイスは、先に歩く。

 

「ちょっ、ちょっと待ってよチェイス!」

 

カイトは慌ててそれを追った。

だがいきなりチェイスが立ち止まり、カイトは顔をぶつける羽目に。

 

「いって~……急にどうしたのさ」

 

チラッとカイトがチェイスの背中越しから覗くと、少し先に二人の少年が歩いていた。

 

年は自分達と近い様だ。

 

 

 

 

 

「ぐっ…………」

 

だがチェイスは突然小さい呻き声を上げ、頭を抑える。

 

「ど、どうしたの?彼らの事、知ってるの?」

 

チェイスの様子が少し違う感じになったのを察知したカイトは心配そうにチェイスに尋ねる。

 

「……問題ない……」

 

チェイスは無理矢理頭痛を抑え込み、前に進む。

すると、向こうの男子が立ち止まって、チェイスを凝視していた。

 

「?」

「……?」

 

カイトとチェイスが疑問に感じてると、二人の顔がみるみる驚愕に包まれていった。

 

「……一夏?一夏なのか!?」

 

赤髪でバンダナをした方の少年が、チェイスに近づき、驚愕を隠さず大声で尋ねた。

 

「……まさか、本当に一夏!?」

 

もう一人の少年も、驚きと喜びを交えた声でチェイスに近づく。

それに対し、カイトは疑問を抱く。

 

『どういう事だ?彼等は、チェイスを知っている?でも一夏って……?』

 

あれこれ模索していると、事態は急変する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐぅっ!ぐ、ぐああああああああ!!」

 

チェイスは頭を両手で抑え、尋常ではない苦悶の叫びをあげる。

 

「チェイス!どうしたの、チェイス!?」

「お、おい一夏!!」

「だ、大丈夫か!?」

 

三人はパニックになってしまう。

だがチェイスは何とか立ち上がり、目の前の二人を見据え、呟いた。

 

「俺は…………お前たちを…………知っている、のか…………何故、お前たちが、俺の頭に…………!?」

 

途端、チェイスは倒れる。

カイトは慌ててチェイスに駆け寄る。

 

「チェイス!チェイス!…………気絶してる?でも何で……?」

 

直後、カイトは目の前の男たちを見る。

 

『彼等は、チェイスの事を一夏って呼んでた。つまり、チェイスの記憶に深く関わっている……ということか?』

 

取り敢えずカイトはその考えを頭の隅にやり、気絶したチェイスを担ぐ。

 

「お、おい!お前一夏を何処に……」

「今は話してる場合じゃないんだ。ゴメン……」

「……俺達も、手伝うか?」

「いや、大丈夫」

 

断りつつ、カイトは悩んでいた。

チェイスの記憶に関わってるこの二人を連れていくべきか。

 

少し悩んだ末、カイトはーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、彼等を連れてきたのね」

「ハイ……スミマセン、スコールさん」

「大丈夫よ。彼等には、チェイスの事を知る権利があるわ」

 

あの後、チェイスは二人の少年ーーー五反田弾と御手洗数馬を連れて『フリーダム・スカイ』にチェイスを協力して運んだ。

 

「スコールさんは、チェイスの過去を知ってるんですか?」

「……ええ、一応はね」

 

スコールはチェイスが眠る部屋の前にいた弾と数馬に近づく。

 

「ごめんなさいね、お待たせして」

「い、いえ……」

「全然大丈夫です」

 

金髪の美女に話しかけられ、弾は緊張しながら返事を返すが、数馬は彼女をニュースで良く見るので、さして緊張した様子は見えない。

 

「私はスコール・ミューゼル。ここの社長、って言えば良いかしら?」

「五反田、弾です!」

「御手洗数馬です」

「弾君と数馬君ね。早速だけど、幾つか約束してほしいの」

 

スコールはドアノブを握りながら、弾達に告げる。

 

「今から話す事は、他言無用でお願いするわ。これは極秘事項なの、約束できるかしら?」

「……はい」

「……大丈夫です」

 

いきなりの事で少し同様しつつも、約束すると答える。

 

「OK……それじゃ、説明するわ」

 

ガチャリとスコールはドアノブを回し、チェイスがいる部屋の扉を開けた。

 

 

 

そこには、チェイスが苦しそうな表情を浮かべ眠っていた。

 

「コイツは、一夏、なんですか……?」

「…………そうよ、この子の本当の名前は織斑一夏。第二回モンド・グロッソで誘拐された、織斑千冬の弟……」

「「「!?」」」

 

スコールから告げられた事実にカイト達は驚愕する。

 

「やっぱり、一夏なのか……でも何で俺達の事を覚えてないんですか?」

 

数馬はスコールに尋ねた。

スコールは沈痛な面持ちでチェイスの頭を撫で、数馬の疑問に答える。

 

「この子はその時に受けた暴行、そして織斑千冬に見捨てられたショックで記憶を失ってるの……。俗に言う、記憶喪失……だから貴方達の事も覚えてないの」

「記憶、喪失……」

「そんな……」

 

記憶喪失という事実に二人は愕然とする。

 

「だけど、全てを失った訳じゃない……。断片的だけど、彼は過去の事を覚えてる。貴方達を見てチェイスが取り乱したのも、それが原因なの」

「じゃあ、思い出させる事も……?」

「可能よ」

「!本当ですか!?」

 

弾はスコールに詰め寄る。

そこには、純粋にチェイスを心配していると、感じ取れた。

 

「でも、逆に思い出さなくても、良いことだってある……。貴方達なら知ってる筈よ」

「…………」

「……そう、ですね」

 

その言葉に弾は押し黙り、数馬は苦々しい表情で呟いた。

 

「一夏は、千冬さんを越えようと必死に努力してた……。それなのに、周りの奴らは!」

「一夏を上っ面で判断して、咎めて、そして虐めてた……。千冬さんに少し劣ってる、ただそれだけで……!」

 

弾も数馬も拳を握り、悔しそうに呟く。

彼等は、一夏が必死に努力しているのを、いつも間近で見てきた。

だからこそ、彼等は一夏を全力で応援した。

 

そして、上っ面しか一夏を見ず、内面を知ろうとしない周りの人を憎んでいた。

 

それを見たスコールは少し微笑み、言葉を紡ぐ。

 

「思い出さなくても良いことがあっても、貴方達の事は、絶対に思い出させないとね」

「「え?」」

「この子は幸せだわ。こんなにも自分の事を考えてくれる人がいて。今は無理でも、明日、もしかしたら……ね?」

「スコール、さん……」

「なぁ弾……。今の一夏に俺達の記憶はなくても、今からでも、友達になれるよな?」

「…………あったり前だろ!今の一夏がチェイスって名前でも、俺達にとっては変わらねぇ!大切なダチだ!!」

 

そう熱く語る弾に反応したのか、チェイスが起き上がる。

 

 

「騒がしいぞ……何なんだ一体……」

「チェイス!大丈夫かい?」

「……あぁ、なんとかな」

 

カイトに答え、チェイスは弾達の方を振り向く。

 

「お前たちは……?」

「……俺は五反田弾!お前の友達だ!これから宜しくな、チェイス!」

「俺は御手洗数馬。弾と同じく、お前の友達だ。宜しく!」

 

そうして二人は拳を差し出す。

チェイスは呆然と二人を見ていたが、

 

「何故だろうな……。俺は、お前たちの事を、知っている気がする……。初めて会ったのにな」

「……もしかしたら、何処かで会ってるのかもな!」

 

涙を堪えながら、弾は何とか答える。

 

「こんな俺で良ければ、宜しく頼む。弾、数馬……」

「……!」

「何か懐かしいな、そう呼ばれるの……」

 

 

 

 

そうして三人は拳を合わせた。

 

 

『何処と無く、懐かしい感じだ…………悪くないな、こう言うのも』

 

誰に気づかれる事なく、チェイスは穏やかに微笑んだ。

 

 

 

この出来事を踏まえ、弾と数馬は『フリーダム・スカイ』に何時でも来れる許可が出された。

 

 

 

 

 

 

 

 




IS ~黒き魔進~

スコール「これは隠し通せないわね、もう……」

カイト「えっと、頑張れ?」

オータム「何かあったら、何時でも帰ってこいよ!」

IS ~黒き魔進~ 『入学前』



黒き追跡者はその瞳に何を写す……?


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