※本編とは全く違う世界観で書いていくので、混同しないようにお願いします。
それではどうぞ。
1話 流離いの副提督
とある鎮守府正面海域。そこでは艦娘による深海棲艦掃討戦が行われていた。
その中には、今日配属されたばかりの吹雪の姿があった。特型駆逐艦と呼ばれてはいるが、実戦経験は無い。
そういう意味では今日が初陣ではあるものの、上手く動けないでいた。
未だに敵からの攻撃は受けていない。しかし、内心に恐怖が立ち込める。
そうしているうちに最深部へと着いた。
空は暗雲が立ち込め、正面には深海棲艦の艦隊がこれでもかというほどにいた。
進んでいく中、吹雪の横から大きな黒い物体が襲いかかる。それは紛れもなく深海棲艦で、体から禍々しい黒いオーラがあふれていた。駆逐艦級ではあるものの、それは大きな口を開けて吹雪を飲み込もうとする。
吹雪はとっさの事で体が動かなかったが、辛くも同じ水雷戦隊の川内達に助けられる。
その駆逐艦級の深海棲艦は、砲弾を横に叩き込まれて攻撃するはずの進路と外れるが、また旋回して吹雪に再び襲いかかる。
吹雪はなんとか体制を立て直すものの、目の前には既に大口を開けた駆逐艦級がこちらに飛び込んでいた。
「当たって下さいっ‼︎」
吹雪は目をつむって砲弾を撃つ。
しかしそれは必然的にも当たらず、深海棲艦は尚も勢いを止めないまま吹雪を飲み込もうとする。
吹雪の頭の中は真っ白になり、周りにいた水雷戦隊の仲間達からの悲鳴も彼女には届かなかった。
このまま終わってしまう……そう思っていたが、予想外の展開が起こる。
駆逐艦級の腹から背にかけてを、ピンク色をした何かが海面から突き刺していた。
「ハァッ‼︎」
聞き覚えの無い声とともに何かが海面から姿を現した。
それは、一見すればただの人に見えた……その人物が自分たちと同じ様な装甲を装備していなければの話だが。
彼の手には長い棒が持たれており、その先にはピンク色の刃物みたいなものが出ていた。
「ぶっ飛びやがれっ‼︎」
彼は手に持っていた槍を駆逐艦級ごと空に投擲した。ある高さまで行くと、彼は鎖の様なものを勢いよく引く。すると、駆逐艦級に刺さっていた槍が引き抜かれる。駆逐艦級は空に上がったままで、彼はそこに肩に装備していた何かと自分を駆逐艦級に向ける。
「これを手向けとして持っていけっ‼︎」
彼の両肩に装備されている装甲から緑色の光線6本と、腹から赤と白が混ざった様な光線の計7本が駆逐艦級に向かい、全ての光線が貫いた。
貫いた後、駆逐艦級は空で爆発した。
「よぉ、大丈夫だったか?」
「へっ?」
突然目の前で何が起こったかわからず呆然としていると、駆逐艦級を葬った彼が声をかけてくる。
そこに他の水雷戦隊の仲間達も吹雪の元に集まる。
「わっ、私は大丈夫です……それよりあなたは……?」
「おぉ‼︎ そういや紹介がまだだったな‼︎ 俺は本日付で君らの副提督になった、幾島祠堂だ‼︎ まっ、詳しい話は帰ってからだ。君らも早く体勢立て直しとけよ‼︎ じゃ、俺まだまだ仕事あるから‼︎」
そう言って祠堂は変型? みたいなことをして海中に戻って行った。
そうしている間にも深海棲艦はこちらに攻撃を仕掛けようとするが、どこからかの攻撃を受けて逆に撃沈してしまう。
海中の中から緑色の光線が深海棲艦を貫いたりして、次々と撃沈されていた。
「おいおいこんなもんかー⁉︎ 遠慮せずにもっと来いよっ‼︎」
攻撃を行っている彼は、まるで荒れ狂う嵐の様に槍を深海棲艦に振るっていた。時には肩に付けた装甲から弾丸を飛ばして攻撃していた。
そして彼の目に留まる存在が現れた。それは、さっきまで戦っていた深海棲艦と違い、普通に人の形をしていたが、体から放たれる威圧感が、普通の人間でも普通の深海棲艦でもない事を現していた。
その間にも正規空母の赤城達が戦場に到着し、空爆を行って深海棲艦の数も減っていた。
「やっと親玉登場って感じだなぁおい‼︎ んじゃ、とっとと終わらせるぜっ‼︎」
祠堂は手に持っていた槍をその深海棲艦に突き刺そうとする。しかしそれは見えないバリアの様なもので阻まれ、弾き返された。
「かてぇな‼︎ ならこれならどうだっ⁉︎」
肩についている装甲から砲弾を4つ飛ばす。深海棲艦はそのまま動かず、砲弾は直撃した。
煙が晴れる。しかしそこには無傷の深海棲艦がそのまま立っていた。
「ったく、どんだけかてぇんだよ⁉︎ まっ、その方が俺も戦いがいがあるってもんだ‼︎ フォーム‼︎ ウィング‼︎」
祠堂はそう口にすると同時に彼の体が光る。光が治ったと同時に目を向けると、そこには先ほどの姿とは別の祠堂がいた。
「ターゲットの周りにバリアフィールドを確認……これよりフィールドを破壊する……」
姿が変わった彼の口調も変わっており、そう言い終わると同時に背中に着いた装甲を広げて空に飛び立つ。
深海棲艦は肩についていた主砲で祠堂を狙うが、彼には当たらなかった。それどころか早すぎて砲弾が彼に追いつかない。
「ターゲットロック……破壊する」
彼は手に持っていた大口径の銃を深海棲艦に向けて引き金を引く。そこからは莫大な量の光線が放たれ、一直線に深海棲艦に向かう。
深海棲艦は動かず、そのまま光線に飲まれた。その光線はただ深海棲艦に当たっただけでなく、爆風を生み、あたりに強い風が吹く。
周りにいた艦娘達はどうにかその衝撃から耐える事しかできず、艦載機に限ってはそれに煽られる。
光線が銃から放たれ終わると、そこにはまたも無傷な深海棲艦が立っていたが、その周りに浮遊していた丸い球体みたいなものが何かに耐えられなくなったのか開き、フィールドは消滅した。
「敵フィールドの破壊を確認……これよりターゲットを殲滅する」
祠堂が静かにそう言うと、またも変型をして、今度は鳥のような形となって深海棲艦に真っ直ぐ向かう。
深海棲艦はこれを払うために肩についた主砲を彼に向けて撃つ。
幾度か放たれたがこれもかわされる。
しかし、距離も残りわずかのところで彼に砲弾が命中し爆発する。
吹雪達はただ見ている形だけとなり、彼に砲弾が当たってしまった事に顔が険しくなる。
だがそれも束の間で、爆煙の中から彼が速度を変えずに近づき、両手に緑色の剣を握っていた。片方で敵の主砲を切り落とし、もう片方は敵を切り裂いた。
祠堂は速度を変えないまま過ぎ去り、後ろの方では深海棲艦が断末魔をあげながら爆発していた。
「任務終了……これより帰投する」
この言葉は誰にも届いてはいなかったが、それを構う事なく彼は、艦娘達が所属する鎮守府へと飛んで行った。
これを読んでいて訳がわからないと思いますが、自分としては満足はしています。
さてさて、これは本編とは違う主人公が異能を持ち、艦娘と共に深海棲艦と立ち向かっていくというようになっています。
まぁ、結論から言うと主人公チートすぎるとなりますが……
それではこの辺で。