あらかじめご了承の方をよろしくお願いします。
今回は遭難という題ですが、海での遭難ではありません。
それではどうぞ。
あの夢を見てからというもの、僕に変化が起きていた。
榛名さんのものであろう鉄の塊……
最初は、普通の鉄の塊にしか見えなかったのが、よく見たら小人の様な者がいた。なんだか困っているような雰囲気をしていたので、試しに話しかけることにした。
そしたら反応してくれて、話を聞くと彼ら(彼女ら?)は艦娘に艤装というのに宿る妖精らしい。
僕は、お伽話の中でしかその妖精という存在を知らない。まさか現実にこんな形で存在するなんて知らなかった。
でも、イメージ的には合っていたかなと思う。
艤装に宿る妖精達が困っていた原因……それは、艤装がボロボロなことにあった。
妖精たちは、自分の装備を治す技術を持っているらしく、材料があれば普通に治せるらしい。
しかしながらここにはその材料が無かったので、治したくても治せないということだった。
(確かにそれは困るよね……でも材料になりそうなものがここには……)
そう思った時、ある話を思い出した。
町の人が野山に薬草を取りに行った際に、薬草以外の物を採ってきたんだとか。
それは鉱石だった。
薬草を採っていた辺りの崖の方に、キラリと光る何かがあって、見てみると今まで見たことが無い鉱石だったという。
それは、売ってみたら高い値打ちがしたようで、即決で売ったらしい。
でも、この町でそんなにお金持ちになったとしても、自分が生活する以外ではほぼ使わない。
なので売った人は、町の整備費として収めたのだとか。それを使う機会があるのかわからないのだけど、寄付をした人は普通に善者だと思う。
とにかく、そんな話を思い出したわけで僕は野山に行くことにした。
勿論この前みたいに榛名さんを心配させるわけにはいかないので、相談して、付け加えては榛名さんにも同行してもらうことになった。
「傷まで癒してもらったのに……榛名の艤装のことまで考えて下さって、申し訳ないと思いますけど、嬉しいです。代わりと言ってはなんですが、榛名も安騎尭さんのために頑張りますね‼︎」
確かに、榛名さんの力があるとありがたいと思う。
その鉱石も、野山の奥にあるらしくて、自分ひとりでは取れるかどうかが分からなかった。
前よりも奥の方にあるらしい。だから凄く心強かった。
「じゃぁ、早速出発したいんだけど……いいかな? 早い方がいざって時に早い方がいいと思うんだ。そのいざが無いかもしれないけど……それでも、準備ぐらいはしても良いかなって思ってる。どうかな?」
「そうですね、榛名も、自分の艤装はいつまでもこのままじゃいけないなって思ってたところですから。なんだか、感謝しても感謝しきれませんね……本来なら軍に所属している榛名が、安騎尭さんのような一般の方を守らないといけないのに……」
「いいんだよ。僕は僕の方で好きでやってるんだし、困っていることがあればお互い様だよ」
これは、当然のことながら義務とかでやっているわけじゃない。責任感でやっていることでもない。
ただ、自分がやりたいからやる。ただ、目の前で困っている人がいるから助ける。たったそれだけのことで、他意なんてない……とは言えないかもしれない。
僕の感情の中で、何かが引っかかっている……それらだけの理由じゃ説明できない何か……
(ひょっとして僕は……榛名さんといつまでも一緒にいたいって、どこかでそう思っているのかな……)
知らない間に僕が、榛名さんに特別な感情を抱いている……?
もっと一緒に過ごしていたい……そう思っているのかもしれない。
そうして僕たちは、野山の奥地へと向かった。
その道中は、比較的に安全に向かうことができた。目の前に熊とか現れても、こっちに気づくと遅いもせずにすぐ横切って行った。
なんでなんだろうと思ったけれども、全くわからなかった。
そして、僕が薬草を取りに行ったところを過ぎて、結構奥まで来た。
そこには、ほぼ町で見られない薬草がほとんどだったけど、今回の目的はそれではない。艤装を治すための鉱石だ。
そこを通り過ぎる。いよいよ鉱石が取れたと言われる崖にまで来た。
でも、そこには鉱石も何も、ただ崖があるだけだった。
そんな時だった。地震とか大きな揺れが無かったにも関わらず、僕の足元に亀裂が走った。
そしてすぐに僕は地面の下に落とされた。
榛名さんがそれに気づいて手を伸ばしてくるけど、僕は取り損ねて下へ下へと落ちていった。
後半が投げやりになって申し訳ありません。
なかなか浮かんでこなかったのでこのような形になりました。
次回はできるだけ整うように頑張ります。
それでは……