艦隊これくしょん 〜諦めない心〜   作:橆諳髃

14 / 50
お久しぶりです。ここ最近はもう一つの小説を書いていたのでなかなか手をつけられませんでした。

とりあえず、久々に投稿するという事で……

ご覧下さい。


小説本編:2章 新米提督編
9話 安騎尭の着任


あれから数年……歳は18になった。

 

そして今日から俺は鎮守府に着任した……

 

 

 

町から出てすぐの事……どこから情報が出回ったか知らないが、海軍の本部から来たという役人が俺のところに来た。

 

最初は胡散臭かったが、騙された時はその時に対処すればいいと思ってそのまま付いていった。

 

付いていった先には、立派な建物があった。確かに役人が言ったことは嘘じゃ無いとわかった。大きな門の所にデカデカと海軍本部ってプレートが付けられてあったし……

 

それで本部の中へと進んでいく。そこで初めに通された所は、海軍の中で1番上の位にいると言われる元帥の所だった。

 

そこで俺は言われた。是非とも海軍に入って欲しい、と。

 

どうやらあの戦闘を見られていたらしい。俺が住んでいた近くの鎮守府が、深海棲艦が町に砲撃をかけているとの情報で艦娘達を派遣して撃墜をはかっていたらしい。

 

だが、付いていた時には深海棲艦は沈んでいて、その近くには俺達だけがいたらしい。代わりとしてその艦娘達は敵の残骸を持って鎮守府に戻り、その残骸を調べるために本部へと送ったとか。

 

その調べた結果、深海棲艦がただの砲撃によって沈められたのではなく、何か違う力によって沈められたという結果に行き着き、本部が俺を探してここに連れて来たという事だった。

 

あの時の俺はまだ精霊の力を制御しきれてはいなかったがために、海軍に入る事になった。

 

ただ子供だったから海軍将校養成所にまずは入ったけれど……

 

そこからどんどん力を付けた。指揮から武術に至るまであらゆる物を学んだ。

 

しかしそれだけじゃ俺は手持ち無沙汰だったから薬学についても学んだ。後は精霊達との契約に力を入れた。

 

 

そんな諸々の事が今日に至るまでに起きた事だ。

 

そして俺は、養成所をこの歳で卒業して鎮守府に着任した。

 

養成所に入れるのは、小学1年生ぐらいの歳から入れる。例え大人になって入ったとしても、クラスも受ける講義も違ってくる。

 

小学校低学年から入った子達は基礎知識、国語や算数などといった科目から入る。

 

中学から入った子達は小学校からの続き、高校からは中学校からの続きというような感じだ。

 

そして中学からは武術も習う。型も様々で、自分に合った物を選んでいく。

 

俺の場合は……まぁ決められた型というのは苦手だったからほぼ自己流だけど、それでも十分対処できたから問題はない。

 

 

それはさておきとして、今は提督室にいる。前までは他の提督がいたらしいが、そいつが艦娘達に不当な扱いをしていたという事でお縄になったらしい。

 

これはまぁ良くある話なのだそうだ。

 

そこで丁度よく俺が卒業したから、この鎮守府に俺が配属された。

 

そして俺の隣には勿論、これまで連れ添ってきたパートナー……いや、家族がいる。

 

「安騎尭、榛名は安騎尭が提督に就任できて本当に嬉しいです」

 

榛名が俺に笑顔を向けながら言ってくる。俺もそれには笑って応えるが、実のところ榛名の笑顔には流石に慣れない。

 

いつも顔を真っ赤にしてしまう。多分今の俺の顔も真っ赤なのだろう。でもそれは仕方がない事だ。ここまで美人である人が、俺にこれまで一緒についてくるという事自体普通ではあり得ないと思っている。

 

だが、嬉しいは嬉しい。

 

「安騎尭、顔が赤いですよ? どうかしたんですか?」

「ん? いや、そういうわけじゃないさ。ただ榛名の笑顔が可愛いからそれに見惚れてるってだけだよ」

「えっ……そっ、そんな事ないです‼︎」

 

俺がそう言ったら榛名はすぐさま顔を真っ赤にして顔を俯ける。何というか、こういう榛名を見るのも俺は好きではあるし、ずっとこうしていても構わないと思うのだが、提督になった以上はきっちりと役目は果たさないとな。

 

「榛名、もうそろそろ仕事を執り行うぞ」

「……」

「おーい、榛名ー?」

「……」

 

いつの間にか自分の世界に入り込んでいるらしい……こういう事は偶に……いや、結構あるな。俺がこんな事言ったらいつもこうなってしまう。俺も悪いは悪いが……

 

「仕方ないな……ていっ‼︎」

「いたっ⁉︎」

 

俺は榛名の頭に軽めのチョップをする。だが俺の軽めのチョップは何故か痛いらしく、同級の奴にやってももう少し加減しろと言われる。

 

「ほら、早く仕事しに行くぞ」

「まっ、待って下さい安騎尭‼︎」

 

俺はそう言うと提督室からでる。そしてその後から榛名は俺の後を慌てながらついて来て俺の隣に並んで歩いた。

 

 

 

着任して初めての業務……それは鎮守府にいる艦娘に挨拶をする事だ。この鎮守府にいる艦娘というと、前にも言ったように俺が来る前にいた提督の元で働いていた子達の事だ。

 

(多分ここにいる艦娘達は提督に対するイメージが悪いだろうな……だから急に何されてもなんら不思議ではない)

「まっ、何が来ようが俺は逃げないがな」

「安騎尭、なんか言いましたか?」

「いや、なんでもないさ」

 

そんなやりとりをしながら廊下を歩いていく。

 

そして俺たちは艦娘を招集した場所に着く。彼女らが前の提督にどんな事をやられたかは、報告を受けている。多分集まってない子も出てきているとは思うが、それでも良いか。

 

前の提督がやったツケ諸共、俺はこの身に全て受けるつもりだ。でないと、俺がしようとする事はまずできないからな。

 

こんな事を思いながら扉のドアノブを握って開ける。

 

するといきなり砲撃音が聞こえて砲弾が俺に向かって来た。

 

 

 

side???

 

私達は屈辱を受け続けてきた……来る日も来る日もあんな下衆に不当な扱いをさせられた。私と同期だったもの達がなんの装備も持たせられず出撃をさせられたり、十分な補給、食事も提供されず、傷ついてもまともに入渠させてくれない。

 

出撃から帰ってこなかったもの達までいて、旗艦を務めたものは自分だけ帰ってきてしまったと泣き崩れ、そのままの状態でまた戦場へと駆り出される日々が続いた。

 

時には奴の慰み者として……無理矢理奴の相手をさせられたりした。それにはもちろん……私も被害に遭った。奴は……私達の事を道具だと言った。道具は道具らしく上官の指示に従えと……

 

私は、幾度奴に拳を振おうと思っただろうか……だがそうすれば、私を慕ってくれている子達に被害がさらに及んでしまうだろう……だから私は我慢するしかなかった。

 

視察が来る日であっても、奴はバレないように隠し、誤魔化し、散々とやってきた。私達はいつこの生活から解放されるのかと、いつまでこの屈辱を受けなければならないのかと……

 

だが、それももう終わった。最近できた抜き打ちの視察で、急に来た視察に奴は焦り、なんとかしようにも現場を見られて御用となったのだ。

 

これで私達を縛るものは何もない。そう思っていた。

 

だがそれも一瞬で、また新しい提督が着任すると報告を受けた。しかも新米提督が着任するとの事だった。

 

私はこの時、また同じ屈辱を味合わなければならないのかと思った。

 

だから私は思った。私はまた同じ屈辱を受けてしまうと言うのなら、事を起こしてでも自由を掴み取ると。お尋ね者になり下がろうとも、果てに捕まって牢獄送りにされようとも……

 

 

そして迎えた。今日、新米提督がこの鎮守府にやって来る。私は、あの時の屈辱をもう味わいたくない。そして、私を慕う子達にもあんな絶望を味合わせたくない。

 

だから私はその提督を追い返す。最低その提督が死のうとも、後悔はしない。これは私達が屈辱を……絶望を受けないための最善だ。

 

決行しようとした直前に、館内放送で呼ばれた。それも艦娘全員だ。未だに心に傷が残っているものは来ないだろうが、私は行くつもりだ。

 

わざわざあちらから来てくれるのだ。手間が省けたというものだ。

 

そして集まった場所は、食堂の次に大きい部屋で、主に作戦を実行する時と完了した際に使われる部屋だ。本来ならばここで提督が宣言し、そこから士気を上げさせる大切な場なのだ。

 

しかし奴は1度も使わなかった。だから埃も目立つ。

 

しかしそんな事はどうでも良い。今は新米提督だ。奴をここから追い払う。

 

そう思っていると出入り口のドアが開く音がした。私は瞬時に反応すると、偽装を呼び出して出入り口に砲弾を発射した。

 

 

side out

 

 

安騎尭に砲弾が迫る。砲弾を撃った張本人である長門はこの時点で当たったと思った。これを避ける人間はいないと、そう決め付けている。

 

確かに普通の人間なら当たって終わってしまうだろう。

 

そう……これがただの人間ならば……

 

「せぇいあっ‼︎」

 

安騎尭は右手一本で長門の砲弾を弾く。安騎尭の顔には焦りは微塵もなく、それが普通であるかのような顔をしていた。

 

これには長門も唖然とした。自分は戦艦であり、火力もそこら辺の深海棲艦なら1発で仕留められるほどの砲弾を、たかだか人間の身である安騎尭に普通に弾き返されたのだ。驚くなという方がおかしい。

 

「さて、多分この場にいない艦娘もいるだろうが、これより着任の儀を行う」

 

先ほどの事がまるで何事も無かったかのように、安騎尭は壇上に上がる。そして安騎尭の隣にいた榛名も安騎尭に続き壇上に上がった。壇上の中央にはマイクスタンドに備え付けられているマイクがあったが、安騎尭はそれを退かした。

 

そして一息入れて、安騎尭は言葉を紡ぐ。

 

「今日からこの鎮守府に配属された脩鴑安騎尭だ‼︎」

「っ⁉︎」

 

この一言を聞いた長門、その他に来ていた艦娘達も驚く。安騎尭が砲弾を弾いた事にも驚いてはいたが、そもそも提督が名を口にするところからありえない。

 

別に提督の名前を聞く、もしくは呼ぶ事は、罰則にはならないが、どこの鎮守府でも提督の名を知る、もしくは呼ぶ行為はしてはならないと暗黙の了解としていた。

 

だがこの壇上の上にいる新米提督は、あろう事かその暗黙の了解を自分で破ったのだ。

 

前の提督と比較していた彼女らは思う。この男は、普通とは違うと……どう説明すれば良いかわからないが、とにかく言える事は、前の提督とは明らかに違うという事だ。

 

そんな彼女らの内心に構う事なく安騎尭は続ける。

 

「提督といってもこの前養成所を出たばかりの新米だ。至らない点があることは重々承知だ。だからその時は遠慮なく言ってくれ‼︎ 俺は、要望に応えれるだけ応えよう。そして、至らないところは努力してでも直す。そして、これが最後になるが、しっかりと聞いて欲しい‼︎」

 

その場が静寂に包まれる。彼女らは黙って聞いていた。前の提督の元では、見ただけでビクビクとしていた。それだけの恐怖があり、全ての提督に対してそのイメージを持っていた。

 

しかしこの提督の前ではそんな恐怖心は無かった。こんな状況になんでなってしまったかなど、彼女らは考える事もなく安騎尭の言葉を聞いていた。

 

そして安騎尭は、最後の言葉を口にした。

 

「俺が気に食わないと思った奴は、いつでも俺の所に殴り込んで来い‼︎ 俺は、全力でお前達の想い、恨み、悲しみ、その他諸々を受け止めてやる‼︎ 以上‼︎ 解散‼︎」

 

安騎尭と榛名は壇上から降りて部屋から出る。

 

「安騎尭は……昔とは随分と変わってしまいましたね」

「昔の俺の方が良かったか?」

 

榛名は部屋を出てすぐ安騎尭に言った。そう言われた安騎尭は、顔を向けながら答えた。そこには昔の面影は無かったが、笑顔を浮かべた安騎尭の顔があった。

 

「……いえ、榛名は昔の安騎尭も好きですが、今の安騎尭も大好きですよ‼︎」

「そうか……なんか照れくさいな。こんな事を真正面で言われるとさ……」

 

安騎尭は顔を赤くして榛名と一緒に歩く。

 

安騎尭の物語は……やっとスタートラインに到着した。




久々なので世界観が違うなと思いながら書きました。

正直下手だなと思っています。

申し訳ありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。