「あの……榛名さん……」
「何ですか、安騎尭?」
「単刀直入に言うが……これは一体どういう事なんだ?」
「どういう事って、そのままですよ?」
「いや、俺が聞きたいのは何でこの状態なのかって事なんだが……」
今俺は自室にあるベットの上で仰向けになり寝る体制にあるのだが……
(何故ここに榛名がいるんだ……それも俺に抱きつく形で……)
正直嬉しくはあるが、榛名の個室は用意してあるはずだ。確かに学校に入っていた頃は1つのベットを2人で使ってはいたが……
「安騎尭、どうかしましたか?」
「いや、ここには榛名の個室もあるのに、何でここにいるのかなと……」
「そっ、それはっ……榛名が今日1日安騎尭に甘えきれてないからです……」
「……」
「わがままなのはわかってるんですよ‼︎ でも……」
榛名の目がシュンとなった。
(……仕方がない……)
「分かった。今日は一緒に寝よう。だが、今後は少しだけ我慢してほしい」
「……わかりました……今後は出来るだけ我慢します。でも、今はめいいっぱい甘えさせてください……」
「あぁ、なら俺も……」
「へっ? きゃっ⁉︎」
俺は榛名に抱きついた。しかも、ただ抱きついただけじゃない。
(あぁ……やっぱり落ち着く……)
「あの、安騎尭……」
「ごめん。今はこの体制が凄く落ち着くんだ……だから、このままでいてくれないか?」
「……わかりました。安騎尭が満足するまでこのままでいますね」
「悪いな。なんだかこうしていると、俺が逆に榛名に甘えてるな……」
「いいんですよ? 確かに安騎尭に甘えたいですけど、甘えられる方も好きですから」
「そう言ってもらえると助かる。それに今は……凄く眠い……」
「そうですね。今日1日だけで色々あって疲れたでしょう。そのまま瞼を閉じて眠って下さい」
「あぁ……じゃあ……おやすみ……」
「おやすみなさい、安騎尭」
その言葉を聞いた俺は、瞼を閉じて眠った。意識が飛んだのはすぐの事だった。
side榛名
今榛名の胸の中で安騎尭が眠っています。安騎尭の表情は、どこか安心した様な顔をしていて、寝息をたてながらぐっすりと眠っています。
「フフッ、なんだか昔に戻ったみたいですね……」
安騎尭が小さい時は、よくこんな風にして榛名が安騎尭を胸に抱き寄せて寝かせていましたね……最近はそんな事は全くと言っていいほどなくなってしまいました。けど
(久々にすると、胸がドキドキしてしまいます……でも、安騎尭のこの安心した顔を見るだけで榛名は満足です)
榛名は安騎尭の頭を撫でながら眠りについた。
side out
窓から日差しが差し込む。安騎尭はそれに気づいて目を覚ます。
(なんだ、もう朝なのか……早かった気もするし、ぐっすり眠れた様な気もする)
そうして目を開けると、目の前には榛名がいて、俺を胸に抱き寄せる様な形をして眠っていた。
(そういえば昨日は榛名と一緒に寝たんだったな……それにしても気持ちよさそうに寝てるな……)
「すぅ……安騎尭……」
「ははっ、夢の中に俺が出ているのか?」
未だに榛名は気持ちよさそうに眠っていた。そのせいか、俺は榛名の頭を撫でていた。そうすると
「ん……安騎尭?」
「おっ、目が覚めたか?」
「はい……おはようございます、安騎尭」
「あぁ、おはよう、榛名」
完全に意識が覚醒した俺たちは、身支度を済ませて食堂に向かった。
食堂についた俺たちは、朝食の準備をする。
「さて、今日は何にしようかな?」
「そうですね……「それでしたら、焼き魚と味噌汁は如何でしょうか?」へ?」
食堂に2人以外の声が聞こえた。
「おっ、もうこっちに着いていたのか?」
「はい、提督」
食堂の台所に1人の女性が立っていた。
「あの、安騎尭。こちらの方は?」
「あぁ、そういえばそうだな。自己紹介を頼めるか?」
「はい、提督。本日付でこちらの鎮守府にお世話になります。軽空母の鳳翔と申します。不束者ですが、よろしくお願いしますね」
この鎮守府に家事スキルを持った艦娘が所属することになった。