艦隊これくしょん 〜諦めない心〜   作:橆諳髃

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今回は安騎尭が榛名との約束どおりお風呂に入ります。

それではどうぞ。


23話 R-15貴方(貴女)の温もり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食からかれこれ時間が経って今は午後の9時だ。俺はいつも通り……まぁ言うなれば養成学校時代からあまり変わらないが、入浴の時間になる。

 

自室に併設されてある風呂場を使うのはこれで2度目だが、いつも通りの時間といえばいつも通りだ。

 

ただ、今回は1人で入浴するわけじゃなく……

 

(榛名と一緒に入る事になってる訳だが……こうやって正式に約束して一緒に入るのはいつぶりだろうか……)

 

確かに、俺が入浴している最中にあちらから入ってくる事は度々あった。

 

(というか、よくよく考えてみたら1週間に4、5回入ってきた時もあったなぁ……)

 

まぁ、別にそれは構わない。というか俺得だったりするし……。なんか最近は俺得という言葉を結構使ってたりしているような気がするが……まぁ、本当の事だから良いか。

 

榛名からは先に入っていて欲しいと言われたから先にシャワーを浴びて浴槽に入っている。そう思っていたと同時に、風呂場の扉が開かれた。そこには、一糸纏わぬ榛名の姿があった。いつもつけている髪飾りも外していて、髪は纏めて結ってあった。

 

しかし、そこには恥じらいの様子が伺えた。俺も榛名の事が好きで、榛名も俺の事が好きで、相思相愛ではあるが、好きな人であっても自分の裸を見られるのは恥ずかしいだろう。例え何年来の付き合いであろうと、恥ずかしいものは恥ずかしいだろう。

 

そう思っている自分でも、榛名に自分の裸を見られるのは恥ずかしい。と言うより慣れるものではない。俺が幼少の頃は、確かに恥ずかしかった。だがあれは、女性と初めて入浴したからであって、今とは全く状況が違う。今までに何度も入っている。

 

それでも俺は慣れない。理由は……分かりはしないが、ただ言える事は、榛名の魅力はあの日あった時から変わっていない。いや、これは語弊だな。魅力が増していると言った方が良い。実際に俺はそう思っている。榛名の魅力は、今も増し続けている。どこがどうなったというのは口で説明はできないが、俺はそうであると思っている。

 

「あ……安騎尭……そんなに見られると……恥ずかしいです……」

「ん? あぁ、それは……すまない。榛名が綺麗で、つい見惚れちまってた」

「ふぇっ⁉︎ い、いきなりそんな事言われても……困ります……」

 

全くもって俺も同感である。だが、そうとしか言いようがないから仕方がない。

 

「では……隣失礼しますね……」

 

榛名もシャワーを浴びて浴槽に浸かる。この風呂場の浴槽は、銭湯にある石造りの浴槽で、広さもある。まぁ、3、4人ぐらいなら余裕じゃなかろうか。

 

それぐらいの広さはあるが、榛名は俺の隣に入ってくる。榛名の足先が浴槽の水の中に入り、そこから徐々に波紋として伝わっていく。その振動は、側にいる俺にもすぐに伝わり、やがて榛名の体が肩まで浸かった。そして、俺の左腕にピトッと榛名の体がくっつく。俺はそれだけで心臓が跳ね上がる感覚がした。

 

外面だけ見ると、普通にしているように見えるが、内面はそれどころではない。今すぐ逃げたしたいくらい、心臓が跳ね上がっている。

 

「安騎尭、顔が赤いですけど、どうかしましたか? あの……まさかのぼせてしまいましたか?」

「いや、のぼせてはないよ。榛名が隣にいて、それで緊張しているんだと思う。だからこんなに顔が赤いんだろうな」

「そう……だったんですか。ふふっ、なんだか嬉しいです。安騎尭が榛名を意識して見てくれて……榛名はそれだけで嬉しいです」

「そ、そうか……」

「安騎尭……その……甘えても良いですか?」

「ん? あ、あぁ、良いぞ」

「では……ん……」

 

榛名は俺の左肩に頭を乗せてきた。最初から近かったが、榛名の香りがより濃厚に感じれた。とてもとても甘い香りで、さらに心臓の鼓動が早まった。その香りだけで酔いしれてしまいそうで、正直理性を保つのはやっとじゃなかろうか?

 

「安騎尭の鼓動を感じます……。それに、こんなにも早く脈打って……ふふっ、榛名でこんなに興奮してくれるのですね」

「そ、それはそうだろう……こんなにも密着して、そんなの……興奮しない方がおかしいだろ……」

「……そう言ってもらえて、榛名は嬉しいです。安騎尭……キス……してくれますか?」

「榛名……あぁ。……ん」

「安騎尭……チュッ……」

 

俺は榛名の両肩に手を置き、徐々に顔を近づける。榛名の方は頬を赤くしながらも、ゆっくりと目を閉じる。そして、唇をくっつける。

 

「チュッ……んむっ……はむっ……あむっ……んあ……ぺろ……チュ……ぷはっ……安騎尭……榛名は……幸せです……」

「チュ……俺も……幸せだ。でもな……今だけじゃない。これからも、俺は榛名を幸せにする」

「安騎尭……榛名は……榛名は嬉しいです……その証拠に……ほら」

 

榛名は俺の手を掴むと、榛名の左胸に俺の手を押し付けた。そこからは、榛名の鼓動が感じ取れた。それもどんどん脈が早くなっていく。

 

「分かりますか? 安騎尭。榛名の胸は、こんなにも鼓動が早くなっていて、この気持ちをどうやって表現したらいいか分かりません。安騎尭は、どう表現すれば良いか分かりますか?」

「……そうだな。俺も正直どう表現して良いか分かんねぇ。でも、俺ならこうする……」

「あっ……安騎尭……」

 

俺は榛名のことを抱きしめていた。今の俺の気持ちを表現するなら、ただただ榛名のことを抱きしめるということしか今の俺にはできない。経験上、乏しいことはわかりきっていることではあるが、でも俺の中では、これが1番かなと思っている。

 

「安騎尭……とても温かいです。安騎尭の温もりが、とても心地良いです……」

「俺もだよ。榛名の温もりが、こんなにも側で感じられて俺は嬉しい……」

「榛名も……榛名も安騎尭を側で感じれてとても嬉しいです……。安騎尭、もう少しこうしていて良いですか?」

「あぁ、良いよ。その代わり、俺もあと少しだけこうしていて良いかな?」

「えぇ……えぇ……安騎尭であればいつまでもこうしてあげますよ」

「ありがとう、榛名」

 

俺たちは、当分の間浴槽で抱き合っていたが、それが1時間ほど続いた気がした。

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