とまぁ遅れたのは他にも要因はありますが、取り敢えず久しぶりの投稿です。なので変な文になっているなと自分でも感じています。そこは後ほど感想とかで言ってくれるとありがたいです。
それではご覧下さい。
side 加賀
ここは赤城の所属する鎮守府の地下牢。周りは鋼鉄の壁に囲まれており、扉も鋼鉄製で誰もが脱出できないようになっている。唯一ある排気口も小さく、子供でも通るのは難しい。さらにその排気口は天井についている為、そこまで達する事もできない。
そんな地下牢に加賀は1人だけ冷たい床の上に正座していた。地下牢には布団一式とトイレだけしかなく、食べる時も朝昼晩レーション1つのみだった。
そんな悪環境に加賀は正座しながらこう思っていた。
(……赤城さんは大丈夫かしら……)
加賀はこの鎮守府の地下牢に閉じ込められても赤城の事が心配で仕方なかった。赤城は加賀よりも後にこの鎮守府に配属され、当時右も左も分からなかった彼女の世話をしていた。それは一航戦という好でもあったかもしれないが、それでも彼女が分からないことがあれば何でも教えた。
そうして時が経ち、赤城が鎮守府に慣れ始め、遠征作業もスムーズになった。時には出撃任務もあったが、始めの頃よりも余裕があり、順調に奥地に攻めこめたりもした。
比率でいうと遠征任務の方が多い。、そのため、鎮守府での生活は安心して過ごす事が出来た。
ある査察官が来るまでは……。
ある日に査察が行われた。その査察官は眼鏡をかけており、目も鋭かった。その査察官は鎮守府を一通り回り、加賀達から見ればとても優しい提督にこう言った。
「この鎮守府には不備が沢山見受けられますね〜。本部に報告しますので、それまでは作戦行動は控えて待機していてください」
その一言に加賀達の提督はもう一度ちゃんとした査察をやって欲しいと頼んだが、受け入れられず、その査察官は去って行った。そして翌日になってすぐに、提督には左遷指令が出され、その日の内に提督はこの鎮守府から去ってしまい、直ぐに新しい提督が来た。
それも、とてつもなく性格の悪い提督が……。
「……どうしてこうなってしまったのかしら……」
私は俯きながら呟いていた。この呟きも、あの提督には丸聞こえでしょう。この部屋には盗聴器とカメラが設置されていて、私が一言でも今の提督の不満を漏らしたら、提督は私を罰と称して殴りに来る。そしてその1日のご飯も没収されてしまう。でも……
「私はどうなったって構わない……。赤城さんが無事でいてくれるなら……」
私がその後の言葉を言おうとした時だ。
「死んでも構わない……ってか?」
「っ⁈」
突然誰かの声がした。それで周りを見回すけれど、当然誰もいない。
「誰なの?」
私は誰の声かが気になっていつの間にかどこにいるか分からない誰かにそう投げかけていた。すると、その誰かは返事話をしてくれた。
「そうだな……ただの通りすがりと言ったところか」
「……」
私はその返事を聞いて黙ってしまった。最初の声が真面目そうに聞こえたからかしら? 次の返事が私にとっては不真面目に聞こえた。でもその後にまた真面目な事を誰かは語った。
「まぁ俺の事は後回しにしてだ。君は今、誰かが無事なら死んでも構わない。そう思っていないか?」
「……」
誰かの問いに、私はまた黙り込んでしまった。今度のは不真面目な事を誰かが言ったからじゃない。誰かが言った問いが的を射ていたから、私は直ぐに答えれなかった。
「沈黙という事は、俺の言った問いに対して肯定しているという事で良いか?」
「……そうね。私は今、私の大切な人のためなら死んでも良いと思っているわ」
「そうか……君もそう言ってしまうのか……」
「……どういう意味かしら?」
「なに、そのままの意味だ。そんな事を聞くのは、今日で2度目だ」
誰かの声は少し悲しげな声でそう答えた。でも何だか奇遇に思えるわ。私と今話している誰かが私と同じような考えを持つ人と話しているなんて事は、そうそうない事だと思うから。
「今日会った子も、自分の命を犠牲にしてでも守りたいって言ってたな……。確かにそれはいいことなのかもしれない。自分を犠牲にして誰かを守るってのは、それは聞こえが良い。他の人から見ても、立派に見えると思う。だけどな……」
そこで誰かは言葉を切った。少しの間の沈黙だったけど、次に発する言葉には少しだけ違う感情が混じっていたの。
「だけどな、そうやって守られた奴はどうなるんだ?」
「……」
私はこれにも返答できなかった。今まで赤城さんのためなら自分の命を投げ打って良いと思っていたから。
(でもそうしたら、赤城さんはどんな顔をするのかしら……)
そう、考えてしまうわ。確かに私は赤城さんを守れたら良いと考えていたわ。例え私の命が尽きたとしても……。でも、残された赤城さんはどう思うのかしら? 泣いてしまうのかしら? 嘆くのかしら? 1人残されて寂しむかしら?
「大切な人が側にいないって、悲しむに決まってるよな……。多分君もそうだろう?」
「……そうね。私も……大切な人が側から居なくなってしまうのは……寂しいわ」
「なら、助けを求めろ」
「えっ?」
私は最初誰かが何を言っているか分からなかった。でも、後からその意味が分かったわ。でも、どうすれば良いのかしら? 私が話している誰かはどこにいるのか分からないし……。それにどうやって私を助けてくれるというの?
「どうした? 助けを求めないのか?」
「助けは求めたいわ……。でもその後どうすれば良いのか分からないの」
「なんだそんな事か。そんなの簡単だ。ただ助けを求めれば良い。今までの辛い事も全部吐いて、それで最後に助けを求めれば良い。後は……任せろ!」
「っ‼︎」
誰かの言葉が、私の心に温もりを与えてくれた気がした。そう思っていると私はいつの間にか自分の思いを大声で叫んでいた。
「私は……私は……まだ死にたくない‼︎ 赤城さんとまだ一緒にいたい‼︎ 赤城さんと離れるのは……イヤ‼︎ だから……だから私を助けて‼︎ そしてもう一度赤城さんに会わせて‼︎」
「あぁ‼︎ その願い、俺が叶えてやる‼︎ だから、今助けるぞ‼︎」
誰かがそう叫ぶと、私を閉じ込めていた部屋の扉が燃えだした……?
(えっ? この扉……燃えるの?)
「目の前の万象を燃やし尽くせ‼︎ イグニートプリズン‼︎」
そんな言葉が聞こえると、目の前にある鋼鉄製の扉が勢いよく燃えだした。しかも扉だけが……。
(一体扉の向こうにはどんな人が居るの?)
いつの間にか私に語りかけてきた誰かに興味を持っていたわ。前の提督は優しかったという印象しかないし、今の提督に至っては最悪ね。でも私に語りかけてきた誰かはどうなのかしら? ここにいることからして海軍に縁のある人なんでしょうけど、でもどうやって厳重な鎮守府に侵入したのかしら? 至る所に防犯カメラや盗聴器もあると言うのに……。
そんな疑問を抱いていた時、目の前の扉が燃え尽きた。その燃え尽きた扉の向こう側には、黒い服……黒い軍服かしら? とにかくそんな服を着た男の人が右手をかざしてこちらに向いていたわ。その男の人が右手を振るうと、炎は一瞬に消えて、そして
「助けに来たぜ。加賀」
私に手を差し出してきたわ。私はその手に手を伸ばす。男の人は私の手をとる。そして私は男の人の近くに来て分かったわ。この男の人からは海の香りと、火薬に似たような匂いがする。それも私達艦娘が使う砲弾の匂いに……。
「貴方は一体何者なの?」
「俺か? そうだな……ただの通りすがりの提督とでも名乗っておこうか」
「何よそれ」
そのふざけた答えに呆れ気味に答えはしたけど、多分顔は笑っている。そう思った。
side out
side 悪提督
「クソッ‼︎ 何がどうなっている⁈」
何時ものように提督室の椅子に座っていたら突然火災報知器が鳴り出していた。それも地下からだ。地下には燃える物など何も無かったはずだ。一応は艦娘が不審な事をしないようにと地下にも設置しておったが……
「もしや加賀がやらかしたのか? しかし燃えるような物など置いてないはずだ……。なら一体何が……」
「何が起きたか教えてやろうか?」
「っ⁈ 誰だ‼︎」
聞いたことのない声が聞こえた。それも男の声だ。
「簡潔に言うとテメェが今までやってきたツケが回った……たったそれだけのことだ」
「なっ⁈ ふ、ふざけた事を言うな! 私が何をしたというのだ‼︎」
「何をしたって? ハッ! これはとんだお笑い種だな‼︎ もっとも、お前以外はそう思うだろうな」
「なっ、何を言っている⁈ 私はただ海の平和のために」
「海の平和のため……だ? 寝言は寝て言え。これまで何人の艦娘を捨て駒にしてきた?」
「わ、私はそんな事「してきただろ?」っ!」
「何回も何回も何回も……彼女達の死にたく無いという顔を見てきただろ? 任務で傷付いた艦娘を、お前は何もせずに戦場に送ったんだろ? 1回2回じゃなく複数回してきたんだろ?」
「ち、違う‼︎ 彼女達の意思で……」
「彼女達の意思……それが彼女達の意思だと本当に思って言っているのか? そんなわけが無い。そもそもお前は彼女達の意思を感じても無いし聞いてもいないだろ? そんな奴が彼女達の意思をどうだこうだって言えるわけねぇんだよ」
「か、彼女達の意思が例え無かったとしても、私は海軍のために‼︎」
「……もう聞き飽きた。お前の戯言は……ここで終わらせようか」
男の声がそう言い終わると提督室の扉がこちらに向かって飛んできた。私はとっさの事に机の下に身を屈めた。その直後に机に扉がぶつかる。その衝撃は私も襲ってきた。その際に机の下から私は放り出された。机の影からは出てはいないが、そこから顔を出せば確実に男がいる。しかも私の知らない男だ。
「おい……隠れてないで出てこいよ。机の影に隠れてるのは普通に分かってんだ」
……鬼だ……。ここにいても分かる。目の前にいるであろう奴の雰囲気、ドスの効いた声……鬼としか言えない。今私の手元にあるのは拳銃1つだけだ。
(これで相手を倒せるわけが無い……)
しかし思考と行動は真逆の事をした。悪提督は机の影からすばやく出て男に拳銃を向けて発砲。その銃弾は男の頭に命中した。その証拠に男は顔を後ろに仰け反らせていた。
悪提督は自分がいつの間にか発砲していたのに驚いたが、目の前の男が頭を仰け反らせているのを見て、自分に降りかかる火の粉は払いのけることができたと……そう思っていた。
「まさか顔に撃ってくるのは予想外だったな。まぁ普通に対応はできたが」
「ひっ⁈」
それは目の前の男が発していた。悪提督は訳が分からなかった。自分は確かに男の顔を撃ったはずだと。しかし目の前の男は平然としている様子で話す。そして気がついた。この男から一滴も血が流れていないと。それに気づいたのと同時に男は顔を定位置に戻す。そこで悪提督が目にしたものは、男が銃弾を歯で挟んで止めている光景だった。
男は歯で挟んだ鉛玉を噛み潰す。それを見た悪提督はそれ以上身動きが取れなくなった。
「さて、テメェを裁くのは海軍本部に任せはするが、その前に俺もお前を殴らなければ気が済まないから殴らせて貰う。あぁ、言っとくが俺に発砲したからじゃない」
そう言いながら男は男は右手に握り拳を作る。悪提督は体が震えるだけでそれを見ることしかできない。
「俺がテメェを殴るのは……これまでテメェが蔑ろにしてきた艦娘達の分だ」
男は悪提督に近づいていく。そして……。
「歯ァ食い縛れ‼︎」
悪提督は頬を思いっきり殴られたところで意識を失った。
side out
安騎尭は悪提督を殴った後直ぐに元帥に報告をした。報告した後に元帥直属の部下がやって来て悪提督を引き取った。安騎尭はその後本部に悪提督が治めていた鎮守府に新しい提督を付けるようにという申請と、悪提督に支配された艦娘達の今後を任せてその場を後にした。
鉄の扉が普通燃えるはずがありません。ただ書きたかっただけです。
さて、ここで技名の紹介をします。
イグニートプリズン
名前でイメージできるように火属性の呪文です。テイルズに出てくる呪文で、火柱が敵を囲むように攻撃し、最後に真下から特大の火柱がたち敵を吹き飛ばします。イメージしにくいと感じたら、YouTubeで「ジェイド 技」で検索してみてください。
それではこの辺で……。